痛みを訴える患者が来れば、まず第一に「ゲルマニウムを使ってみよう」と考える。それが僕の臨床スタイルです。
痛みの種類を問わない。頭痛、腹痛、生理痛、歯の痛み、癌の痛み、帯状疱疹の痛み。とりあえず、患者の口から「痛い」という言葉が聞かれれば、まず、ゲルマの適用を考えます。
なぜ痛みにゲルマニウムが効くのか?このメカニズムについて、最近論文が出ました。
http://www.qlifepro.com/news/20230110/ge-132-pain.html
浅井ゲルマニウム研究所、近畿大学、山形大学の共同研究によるもので、浅井Geの中村宣司さんによると、「大学がアサイゲルマニウムに関する研究のプレスリリースをするのは初めて」とのことです。「というか、もっと言うと、サプリによる鎮痛作用メカニズムの解明というのも前代未聞だと思います(笑)」
ただ、アサイゲルマニウムは法律上、サプリ(健康補助食品)であり、医薬品ではないから、売るときに効能効果をうたえない。「痛みに効きます!」と言っちゃいけないわけです。研究で作用が証明されたにもかかわらず、法律的に言えないなんて、おかしいですね。でもこれが現実です。
掲載された学術誌は『Redox Biology』。インパクトファクター(科学ジャーナルの格付け指標)が10以上というハイレベルな学術誌に載った。これもすごいことだ。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2213231722003512?via%3Dihub
内容的にざっと説明すると、、、
まず、痛みの発生メカニズムのひとつとして、「硫化水素原因説」があります。硫化水素。硫黄ですね。これが痛みに関係してる。
細胞膜にはカルシウムチャネルがある。ここにあるヒスチジンに亜鉛がくっついていて、この亜鉛が普段は”門番”の役割をしている。カルシウムチャネルが不用意に興奮しないよう、常に見張っているわけです。しかしここに硫化物が来ると、亜鉛と反応する。すると亜鉛による抑制が解除されて、細胞内にカルシウムが流入し、痛みが生じる。これが痛みの機序のひとつです(他にも複数ある)。
ここにアサイゲルマを投与すると、硫化水素と結合し、亜鉛によるカルシウムチャネル抑制が回復する。結果、痛みが抑制される。これが今回の発見です。
非常に細かいところまで研究されていて、たとえば、
細胞を使った研究では、痛みの電気シグナルは濃度依存的に抑制された。つまり、使えば使うほど効いた、ということです。最大投与量では電気シグナルが完全消滅した。
膀胱炎や膵炎の動物モデルでも、濃度依存の鎮痛作用が確認された。
細胞で成り立ち、実験動物でも成り立った。当然、人でも成り立ちます。
僕は臨床では、痛み止めは極力使いたくない。痛み止めに限らず、薬全般使いたくないのだけれど、痛み止めは特に嫌です。
頭痛持ちの若い女性とか、ラムネ感覚でバファリンとか気軽に使ってる人がいて、やばいなぁと思います。体が冷えて万病のもとだよ。頭痛には、まずMg。そこにGeも併用するといいね。
神経痛でリリカを手放せない、みたいな高齢女性も多い。リリカは名前は可愛いけど最悪の薬だよ(笑)副作用が多すぎる。CBDオイルが劇的に効くことがあるから試してみたいし、さらにGeも使うべき。
あと、癌性疼痛ね。癌の末期で骨転移とかしていて、モルヒネ使っても何を使っても痛みがよくならない、みたいな人、本当に多い。僕の母もそうでした。母は大腸癌で手術して、さらに抗癌剤までして、その後再発して、痛みに苦しみ抜いて死にました。当時僕がゲルマニウムを知っていればどれほどよかっただろう。苦しむ母の痛み、そしてそれをそばで見ている僕ら家族の心の痛みは、もっと救われていたと思う。
モルヒネって最強の痛み止めなんだけど、それさえ効かない痛みにアサイゲルマが一定の仕事をする。これ、めちゃめちゃすごいことだよ。
ちなみに、硫化水素が悪さをするのは、痛みに対してだけではなくて、たとえば、
