2019年12月

2019年

有機ゲルマニウム

2019.12.10

ネット上には有益な情報もあれば有害な情報もあって、玉石混交の様相を呈している。ある言葉を検索したとして、患者にとって有益な情報が上位に出てくるとは限らない。
グーグルは自社の検索アルゴリズムについて、人為的な操作をしていない言っているが、実際にはそうではないことがわかっている。
https://www.gizmodo.jp/2019/11/google-sure-screws-around-with-search-results-a-lot.html
さらに、業者に依頼すれば、特定の検索ワードに対して、あるサイトの順位を上位にすることもできれば下位にすることもできるという。
「ネット情報にはバイアスがかかっている可能性がある」というのは、ネットから情報を仕入れる上で前提にしておくべきだろう。

きのうの編集者さんの話。
「最近では、ネットで検索をかけても、検索上位に出てくるものはバイアスのかかったものが多いように思います。グーグルにとっては、私たちが求める類の情報のほうが、バイアスがかかっているということになるのかもしれませんが。
大阪の、ある肛門科の先生が、「日本は医師免許さえとれば、何で看板を掲げても問題にならない。それで肛門科の専門医でもない人が、めちゃめちゃな痔の手術を乱発して、全国から困っている患者さんが自分のところに来る」と言っていました。
実際、その先生のところでは「手術適応」と別の医院で言われた痔の患者さんの9割は、単なる直腸便秘で、それさえ解決すれば痔も一緒に治っているとおっしゃっていました。
その手術が不要であるかどうかなんて、素人にはまったくわかりませんし、看板に「肛門科」と書いてあれば、当然肛門の専門医だと思い込んでしまいます。
その先生はネットでさまざまな情報を発信し、多くの患者さんを救っていましたが、昨年8月のグーグルのアルゴリズムの改編以降、急に患者数が減りました。不審に思って自分たちのブログを検索してみたところ、16ページ目でやっと見つかったと言ってました。今まではトップで検索できたのに。
有益な情報が広く行き渡る時代になったようですが、決してそうではないんですね。一部の人たちが恣意的に操作をして、その情報が本当に必要な人に届かなくなっている。そうなると、むしろ弊誌のような紙媒体のほうが強い面もあるかもしれません。
中村先生の書くことは、誰もが「そういうことを知りたかった」と思うような内容です。もちろん、下のネタも大歓迎ですよ^^」

個人的に、非常に迷惑しているサイトがある。あえてリンクは貼らない(みんながアクセスすると、検索順位が上がっちゃうかもしれないからね)。
そのサイトでは、有機ゲルマニウムの危険性を告発している。「科学的エビデンスのない危険なサプリであり、過去には死亡事故まで起こしたことがある」「高額な健康食品を売りつける詐欺である」などなど、好き放題書いている。
一見公平を装っているようだけど、有機ゲルマニウムの有効性を示すエビデンスについては一切触れていない。記事を書いた人は、それなりの資料集めはしているはずで、その途中で有効性のエビデンスも目にしているに違いないのに、あえて書かない。死亡事故が起こったのは二酸化ゲルマニウムによるもので有機ゲルマニウムには副作用がないことを知っているはずなのに、そこは言わない。

僕は有機ゲルマニウムがどれほど有効かを知っている。
論文を読んで知っているし、自分で毎日飲んでその良さを実感しているし、自分の患者が改善しているのを見て知っているし、浅井ゲルマニウム研究所の中村宜司さん(有機ゲルマニウム研究の第一人者)から直接話を聞いて知っている。
特に成長期の子供には非常によく効く印象を持っている。たとえばこんな症例。

