2か月ほど前に先進医療研究会のオンライン会議があって、そこで中村宜司さんがアサイゲルマニウムついて講演された。アサイゲルマニウムを知らない一般の人向けに、中村さんがどのようなプレゼンをするのか、興味があって僕もこの会議を視聴した。
しかし一番僕の興味をひいたのは、共同演者の白川太郎先生の講演である。
「1983年に大学を卒業し、呼吸器科の医者になりました。ちょうどシスプラチン(抗癌剤)が初めて日本に入ってきたときです。夢の新薬ということで、「ついに肺癌が治せる時代になった」と医者も患者も、希望にあふれていました。当時京都大学医学部には結核胸部疾患研究所というのがあって呼吸器に非常に力を注いでいて、医局が4つもありました。その4つの医局が合同で「シスプラチンをどうやって肺癌患者に投与するか」をテーマに、若い研修医たちが科を超えて勉強会をしていました。指導医の先生からハッパをかけられたことを今でもよく覚えています。毎日徹夜で喧々諤々やりながら、議論し合いました。
シスプラチンの投与基準は、米国の白人男性を基準に作られたものです。1アンプルを体重70kg以上、身長180㎝以上の白人男性に投与するのと、体重40kg、身長150cmもない小柄な日本人女性に投与するのとでは、当然意味が違います。体格の違いによってどのように投与量を調節すべきか。
また、当時からすでにシスプラチンによる腎毒性が言われていましたから、どのようにこれを回避するか?たとえば「数日前から24時間生理食塩水を流し、腎臓を保護してからシスプラチンを投与する」など、腎障害を軽減する方法について皆で懸命に考え、アイデアを出しました。
そう、我々は本当に信じていたんです。「抗癌剤で治る」と。残された課題は、副作用の軽減だけだ、と。
徹底的にやってみよう、ということで、ひたすらシスプラチンを使いました。結果、どうなったと思いますか?
失敗の連続でした。我々の努力むなしく、多くの患者が目の前で亡くなっていきました。私はこんな努力を数年間続けました。
ときどき、抗癌剤を拒否する患者がいました。「それでは何もしないで様子を見ましょう」と、外来通院を指示して経過観察していると、癌が進行するどころか、2年も3年も元気よく生きています。
一方、抗癌剤治療を受ける患者は、4階の呼吸器病棟に入院するのですが、3、4か月以内に死んでいきます。例外はありません。全員が亡くなりました。
こういう事態を目の当たりにして、私はたまらない気持ちになりました。「そもそも肺癌は抗癌剤で治らないのではないか?」そういう疑問を感じないではいられませんでした。
私は一体、何をしているのだろう?人を助けるために医者になった。しかし自分のしていることは、、、私は自分の存在意義が分からなくなりました。「抗癌剤で治せる」そんな自信は、どこかに消し飛んでしまいました。
ある日、院長に辞表を書きました。「自分の良心に背いてまで、これ以上こんなことはできません。やめます」
それ以後、私は臨床から研究に移りました。
イギリスに渡り、20年以上研究の世界に没頭しました。遺伝子学や免疫学の分野で、『ネイチャー』や『サイエンス』などに多数の論文が掲載されました。
これらの仕事が認められて、母校から教授就任のオファーが届きました。「余生を臨床医として過ごすのも悪くないな」と思って、現場に復帰しました。
ほぼ30年ぶりに臨床現場を見て、私は愕然としました。ずっと昔、私が癌患者にやってきた現場と何の違いもない。相変わらず進行癌に対して抗癌剤で治療しているが、まったく生存率が上がっていない。
「抗癌剤では治らない」私が30年近く前に確認したことです。これで臨床に嫌気がさし、研究に転向したんです。しかし30年経っても、現場は何一つ変わっていない。衝撃でした。もう少し変化なり進歩なりがあるだろうと思っていたからです。
治療法が根本的に間違っている。しかし、なぜ、どのように間違っているのか?なぜ、ステージ4の癌患者に抗癌剤を使ってはいけないのか?
この問いに対して、科学的根拠を以て説明できないといけません。
「抗癌剤により免疫機能や体力が低下する。つまり、基本的生存力が低下するため死亡する。だから抗癌剤はやめたほうがいい」要するに、「抗癌剤にはいわゆる副作用があるからやめたほうがいい」、というような説明では、いかにも素人です。しかし当時の私には、この程度のことしか言えなかった。
私はこの問題をずっと考え続けました。
私は呼吸器が専門ですが、「すべての癌に共通する性質は何か?」と考えました。根本をつかめば、すべてに応用が利くのではないかと。様々な文献をレビューした結果、自分なりに分かったことがあります。
癌は熱に極めて弱い、従って、温熱治療が効果的であること、また、癌は腫瘍マーカーを産生するので、これを目印をする免疫療法が効く可能性があること、それから、癌の根本的問題は、癌抑制遺伝子が壊れているために分裂を止めることができず、無限に分裂していくことだから、その癌抑制遺伝子を正常な遺伝子に入れ替えること、つまり、遺伝子治療が効くのではないか、ということです。
この3つの条件さえそろえれば、頭の先から足の先まで、どのような癌であっても、治せるのではないか。このような仮説を立てて、それで本当に行けるのか試す。そこからスタートしました。
様々な紆余曲折を経て、ようやく私は、上記の問題を説明することができるようになりました。
大学の教授職は、ある事情があって、やめざるを得なくなりました。
http://gan110.net/friends/friend1/
しかし、その後開業しました。来院される末期癌患者に対して、自分の理論で治療に臨んだところ、2年生存率61.29%となりました。言うまでもなく、末期癌の生存率としては極めて高い数字です」
アメリカでは癌の死亡率が年々低下しているが、日本では増加の一途である。なぜ、アメリカでは癌死亡率が低下しているのか?様々な要因があるだろうが、ひとつには、アメリカにおける抗癌剤使用量の減少である。
製薬会社にとって、抗癌剤はドル箱である。医学部教育を牛耳っている彼らは、診断/治療ガイドラインの作成にも首を突っ込んできて、抗癌剤を使わせようとする。医者は製薬会社の手先として、延々抗癌剤を使い続け、患者は死に続ける。この構造が何十年も続いてきた。
しかし、インターネットの時代である。情報が多くの人に開かれ、アメリカ人の多くがこれまでの”嘘”に気付き始めた。医者が抗癌剤を使おうにも、患者が目覚めているものだから、拒否されてしまう。結果、製薬会社の売り上げが減少し、国民の癌死亡率が下がった。いいこと尽くめだ。
目覚めることがいかに大切か、この一事からでも分かるだろう。
さて、日本人はいつまで羊のままでいるのですか?