【症例】40代男性
【主訴】左側(左腕、左足)の脱力、しびれ、痛み
【現病歴】2021年8月にコロナワクチンの1回目を接種した。9月20日に2回目を受けたその2週間後、頭痛が始まり、さらに体の左側に帯状疱疹が出現した。当院初診は2023年5月30日。
経過について、本人の口から語ってもらおう。
「最悪の状況です。ワクチン打ったのはもう2年前ですよ。それでも、いまだに全然治らない。あちこちの病院に行って、できる検査は全部やりましたが『異常なし』と。左手の握力は12しかありません。仕事はもう1年以上まともにできていません。これが『異常なし』なわけがないじゃないですか。
2回目を打ってから2週間後、体の不調が始まりました。当初はツイッターに「接種後の副反応がつらい!」なんて気楽に投稿したりしてね。まさかその後、症状がここまで長引くとは思ってもいなかった。こんな笑えない状況になるなんて、夢にも思っていなかった。
頭痛から始まって、体の左側に帯状疱疹が出て。当時、全身脱毛のために美容サロンに通っていたので、そのせいで皮膚が荒れたのかなと思いました。でも、どうも単なる肌荒れではないので、ネットでいろいろ調べると、帯状疱疹の画像そのものでした。それで、ワクチンの副反応なのかなと。
放っておけば治るだろうと思っていたけど、2か月が過ぎても治らない。というか、左腕や左足のしびれがだんだんひどくなっている。不安になってきて、脳外科に行きました。CTとかいろいろ検査したけど『異常なし』。整形外科に行くと、「しびれはヘルニアが悪化したものでしょう」と。素人目にもピント外れだと思いました。神経内科に行って、また同じような検査を受けましたが、やはり『異常なし』。地元の大学病院では『機能性神経障害』という診断を受けました。それ何ですかと聞くと「検査では異常がないのに運動障害とか感覚障害が生じる障害」とのことで、まぁその通りだなと。ただ、そのとき言われた医者の言葉に衝撃を受けました。「恐らく一生このままです。治りません。症状に慣れるしかありません」と。
ショックでしたが、医者の言う通りでした。接種から2年経っても症状は治っていません。一生このままなのかと思うと、やりきれない思いです。悔しい。なぜあんなワクチンを打ってしまったのか。ずっと後悔しています。
左手がこういう具合ですから、食事にも差し支えます。右手にお箸を持って、左手でお椀を持つ。でも左手が不安定で落としそうになる。実際、脱力発作というのか、急に力が抜けることがあります。
ワイシャツを着てボタンを留めるのも難しいし、濡れたタオルを絞ることもできない。左足で片足立ちするのは無理です。腰から下が腑抜けのようです。よく転ぶので、階段から降りるのが怖いです。
恥ずかしい話ですが、男性機能もなくなりました。
体がみるみる衰えていくのが恐ろしくて、意識的に筋トレをしています。でも体は昔のようには動きません。
いつだったか、足の爪が全部はがれました。今も爪はありません。痛みは全然なくて、自然にぽろっと爪がとれました。現場作業員なので、仕事のときは安全靴をはいています。何かのケガをして爪が剥がれるとかなら分かるけど、何もせず剥がれたことが不気味でした。
肉体労働なので、こんな状態では仕事ができません。これからどうやって食べて行こうか、将来への不安もあります。
ワクチン打ってから、胃腸の調子がずっと悪い。便通はゆるいです。なぜか吐き気がこみあげてきて、実際嘔吐することもけっこうあります。吐き気止めを飲みながら、無理して食事をとっている有様です。接種前の体重は65kgだったのが、今は54kgです。
睡眠は、手や足のしびれが気になって眠りにくい。寝ようとするときに、左側だけぴくぴくとけいれんすることがあります。
あちこちの病院で医者から言われたのが、「精神的なものじゃないか」って。でも、接種前の自分には悩みなんてありませんでした。仕事は順調で、健康には何の不安もありませんでした。でも、どの医者にも「精神的なものだ」と言われるから、ひょっとしたらそうかもと思って、わらにもすがる思いで精神科に行きました。抗うつ薬が処方されて、飲むと、ただ気持ちが悪くなった。それだけでした。
去年あたりから気圧に弱くなりました。最近雨が続いてて、今も頭痛がしています。昔は雨が降れば現場が休みなので、雨がうれしかった。でも今は憂うつです。母がこんな具合でした。天気が悪いと体調が悪そうだった。でもまさか、自分が同じようなことになるなんて想像もしていなかった。
先週吐き気がひどくて、病院で吐き気止めの点滴を受けました。受けながら「こんな自分、いっそ一思いに殺してくれ」と思いました。
体がそろそろ限界です。心も。本当にうつ病になりつつあるのかもしれません」
ワクチンで健康を失った。そのせいで仕事ができなくなり、経済的にも困窮し、精神的にも追い詰められている。
接種が原因で亡くなった人がいることを思うと、この人はまだいいほうではあるけれども、ワクチン後遺症があまりにもつらいため、「もういっそ殺してくれ」という気持ちになっている。「接種後死ななかっただけよかったね」ではない。この人は今、生を死ぬよりつらく感じている。
さて、どのように対応すべきか。
食事や生活習慣の改善指導は必須だとして、他に何ができるか?
イベルメクチンは飲んだことがないというから、一度試しておきたい。接種からほぼ2年と長く経過している症例では、イベルメクチンは効きにくいという話を聞いたことがあるが、症状改善の可能性があることはひとまずやっておく。
漢方薬(コロナワクチン除去方)もぜひ勧めたい。左側の症状は、脳に何らかの梗塞があるのかもしれない。画像所見はないとしても、ごく微小な血栓が悪さをしているかもしれない。コロナワクチン除去方は血の巡りと気の巡りをよくするから、改善が見込めるかもしれない。
イベルメクチンと漢方薬だけで経過観察ということにしてもよかったんだけど、もう一つ、ダメ押しをしたくて、それでアサイゲルマニウムを勧めた。これ、悩ましいところなんです。基本、出すサプリは少なければ少ないほどいい。サプリの種類が多いと何が効いたか分からなくなるから。値段のこともある。サプリの種類が多いと必然的に財布の負担も大きくなる。特にゲルマは高額だからお勧めするのは心苦しい。でも、僕はこの人を心底気の毒に思っていた。ワクチンで人生がめちゃくちゃに破壊された。こんなひどいデタラメを食わされた人がいるのかと胸が痛く、何としても救ってあげたいと思った。
こういうときには、やはりゲルマニウムです。9回裏ツーアウト満塁。ここで監督が代打を立てるとなれば、一番信頼できるバッターを送り込むに違いない。僕にとって、それがゲルマニウムです。
6月2日再診。
「飲みだして4日ほどですが、しびれが改善しています。こんなに症状がよくなったのは、2年間で初めてのことです。今まではひどくなる一方でしたから。今日、雨が降っていますが、こういう日は必ず頭が痛くなります。でも、不思議なことに頭痛がありません。これ、自分としてはちょっとした奇跡です」
症状が楽になったとのことで、ひとまずよかった。臨床医は結果がすべての世界なので、何が効いたのかの考察は後でいい。
とりあえずしばらく今の処方を続けて、様子を見よう。余裕が出てきたら、たとえばイベルメクチンをやめてみたり、逆に、フルボ酸とかナットウキナーゼを新たに試したりして、さらなる改善を目指そう。
きっと、もっとよくなりますからね。