4歳女児
来年幼稚園に入園するが、意思疎通の拙さを心配する母親に連れられて当院を受診した。
診察中、部屋の隅の竹炭(空気清浄のために置いてる)をずっといじっていて、僕が呼びかけても振り向こうともしなかった。
「こんな具合です。人に対する興味自体が乏しいっていうのかな。幼稚園でちゃんとやっていけるのか、心配です」
食事指導(甘いものや小麦をやめるとか)に加えて、有機ゲルマニウム、ビタミンD、Kを勧めた。
1ヶ月後の来院時、別人のようだった。僕のほうを見て、問いかけにちゃんと答える。キーボードに向かってパチパチ字を打つ僕のほうに来て、パソコン画面を覗き込む。人に対する興味が出ているようだ。
「すごい変わったと思います。本の読み聞かせをしても、これまでは、心ここにあらず、という感じだったのが、しっかり反応してくれます」
集中力やコミュニケーション能力の向上は明らかだ。そう、有機ゲルマニウムはこういう奇跡を起こす。
もちろん、有機ゲルマニウムの効果だけではないだろう。小麦やお菓子をやめたことで、腸の炎症が治まって、栄養の吸収がよくなった、という面はあるに決まっている。しかしそれだけでは、こんなに急激な改善は見られなかったのではないかと思う。

さらに言うと、有機ゲルマニウムの安全性については、公的機関から確認されている。今年の11月、有機ゲルマニウムは、日本健康・栄養食品協会の「安全性自主点検認証登録制度」に合格した。要するに、厚労省にお墨付きをもらったわけだ。
https://m.facebook.com/asaigermanium/

こんなに安全で、効果の高い有機ゲルマニウムだから、僕も自分の患者に安心して勧められるんだけど、、、
ときどき、僕の思いが伝わらないことがある。事前にネットで「有機ゲルマニウムがいかに危険なしろものか」のサイトを読んだ患者は、僕のオススメを拒絶する。
こういう患者に初めて出会ったとき、最初は妙に思ったものだけど、今ならわかる。勉強熱心で、医者の言いなりにならず、「自分の口に入れるものは、自分で納得したものだけにしたい」という人だから、すごくちゃんとした患者なんだな。
ただ、その勉強するソースがね。。。
「有機ゲルマニウムは危険なんだ」って固く信じていて、一度偏見に染まった人に考えを改めてもらうのは難しい。
なんともやりきれない気持ちだけど、納得できない人がしぶしぶ飲んでも、それこそ逆プラセボ効果(ノシーボ効果)で無意味だから、こういう人にはあえて勧めない。
もったいない話だけどね。

有機ゲルマニウムと美肌

2019.11.14

医者の仕事は、ざっと三通りに大別できる。臨床、研究、教育の三つだ。
『臨床』はベッドサイドあるいは診察室で患者を相手にする仕事。普通、特にことわりなく医者というときは、臨床医のことを指す。
細胞や動物を使っていろんな実験をしたり、というのは『研究』で、新しい医学的知見は多くの場合、ここから生み出されている。
『教育』は医学生や研修医、看護学生、ときには他学部の学生などに医学知識を教える仕事。

医者は、子供のときからそれなりに勉強して厳しい受験倍率をくぐり抜けてきているせいか、そもそも勉強することが苦じゃない人が多いんだ。
学ぶことが好き、というのは、医者にとって必須の素質だ。いや、正確には、学生のときに身につけたような大昔の知識でもやっていけないことはないんだけど、インターネットがあって医学的知識が医者の独占物じゃなくなった今の時代、勉強しない医者は患者に見放される可能性が高い。患者に見放されたって、勤務医なら問題なく生活していけるだろう。しかし古い知識でやっている開業医は、相当しんどい時代が来るような気がする。
医学の進歩とともに知識のアップデートが常に必要だから、医者は一生勉強なんよ^^;
そういう職業柄のせいか、人にものを教えるのが好き、という医者も多いと思う。
To teach is to learn.教えることと学ぶことは反対語のようでいて、実は同義語なんだ。こういう医者は大学病院に向いている。

僕は本来、性格的には大学病院向きだと思う。教えることが好きだし、黙々と試行錯誤する研究畑にも憧れる。
臨床現場は目の前の患者と一対一の真剣勝負で、やりがいはもちろんある。でも、そういうふうに一人一人の患者と向き合い治療に当たっても、僕個人ができることは限られている。それよりは、研究に従事して、何か画期的な方法論を編み出すほうが、多くの人を救えるのではないか。たとえば、ホッファーは臨床医であると同時に研究者でもあって、治験を通じてナイアシンの様々な有効性を発見した。彼の功績がどれほど多くの病める人を救ったことか。
しかし、教えることが好きといっても、今の医学部教育で行われているような、患者を救えない知識、それどころか有害無益な知識を広めることになんて、加担したくない。
研究がやりたいといっても、製薬会社の利益に貢献するだけの研究しかできないのなら、そんなのはごめんだ。
教育にせよ研究にせよ、本当に患者のためになることがしたい。

