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ゲルマニウム講演会 in 新宿3

2022.2.23

もう何十年も昔のことですが、全国あちこちの病院でGeの有効性が検証され、それらの成果が学会で活発に発表された時代がありました。いくつか学会発表の実例を挙げれば、当時の雰囲気の名残りぐらいは感じていただけるかもしれません。

口腔癌(扁平上皮癌)の患者20例に対しアサイGe(50 mg/kg)を投与したところ、コントロール群と比較して、生存率、生存期間が有意に上昇した。

また、実薬投与群での初診時のインターフェロン値は平均25.3 IU/ml、一次治験終了時のそれは55.8 IU/mlと、大幅な増加が見られた。

切除不能肺癌(肺小細胞癌)に対する二重盲検試験。

まず皆さん、この研究を紹介するにあたって、肺小細胞癌がどういう癌であるのか、軽く説明しておきます。一口に肺癌と言っても、腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌、小細胞癌といろいろな組織型があります。このなかで最もタチが悪い癌は、ダントツで小細胞癌です。以下のグラフを見てください。

小細胞癌ではない肺癌患者の生存期間中央値は40.1か月、つまり、診断からおよそ3年以上は生存しそうですが、小細胞癌患者の生存期間中央値は11.2か月。つまり、だいたい1年持たずに亡くなる。進行が早く、しかもすぐ転移する。それが肺の小細胞癌です。
ポリクリで大学病院を回っていたときのことを思い出します。上級医がそばの患者を示して、僕の耳元でぼそっと、「この人、スモールだから」。何を言っているかというと、言外に「先の長い人じゃないからね」という含みがあるわけです。smallかnon-smallかで予後が全然違う。それぐらいに小細胞癌はやばいということです。
組織型がスモールだと分かった場合、手術は行われないことが多い。手術で原発巣を切除したところで、あちちこちに転移するので、あまり意味がないからです。手術よりは抗癌剤が優先されます。実際、上記の研究で対象とした患者も全例抗癌剤治療を受けていました。しかし、予後の極めて悪い肺小細胞癌に対して、アサイGeがすばらしい仕事をします。
アサイGe投与群(2250㎎/日)とプラセボ投与群に振り分け、経過を追いかけると、以下のような結果になりました。

化学療法のみ受けている患者の生存期間中央値は9.5か月で、最も長く生きた人でも20か月ほどで亡くなった。しかしアサイGeを併用した患者の生存期間中央値は18.8か月と、化学療法のみの投与群に比べ、生存期間がおよそ2倍延長した。また、アサイGe投与群では40か月以上生存する人もいた。

さらに、婦人科癌に対する効果についても検証されています。

化学療法というのは、皆さんご存知のように、副作用が非常につらいものです。癌を治療するために使っているのですが、癌の治る以前に、その副作用の強烈さのために治療自体が継続できないことも珍しくありません。しかし、上記の研究が示すところでは、アサイGe投与群では抗癌剤の総投与期間が有意に延長しました。アサイGeのおかげで、つらい副作用が軽減され、より長期に抗癌剤を続けることができた、ということです。また、化学療法開始から死亡までの生存期間が、アサイGe投与群で有意に長くなっていました。1年以上アサイGeを続けた卵巣癌患者(10症例)では、アサイGeにより腫瘍の限局化(浸潤、転移の抑制)、抗癌剤の副作用の減少が見られました。

こういうデータを見て、皆さん、疑問に思いませんか?「なぜ、まず抗癌剤ありきで、そこにGeを併用するのか?抗癌剤を使わず、Geだけを使ったほうが生存期間が延びるのではないか?」と。
実はその通りで、論文中にこんな表がある。

Geのみ投与(16例)すると、死亡は3例、生存は13例。ここの生存率が一番高いっていう(笑)医者の世界には明確にタブーがあります。「抗癌剤は有害無益なんじゃないか」なんて、口が裂けても言っちゃいけません(笑)

上記の研究でおもしろいと思ったのは、アサイGe投与群の採血データの変化。
血液所見の分散は、Ge-132を投与している期間において、pltとMCVとRBC、Hb、lymphの順で少なかった
どういうことか?まず、分散というのは統計学の指標で、「散らばり具合」のこと。たとえば今、この会場の皆さんの血液をとって、血小板の数を調べたら、人それぞれでしょう。10万とか低い人もいれば、40万とか高い人もいる。つまり、ばらつきがあるわけです。
でもこの研究は、「Geを飲んでいる人たちでは、血小板のばらつきが小さくなってきた」と言っているんです。さらに、赤血球のサイズ(MCV)、赤血球数(RBC)、ヘモグロビン、リンパ球もばらつきが小さくなった、とのこと。
これは、臨床をやっている僕の感覚とも一致しています。貧血(Hb低値)はアサイGeを飲んでるうちにだいたい改善します。やたら赤血球が大きい人(大球性)、逆にサイズが小さい人(小球性)、どちらもGeを飲んでいるうちにいい感じの値に落ち着きます。
アサイGeが血液に何らかの好ましい影響を与えているということでしょう。

数十年前、確かにアサイGeの黄金時代がありました。多くの医者が臨床で使用し、その有効性について様々な議論が交わされた時代が。しかし今や、市中病院は製薬会社の薬一辺倒で、アサイGeが入る隙間はありません。こうした状況に、少しでも風穴を開けたい、と思っています。

 

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