以下の症例について、プライバシー保護のため、本質を変えない程度に詳細は変えてある。
【症例】16歳男児
【主訴】落ち着きのなさ
【現病歴および経過】
6月12日当院初診。同行した母親が語る。
「幼少時からADHDの診断を受けていて、落ち着きがないのは昔からです。
アトピーもありますが、12歳のときにザジテン(抗アレルギー薬)でてんかん様発作が出て入院したことがあります。それ以来てんかんが持病になりました。入院中てんかんに対していろいろ薬が処方されましたけど、どれも体に合わなかった。イーケプラとかひどかったな。とにかく吐いて吐いて。
甘いものを食べるとアトピーが悪化するので家では食べさせないようにしていますが、学校ではジュースなんかを買って飲んでいるようです。
最近食事療法の本を参考にして、鉄、ナイアシンなどのサプリを飲み始めましたが、今のところ特に効果は感じていません。というか、NOWのB50で吐き気がするのですが、飲み続けて大丈夫ですか?
落ち着きがないのは学校だけではありません。家でも席を立ってピョンピョン飛んだりします。症状が少しでもよくなれば、と思っています」
有機ゲルマニウムとメチルガードプラス(Thorne Research社のサプリ)を勧めた。
6月20日再診。
「コロナで休校だった学校が今週から再開しましたが、学校に休まず行けています。これ、地味にすごいことなんです。前回言い忘れましたが、この子、異常に疲れやすくて、すぐに体力がなくなります。学校を休むのもしょっちゅうです。でも今のところ皆勤です。
まず、寝起きがよくなりました。いつも朝が大変なんです。起こしてもなかなか起きないんですが、今はパッと起きます。本当に、文字通り、パッと起きます。寝起きだけじゃなくて、寝つきもよくなりました。睡眠の質が改善して、疲労感もなくなったようです。
落ち着きに関しては、それほど変わっていません。相変わらずピョンピョン飛び跳ねます。ただ、話が通じやすくなっています。これまでは、何か言っても、聞いてるのか聞いてないのか、ぼーっとしたようなところがあったんですが、こちらの話が”ちゃんと入る”ようになりました。以前よりも会話がしっかり噛み合う印象です。
今週は授業は昼までで、来週から通常授業です。いつも担任の先生から電話があって、どういう問題行動があったか教えて頂くのですが、今週はその連絡がありませんでした。”知らせがないのは良い知らせ”で、いい感じなんだと思います。
飲み始めてまだ1週間ですが、はっきり改善しています」
よかった。”劇的改善”というほどではないかもしれないが、着実によくなっている。もうこの子は大丈夫だろう。
9月29日。久しぶりに来院されたお母さんは、我が子の改善ぶりに劇的なものを感じていた。
「先生、すごいんです。この子の成績が。1学期末の通知表に、私、びっくりしました。これまで、5段階評価で1か2ばかりだったんですね。それが、なんと、4がちらほらありました!今までのこの子にはあり得ないことです。驚きました。本当に、よくなってるんだなって思いました。
あるとき、この子、私にぼそっと言ったんです。「お母さん、僕は、人の話を聞くというのがどういうことか、やっとわかった気がする」って。裏を返せば、今までぼんやりしてろくに話が聞けてなかったのかもしれません。授業の内容が理解できるようになったから、成績が急上昇したんですね。
先生のnote、読んでます。最近ワクチンのこと書いていましたよね。この子もワクチンがきっかけでおかしくなりました。三種混合を打った翌日にぐったりして、絶対ワクチンのせいだと思って、その後の小児ワクチンは打ちませんでした。インフルエンザのワクチンを打ったらまたひどいことになって。やっぱりワクチンはよくないなというのが、私の実感です」
親の欲目ではない。成績という客観的指標が大幅によくなった。改善を証明する何より雄弁なデータである。
「人の話を聞くというのがどういうことかわかった」というのはメタ認知そのもの。哲学の始まる第一歩であり、自分の頭で考えられるようになってきた証拠だろう。『アルジャーノンに花束を』を彷彿とさせるような知能の急上昇だ。
成績が上がったのはすばらしい。しかし、成績は、ただの成績である。10年20年も経てば、通知表の評定が3だろうが4だろうがどっちでもよくなっているだろう。
本当に喜ばしいのは、成績が上がったことというよりは、この子の人生が変わったことである。そして僕としては、そういうふうに人生が変わるお手伝いをできたことが、何よりもうれしい。
なぜ有機ゲルマニウムとメチルガードが効いたのか?その作用機序は?ひとつの説明として、メチレーションという現象が関与している。詳しくはまたの機会に書こう。
あと、有機ゲルマニウムを試してみたいという人には、できれば特に”アサイゲルマニウム”を推奨したい。両者は似て非なるものと言うべきで、ゲルマニウムの製法プロセスも違えば、その結果生成されるゲルマニウムの分子構造も違う。この点については以前に書いたことがあるが、簡単に言うと、一般の有機ゲルマニウムが二酸化ゲルマニウム(毒性あり)から抽出し、分子構造がラダー状(ハシゴ型)をしているのに対し、アサイゲルマニウムは鉱石(多結晶ゲルマニウム)から抽出し、六角形の分子構造をしている。どちらも体にいいのだが、ベターなのはアサイゲルマニウムである。当院で処方しているのも、当然こちらである。
ただ、問題なのは価格である。「手の込んだ抽出法をしている分、値段に転化せざるを得ません。価格面では他社製品と競合できないです」と浅井ゲルマニウム研究所の中村さんも心苦しく思っておられた。
でも、人生が変わり得るパワーを秘めた栄養素なんですよ?ちょっとぐらいお高くても、いい方を使いたいと思いませんか?