先日、浅井ゲルマニウム研究所の中村宜司さんの研究チームが、また新たな論文を出された。そう、僕がやりたいのは、こういう研究なんだ。
その新たな知見を世に提出することで、ひとつ、世の中が明るくなる。圧倒的な情報の洪水のなか、それはごくささやかな情報のひとつでしかないけれど、それでも、そのひとつ分だけ、世界がよくなる。
今から研究の道に進むのは難しいけど、せめて、そういう情報発信者ではありたいと思うんだな。

『有機ゲルマニウム化合物THGPはメラニン合成を抑制する』
https://www.mdpi.com/1422-0067/20/19/4785
有機ゲルマニウム化合物3-(三水酸化ゲルミル)プロパン酸(THGP)には様々な生物学的活性がある。以前我々は、THGPがcis-diol構造と複合体を形成することを報告した。L-3,4-二水酸化フェニルアラニン(L-DOPA;メラニンの前駆体)は自身のカテコール骨格のなかにcis-diol 構造を含んでおり、過剰なメラニン産生によって皮膚の黒ずみやシミが生じる。そのため、化粧品業界ではメラニン産生を抑制する物質の研究が精力的行われている。
本研究で我々は、キノコチロシナーゼ(チロシン分解酵素)とB16 4A5メラノーマ細胞を用いて、THGPがL-DOPAとの複合体形成を通じてメラニン合成を抑制するかどうかを調べた。
THGPがL-DOPAに作用する能力を1H-NMRによって分析し、THGP(およびコウジ酸)のメラニン合成に対する影響を調べた。
さらに、THGPの細胞毒性、チロシナーゼ活性、遺伝子発現に対する影響も調べた。
その結果、THGPはL-DOPA(cis-diol構造を持つメラニン前駆体)に作用していることがわかった。
さらに、THGPはメラニン合成を抑制し、コウジ酸と相乗作用すること、しかもチロシナーゼ活性や遺伝子発現には影響しないこともわかった。
これらの結果は、THGPがメラニン合成を阻害する有用な基質であること、また、THGPの効果はコウジ酸との併用で増強されることを示している。

一般の医学部教育でも、
フェニルアラニン→チロシン→L-DOPA→ドーパミン→ノルアドレナリン→アドレナリン
という代謝経路は学ぶ。
栄養療法を学んでいる人なら、このカスケードを見れば、ホッファーの功績を思い出す。つまり、「ドーパノクロムやアドレノクロム(ドーパミンやアドレナリンの酸化物)には催幻覚性があって、統合失調症の幻覚・妄想はこれらの物質の作用である。また、これらには細胞分裂抑制作用があるため、統合失調症患者はめったに癌にならない。ドーパミンやアドレナリンの酸化を防ぐために、ビタミンCを摂りましょう」
そういう文脈でこの代謝経路を見ることはあるけど、L-DOPAがシミの原因でウンヌン、という話はどちらかというと美容系の話で、僕にはなじみが薄いので、この論文は新鮮だった。
コウジ酸と有機ゲルマニウムの併用によって、L-DOPAの悪影響をブロックできるのなら、両者は美肌のためのみならず、統合失調症にも有効ではないか。
僕が研究者なら、こんなふうに、検証してみたい仮説はたくさんあるんだけどなぁ。

知能と有機ゲルマニウム

2019.10.11

40代女性。3歳の娘を連れて来院した。
「知的障害というわけでもないと思うんですけど、言葉が遅いです。もう4歳になろうかというのに、まだ自分の名前が言えません。
偏食で、食べる量も少ないと思います。お菓子はよく食べるんですけど。
小児科の先生に尿路奇形があると指摘されました。そのせいで尿路感染症にかかりやすいようで、毎日バクタ(抗生剤)を飲んでいます。主治医には『もう少し大きくなったら手術しましょう』と言われています。
何かと病気がちで、一回風邪をひいたらずいぶん長引きます。
夜は寝つきが悪くてなかなか寝てくれないし、寝起きも悪いです。
ここのクリニックは、普通の病院と違って、サプリとかで治してくれるんですよね?
この子に何かお勧めのサプリはありますか?
あと、私も最近何かと調子が悪くて。疲れやすくて、気分の波が激しいです。
仕事は何とかできてますけど、一日が終わるとヘトヘトになります。疲れ切ってるのになかなか寝つけないので、お酒で寝ています。食欲も落ちてます。
私にも何かお勧めのサプリを教えてください」

