使用症例

頭鳴り、有機ゲルマニウム、ケイ素

2021.2.16

耳鳴り、という言葉は皆さん聞いたことがあるだろうし、実際経験したこともあるだろう。しかし、頭鳴り(ずなり;正式な医学用語ではなく耳鼻科医の間で習慣的にこう呼ばれている)、はなじみがないと思う。
頭鳴りに悩む患者は、たとえばこんなふうに言う。「耳鳴りとは違います。音の感じも聞こえる場所も全然違います。頭の上のほう、頭頂部で、荒らしが吹いているようにゴーと聞こえます。耳鳴りのキーンとは明らかに別物です」
僕は耳鼻科医ではないが、これまでに2人頭鳴りを訴える患者を診たことがある。そのうちの一人の治療経過を以下に供覧します。

【症例】60代女性
2020年10月、当院初診。
「1月頃から頭の後ろのほうでセミが鳴いてるような音がします。ジーっという音です。脳神経外科でCTとか聴力検査とかいろいろ受けましたが、何も問題ないと言われました。薬が出ましたが、まったく効かないので飲むのをやめました。
いえ、耳鳴りではありません。明らかに頭の中で鳴っています。耳と耳の間、頭の後ろのほうです。夜寝るときなんかは周囲が静かなので、頭鳴りが気になって眠れません」
この患者は実に、”病院好き”で、他院からコレステロール降下薬や骨粗鬆症治療薬などを処方されている。毎年のインフルエンザワクチン接種も欠かさない。

さて、どのように対処すればいいか?
まず、頭鳴りは聴神経の症状である。神経症状の背後には、腸の不調が隠れているものだから、とりあえず食事の改善は絶対の必要条件。
さらに、不要な薬もやめたい。特にコレステロール降下薬は万病のもと。問答無用でやめさせたいが、主治医もいることだし、あまり出しゃばった真似はできない。「統計的にはコレステロールの高い人ほど、寿命が長く、癌にかかりにくいんですよ。あまり無理して下げることないですよ」とだけ言っておく。

さらに、やはり、ワクチンである。
ワクチンは腸内細菌叢を乱す原因として無視できない。腸内細菌の乱れは、神経症状を引き起こす。実際、こんな論文がある。
『ワクチン接種後に急性耳鳴と永続的聴神経障害を発症した症例』
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14974438/
『ワクチン接種の2日後に両側性難聴を発症した症例』
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30118641/

ワクチンの後遺症であったとしたら、どのようにすればいいか?
ワクチンには様々な有害物質が含まれているが、インフルエンザワクチンの場合、特に重金属に気をつけたい。

『重金属のデトックスを高める方法~レビュー』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3654245/
このレビューの中で、重金属の排出を促進する様々な方法が検証されている。有効性が確認されているものを列挙すると、食物繊維(ぬか、果物など)、藻類のアルギン酸、クロレラ、ペクチン、含硫ペプチド(ニンニク、ブロッコリなど)、パクチー(コリアンダー)、タウリン、メチオニン、アルファリポ酸、ビタミンC、E、グルタチオン、NAC、セレンといった成分である。

「ニンニク、玉ねぎなどのネギ科植物やブロッコリ、パクチーなんかを積極的に食べるといいですよ」と一応勧めたが、普段の食生活でそんなに多用される食材でもないから、この方面からの効果はあまり望めないだろう。
そこで、サプリの出番だが、あまり多種類大量のサプリを勧めても、やはり、当惑してしまうだろう。シンプルに何か一つだけ勧めるとすると、有機ゲルマニウムを勧めたい。
有機ゲルマニウムは肝臓と腎臓でメタロチオネインの発現を誘導し、カドミウムや水銀の排出を促進することが示されている。
http://www.yakhak.org/journal/view.html?uid=939&page=&pn=mostread&sort=publish_Date%20DESC&spage=&vmd=Full
https://www.researchgate.net/publication/20113433_Therapeutic_effects_of_organic_Germanium

そこで、こちらからは有機ゲルマニウムだけをお出しし、経過を観察することにした。
11月再診時。「まだ鳴ってるけど、多少マシにはなった」
効果があってよかった。しかし本人はもっとよくなりたいと思っているし、僕としてもきっちり治してあげたい。飲みにくいだろう、と思って遠慮していた、液体のマグネシウムを勧めた。
12月再診時。「まだ症状はある。波があって、日によってあまり聞こえない日もあれば、逆にひどいときもある」
ここで、ケイ素を勧めることにした。何かとワクチンの好きな人だから、水銀ばかりではなく、アルミの蓄積量も多いのではないかと踏んだ。
ケイ素の摂取によって、アルミの排出が促進されることにはエビデンスがある。
『ケイ素水によるアルツハイマー型認知症の”アルミ原因仮説”の検証』
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22976072/

「好きな芸能人は?」と聞くのと同じ感じで「好きな論文は?」と聞かれても、一般の人は「そんなもん知らんがな」の一言だろうけど(笑)、僕にはいくつか好きな論文があって、この論文はそのうちのひとつ。
アルミが認知症の原因ではないか、ということは昔から言われていた。でも人間相手にアルミを投与して認知症になるかどうかを検証することは、当然倫理的に許されない。そこで著者らは、帰無仮説(「アルミ負荷を軽減してもアルツハイマー病の発症、重症度、進行に何ら影響を与えない」)を立てて、その否定によって、アルツハイマー病のアルミ原因説を見事に立証した。僕はこの手法の鮮やかさに感動した。推理小説を読むみたいに、おもしろいと思った。
そう、こういうわけで、この人にケイ素を使ってみようと思ったわけ。

2月15日受診時。
「以前よりもだいぶいいです。頭の中のセミの声は、以前を10とすると、今は0か1です。今も聞こえるといえば聞こえるけど、ほぼ気になりません。音が小さくなって生活が楽になりました。一年鳴り続けていて全然治らなかったのに、本当に改善してよかった」

よかった。
この症例は『ゲルマニウムとケイ素の併用が頭鳴りに著効した一例』みたいなタイトルで、論文投稿してもいいような話かもしれない。というのは、一般に頭鳴りの治療法は存在しない、つまり、「頭鳴りは治療不能の疾患」とされているので。頭鳴りに悩む患者や治療に難渋する耳鼻科医にとって、有益な情報になるかもしれない。
考えてみれば、ゲルマニウムとケイ素はどちらも14族元素である。炭素同様、結合する手が4本ある元素がどちらもデトックスに働く、というのは偶然なのか何なのか、おもしろいと思う。一緒に飲むことで何らかの相乗作用があるのかもしれない。

 

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