https://www.riken.jp/press/2019/20191028_1/
これ、理研の仕事だけど、『硫化水素の産生過剰が統合失調症に影響』する。
細胞内には硫化水素を合成する酵素があって、その酵素を作る遺伝子(MPST、CBS)がある。統合失調症患者が死亡した後、その脳を調べると、MPST遺伝子やCBS遺伝子の発現が健常者よりも有意に上昇していた。さらに、MPSTタンパク質の発現レベルが高いほど、生前の臨床症状が重症だった。
つまり、統合失調症患者の脳内では、硫化水素の嵐が吹き荒れていて、それが幻覚、幻聴などの症状に影響している可能性があるわけです。
さて、上記の痛みの研究論文から分かるように、アサイゲルマニウムの仕事は、硫化水素をとっつかまえて、悪さをしないように封じ込めることでした。つまり、統合失調症患者がアサイゲルマニウムを飲むことで、症状が軽減する可能性があります。
「可能性」というか、Geの統合失調症に対する有効性は僕も臨床で実感している。EBMとしては、統合失調症患者を集めてきて、実薬群(アサイGe投与群)とプラセボ投与群に分けて、症状の改善度合いを調べる研究をすべきだろうけど、実際の臨床現場を見ていると答えは明らかだ。
さらに、統合失調症には腸内細菌も関係していると思う。ある種の腸内細菌は硫化水素を産生する。腸相の改善により、硫化水素産生菌が減少すれば、症状の軽減が期待できるのではないか。逆に、腸相を悪化させるような生活習慣は、精神症状の悪化につながるだろう。
https://note.com/nakamuraclinic/n/n7001c4a7f5f7
昔書いた記事だけど、自閉症と腸内細菌の関係について考えた。ここから一部引用する。
「長らく、胎児の腸管内部は無菌状態だとされてきた。僕も医学部でそう教わった。しかし最近の研究ではこれは否定されている。無菌状態どころか、胎児の腸内では、胎児の成長段階に伴って、その細菌叢がダイナミックに変化していく。
「個体発生は系統発生を繰り返す」、という言葉があるでしょう?受精卵が細胞分裂を繰り返し段々と人間の形になっていくわけだけど、「発生の過程は進化の過程を繰り返しているのだ」、という主張。どうも胎児の腸のなかでもこれと同じことが起こっているようなんだ。
子宮に着床した胎児の腸のなかで、まず、バチルス(桿菌)綱が繁栄する。やがてガンマプロテオバクテリア綱(大腸菌など)が支配的になる。しかし最終的にはクロストリジウム綱が優勢となり、この状態で出産を迎える。産後、母乳を飲むようになるとビフィドバクテリア綱(ビフィズス菌など)が繁栄するようになる。
『バチルス→ガンマプロテオバクテリア→クロストリジウム→ビフィドバクテリア』
この腸内細菌叢の変遷は、環境因子(経腟分娩ではなくて帝王切開による出産であったり、妊娠中の抗生剤の使用など)によって遅延する可能性が言われている。
早産児の腸内は、ガンマプロテオバクテリアが優勢である。免疫系の維持に保護的に働くビフィドバクテリアやクロストリジウムは、早産児の腸内には存在しない」
「この世界に菌のいないところは存在しない」という指摘がある。たとえば海底火山の熱水噴出孔。何百度という熱水にさえ生存できる菌がいる。原始の地球に見られたような、硫化水素のなかで生存できる硫黄細菌もいる。
たとえば、抗生剤を飲んだり、ワクチンを打つと、腸内環境が激変する。腸に住む細菌類にとって、極めて住みにくい環境になるから、より”原始的”な細菌類が支配的になる。
精神疾患の原因に、腸内環境悪化に伴う腸内細菌叢の”先祖返り”があるとすれば、、、
治療法は、当然、腸内環境の改善である。進化的により進んだ腸内細菌(ビフィドロバクテリアなど)が住みやすい環境にするために、ハーブ(オレガノ、タイムなど)を摂取したり食生活を意識する。
これにより腸内での硫化水素産生が減少し、症状改善の一助になると思う。