ふむー、なかなか手強そうなお母さんだ。
「サプリね、もちろんお勧めできますけど、まず何よりも、食事が基本ですからね」と食事指導から始める。
さて、その上でさらにサプリを、ということになれば、何を勧めるか。
採血して栄養状態を把握することが大きなヒントになるけど、お母さんの採血はともかく、三つ四つの子供の採血は気がひける。小児の採血は難しくて、大泣きすることは見えている。この世に一人、また新たな白衣高血圧患者を作るのもなぁ。
採血は別にマストじゃない。問診だけでおおよその”当たり”はつけられるものだ。

・風邪や尿路感染症など、免疫系が弱そうなので、とりあえずビタミンCは最優先で使いたい。

・バクタを使っているということは、腸内細菌は大きなダメージを受けていて、ビタミン産生菌など有用な菌種も大幅に減少しているはず。特にバクタは葉酸の代謝プロセスを阻害することで抗菌性を発揮する。特に葉酸を補う、という形でもいいが、お菓子の多食もあいまってB群全体が不足しているはずだから、天然由来のビタミンB群のサプリを使おう。

・『子供の健全な成長には脂溶性ビタミン』というのがプライス博士の教えだ。特にプライス流は「ビタミンK推し」だ。抗生剤で腸内細菌がダメになっているから自前のK産生が落ちているだろうし、偏食で納豆なんて食べない子だから、Kを補うのはプラスになるだろう。

・『脂溶性ビタミンは協調して働く』という原則もある。Kと一緒に使うなら、断然Dがいい。知的成長にも有益だろう。さらにいうと、脂溶性ビタミンは粉末錠剤よりは液体かジェルカプセルが吸収がいいから、この点も配慮する。

・最後に、忘れちゃいけないのが、有機ゲルマニウム。
以前紹介したように、有機ゲルマニウムが脳神経系の障害(運動障害、てんかん、知的障害など)に効果があることにはエビデンスがあるし、僕も自分の患者でこの効果を確認している。
ADHD傾向のある小学生男児に有機ゲルマニウムやタラの肝油などの知的成長を促進する栄養素を使ったところ、授業中の問題行動がなくなり成績が伸びた。
さらにいうと、この男児は顔つきまで男前になった。口呼吸でポカンとした表情がなくなって、鼻呼吸になって口元が引き締まったし、目力というのか、目元に知性が漂うようになった。

さて、お母さんには何を勧めようか。
・疲労の極みにありながら、眠れない。ストレスによる交感神経の過剰興奮だ。CBDオイルでゆっくり休めるようになるだろう。
・仕事でずっとインドアで日光に当たらないということは、血中ビタミンD濃度も低いはずだから、D/Kもお勧め。
・交感神経優位に起因する代謝低下があるから、赤血球の「破壊と創造」もうまくいっていないはず。疲労感はここが原因だと踏んで、有機ゲルマニウムも勧めよう。子供さんにお出しするのを、お母さんも一緒に摂るといい。食間に、耳かき一杯程度のごく少量でいいからね。
・寝るために酒を飲み始めたとなると、かなり危うい。アルコールの代謝プロセスで消耗するビタミンB1を、ベンフォチアミンで補おう。

さて、1ヶ月後。
来院したお母さん、声に喜びがにじみ出ている。
「娘が急にしゃべるようになりました。言葉が一気に増えた印象です。もちろん、自分の名前も言えるようになりました。
食べる量が増えたし、寝つきもよくなりました。
前回来院したとき以後、バクタをあまり使わないようにしています。それなのに調子がいいです。いつも風邪をしょっちゅうひいてるのに、この1ヶ月はひいていません。
私の調子もいいです。
よく寝れるようになったし、疲れやすさも前ほどではありません。
でも、何より一番驚いたのは、お酒をそんなに飲みたいと思わなくなったこと。お酒は好きなほうだから、会社の飲み会では、同僚にも驚かれるぐらい飲みます。
そんな私なんですけど、最初の乾杯でビールを1杯飲めば『もういいかな』って思うんです。飲もうと思えば飲める。でも、もういいかなって。
不思議です。成人してお酒を飲み始めて以後、こんな感覚になったことはありません。飲むとなったら、飲み疲れるまで飲む、というのが私のスタイルですから。
私、どうしちゃったんだろう、って心配になったくらいです笑」

