使用症例

不登校とゲルマニウム

2021.2.14

【症例】9歳男児
【主訴】チック、不登校、皮膚掻痒感
【現病歴】
2020年3月、コロナ自粛が始まった頃あたりに「ざわざわした気持ちになる」といって学校に行けなくなった。学校だけでなく、外に出ること自体が難しくなった。
同じ頃から全身にチックと皮膚のかゆみが出始めた。皮膚科に行って薬(飲み薬、塗り薬)を使うも改善しない。同年9月、当院初診。
お母さん「2018年にこの子の父、私の夫が亡くなったんですね。それ以後、おかしくなったと思います。そこにコロナ自粛の影響が加わって、ますます悪化したようです。本人も『パパに会えなくて寂しくてこんなふうになったと思う』と言っています。カウンセリングのような治療を受けた方がいいでしょうか?
3歳の頃から入退院を繰り返して、もともと病弱な子ではありました。でも活発で、外で体を動かすのが好きですし、本が好きで図鑑を一日中読んでいてもあきないようなところもあります。
それが、最近は明らかに元気がなくなって、何もせずに横になっていることが多いです。食事量も減っています。睡眠についても、今まで9時には寝れていたのが、最近は気持ちの不安定からなかなか寝れないことも多いです。
学校に行きたい思いはあります。ただ、急に人混みが苦手になりました。学校もそうですし、電車とかレストランとかに入るのも抵抗があります。
皮膚は以前はすべすべしてきれいでしたが、最近は全体的にガサガサしています。軟膏を塗っても効きません。皮膚のせいなのか、お風呂も嫌がります。皮膚の感覚異常でしょうか。
チックも夫が亡くなった頃に始まりました。音声チックと運動チック、両方あります。音声チックは、同じ言葉を2,3回繰り返したり。運動チックは、ジャンプしたり、ぎゅっと目をつむったり。最近チックがあまりにもひどいので病院に行ったら、ADHDに効く薬を処方されました。ネットで調べると、ほぼ覚醒剤に近い薬だと。怖いのでまだ飲ませていません。お守り代わりに持っていますけど」

さて、どうしたものか?
本人は、父に会えない寂しさのせいで様々な不調が生じたと考えている。人間は、肉体という物質的な存在であるばかりではなく、心という精神的な存在でもあるから、こういう本人の解釈モデルは大事である。だから、カウンセリング的なアプローチも、一度は試してみてもいいかもしれない。
ただ、一般論として、普通の人間は寂しいからといってチックを発症しない。他に原因があるに決まっている。そこで、探りを入れてみる。「ワクチンをよく打っていた、ということはありませんか?」
「夫は白血病でした。感染症にかかってはいけないと思い、ワクチンは欠かさず打つようにしていました。インフルエンザはもちろん、麻疹、風疹の追加接種なども積極的に受けました」
ああ、なるほど。
さらに、採血データを見ると、
中性脂肪 49 mg/dl ヘモグロビン 12.9 g/dl コルチゾール 4.4 μg/dl
中性脂肪が低い。なぜか?
まず、血中の脂質成分(コレステロールなども含めて)は、食事に由来するのはごく一部であり、多くは腸内細菌叢により生成される。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6947520/
また、以前にも触れたことがあるが、ワクチンは腸内細菌叢に壊滅的な打撃を与える。「ワクチンによって自閉症になる」などというと、ワクチンがまるで脳神経系に直接的に影響しているようだが、機序的には、ワクチンが、まず腸にダメージを与え、次いで神経系の症状が出る(腸脳相関)と考えた方が実相に近い。
実際、ワクチン(具体的にはアジュバントとして含まれるアルミニウム)を投与すると、中性脂肪(長鎖不飽和脂肪酸、短鎖脂肪酸とも)が減少することが示されている。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31625748/
また、ヘモグロビンも低い。これは、ワクチンによって腸がダメージを受けたことと関係している。「造血は腸で行われる」という腸造血説は千島喜久雄博士によって提唱されたが、長らく学界から異端視されていた。しかし、近年の腸内細菌叢の研究が、ついにこの説の正当性を認めた。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4144825/
さらに、コルチゾール低値も、ワクチン接種の影響として説明できる。機序としては、ワクチンに含まれる毒性物質が副腎の内出血を引き起こす。具体的には、副腎の外側にある球状層(一定量の脂質を含む)に壊死が起こり、さらに内側の索状層でも脂質が急激に減少する。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18486508/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsb1944/37/4/37_4_761/_article/-char/ja/
もっと直接的に、ズバリ、ワクチンに含まれる水銀(チメロサール)の曝露とチック症の発症率に関する研究がある。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4961900/

要するに、僕としては、この子の不調はすべてワクチンの副作用で説明がつくと思っている。
そこで、どうすべきか。
まず、食事の改善である。次に、腸内細菌叢の改善や重金属の排出を意識したサプリ(具体的には有機ゲルマニウム、マグネシウム、メチルガードあたり)を勧めた。

以下、その後の経過である。
10月受診時。
「チックが少し治まっています。かゆみに関しても、かさかさがマシになっている印象です。不安感も軽減しています。以前の不安を10とすると、今は3ぐらいでしょうか。
学校に行くのはまだ難しいですが、週に1回、保健室登校ならできるようになりました」

12月受診時。
「チックはほとんど出ません。出るとしても1日に1回くらいです。感情と連動していて、興奮すると出ます。日常的に出るということがなくなってきました。
学校には少し行けるようになりました。11月は週に2,3回とか。行っても1時間くらいです。それ以上は、気持ちがしんどくて耐えられず、帰ってきます。それでも、少しずつでも学校に行けるようになったことは、すばらしい進歩だと思っています」

おとつい(2月12日)受診時。
「学校に週3,4回は行けるようになりました。週4回だと翌週にしんどさが持ちこしてしまうようで、週3くらいがちょうどいいようです。授業への集中力も高まってきました。
先生、いろいろサプリを出して頂いていますが、はっきり確信したことがあります。この子に一番効いているのは、間違いなく有機ゲルマニウムです。
というのは、ゲルマニウムが切れたことがあったんですね。でも、「最近順調だし、まぁいいや」って飲まずにいたんです。そうすると、2,3日してまたチックが激しくなって。ひきつけみたいなひどいチックは久しぶりでした。学校に行くのもおっくうになって、集中力も下がりました。
この経験から、やっぱり絶対ゲルマニウムだなって、私も本人も分かりました。
体調が改善するにつれ、お父さんのことを思ってふさぎ込むこともなくなってきました。少し前に三回忌がありました。いつも命日が近付くとナーバスになるのですが、今年はずいぶん穏やかに乗り切れました」

「白血病で免疫力が弱る旦那さんへの配慮として積極的にワクチンを打ち、結果、そのワクチン接種が遠因となって、心身の不調を生じた」というのが僕の想定する作業仮説である。ただ、この仮説は「お父さんが亡くなったせいで学校に行けなくなった」という患者の解釈を否定するものではない。このあたりは、ひとまず「そうやなぁ。お父さん亡くなって寂しいなぁ」と共感的に聞いておくだけでいい。
腸内細菌叢が改善し症状が改善してゆくにつれ、心の傷も次第に消えてゆく。
そう、心の傷の背景に、体の傷が隠れていることの、何と多いこと。

 

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