やはり、と確信を深めた。子供の知的発達には有機ゲルマニウムがてきめんに効く。
お母さんの言葉「バクタを使ってないのに、調子がいい」は論理的に誤りで、正しくは「バクタを使ってないから、調子がいい」である。尿路感染症予防という大義のために、腸内細菌にも大打撃を与える抗生剤は、長く飲み続ける薬じゃない。抗生剤の使用頻度を減らし、それに伴って腸内細菌叢が回復したことで、腸で自前のビタミン産生ができるようになったのだろう。
お母さんに見られた飲酒欲求の消失は、CBDオイルによる衝動性の抑制効果によるところが大きいか。
おおむね想定内の回復ではあるけど、こんなふうに実地に喜びの声を聞くと、やっぱりうれしいな。

有機ゲルマニウムと肌

2019.9.26

浅井ゲルマニウム研究所の中村宜司さんから、中村さんの研究チームが学会誌に論文を提出しその論文がアクセプトされた、との報告を頂いた。
できたてホヤホヤ、と言ってもいいくらいに新しい論文だ。
その要約を紹介しよう。

『有機ゲルマニウムは正常な皮膚線維芽細胞の酸化ストレスによる細胞死を抑制する』
https://www.nature.com/articles/s41598-019-49883-7.pdf
「活性酸素種(ROS)は皮膚の細胞によって極めて有害である。ROSおよびその他の刺激から皮膚を守る化粧品を開発する意義は、ここにある。
レパゲルマニウムは合成の水溶性有機ゲルマニウムポリマーである。本研究において我々は、ゲルマニウムが健常人の皮膚線維芽細胞(NHDFs)に取り込まれる様子を同位体顕微鏡検査(isotope microscopy)を用いて視覚化しようと試みた。
さらに、NHDFs内部のレパゲルマニウムの水酸化モノマー(3-(トリヒドロキシゲルミル)プロパン酸(THGP))の内容量を、液体クロマトグラフィー/質量分析(LC-MS/MS)を用いて決定した。その結果、THGPは用量依存性に取り込まれることが確認された。
次に我々は、ROSによって誘導されるNHDFの死に対するTHGPの予防効果を評価した。遺伝子発現プロフィーリング分析によって、予防効果を確認した。
0.59〜5.9 mMのTHGPを添加することで、キサンチン酸化酵素とヒポキサンチンの反応により起こるROSや、H2O2を加えると起こるROSに起因する細胞死が減少した。
さらに、本研究の意義は、THGPの効果はROSがスカベンジャーとして直接働くことによって生じているのではないことを初めて示したことにある。これは、THGPの作用機序が、一般的な抗酸化物質(たとえばビタミンC)の作用機序とは異なることを意味している。
遺伝子発現プロフィーリング分析によって、THGPが核内受容体サブファミリー4グループAメンバー2(NR4A2)遺伝子(細胞死に関連している)と、インターロイキン6(IL6)およびケモカイン(C-X-C)リガンド2(CXCL2)遺伝子(炎症反応に関連している)の発現を抑制していることが明らかになった。
さらに、H2O2によって誘導されるIL6の産生が、THGPで処置をしておくと抑制されることが示された。
我々の研究結果は、ROSによって誘導される細胞死に対するTHGPの予防効果は抗酸化酵素によるものでもなければ、ROSがスカベンジ(貪食)されることによるものでもない、ということを示している」

有機ゲルマニウムが様々な効果があることは以前に紹介したから、ここでは詳しくは繰り返さないけど、ざっというと、、、
まず、免疫賦活作用。有機ゲルマニウムによって、インターフェロンγの産生が高まり、NK細胞やマクロファージが活性化する。こうして抗腫瘍作用が発揮される。
さらに、痛みの抑制作用。熱傷や癌による痛みに対して著効する。
有機ゲルマニウムの鎮痛作用は、NSAIDsやモルヒネによる鎮痛の機序とまったく違うのが興味深い。
そもそも、癌性疼痛というけど、癌になるとなぜ痛むのか?
悪性腫瘍は周辺の正常な組織を侵食して増殖していく。その際、健康な細胞が破壊され、細胞内にある核酸やATPなどが飛び散る格好になる。
「ATPは生体内でのエネルギー通貨」というのは高校の生物で習っただろう。しかしATPが有用なのは細胞内にあってこそで、ひとたび壊死した細胞から漏出すると、発痛物質として作用する。有機ゲルマニウムには、このATPの暴走を鎮める働きがある。
癌の痛みに苦しむ患者にとって、モルヒネは大きな救いになるが、モルヒネは便秘や吐き気など副作用も強い。有機ゲルマニウムの併用によって、モルヒネの使用量を減らすことができる。
ヤケドにも有機ゲルマニウムが有効だ。患部に直接塗布すれば、鎮痛作用はもちろん、創傷治癒促進効果があることがわかっている。傷の治りが早くなるし、しかも瘢痕化せすにきれいに治してくれるのだから、使わない手はないだろう。
ちなみに以前紹介したように、生ローヤルゼリーを塗るのもいい。
ただ、有機ゲルマニウムと生ローヤルゼリーの併用がどう作用するのかはわからない。併用によって相乗作用が生まれるとすれば素晴らしいことだけど、ひょっとしたら相殺する可能性もなくはない。もし相乗作用があるのなら、化粧品あるいは軟膏として、極めて理想的なものができると思う。

ヤケドやキズのような弱った組織に保護的に働くぐらいだから、健康な組織に塗布しても無害であることはもちろんだ。有機ゲルマニウムは、化粧品に使用可能な成分として認可されている。
上記の論文は、平たくいうと、「有機ゲルマニウムがなぜお肌にいいのか」を科学的に追求したものだ。
「活性酸素が正常な皮膚組織を破壊してしまうところ、そこに有機ゲルマニウムがあることで、細胞死を抑制することができる。たとえばビタミンCにも同様な作用があるが、有機ゲルマニウムは、ビタミンCが活性酸素のスカベンジャーとして作用しているのとはまた別の機序で抗酸化作用を発揮している」
これが今回の発見の骨子だ。

ところで、当院では浅井ゲルマニウム研究所で作られた有機ゲルマニウムを扱っている。
浅井ゲルマニウム研究所の有機ゲルマニウムは、他社製品と製法が違う。
他社が二酸化ゲルマニウム(毒性あり)を経由して有機ゲルマニウムを精製するのに対して、浅井ゲルマニウム研究所では多結晶ゲルマニウム(毒性なし)から有機ゲルマニウムを精製するので、毒性の生じる余地がない。
ただ、その分費用がかかり価格に転嫁せざるを得ないのが難だが、品質にとことんこだわるのが有機ゲルマニウムの生みの親、浅井一彦氏の意志を継ぐ研究所の自負だ。
僕のクリニックで浅井ゲルマニウム研究所の商品を扱うにあたって、中村さんにひとつ、注文したことがある。
「有機ゲルマニウムの質自体が、他社製品よりも優れていることはわかったのですが、サプリとして加工する際に使う添加物は何とかならないものでしょうか。敏感な患者は、こういう添加物も気にすると思いますので」
と言ったところ、ありがたいことに、中村さんはこのわがままを聞いてくれた。
院内での取り扱い専用で、添加物を一切含まない純粋有機ゲルマニウム100%を特別に作ってくれたのだ。

この有機ゲルマニウムは、他では買えません。
興味のある方は、ぜひ当院に来てご相談を!

有機ゲルマニウムと癌

2019.6.21

以前有機ゲルマニウム(Ge-132)について、癌に対する有効性は細胞レベルや動物実験では示されているが、人での有効性のエビデンスは乏しい、みたいなことを書いた。
しかしその後、”Germanium: The health and life enhancer”(Sandra Goodman著)を読んでいて、RCT(無作為化比較試験)も含めいくつかの研究があることを知った。ここで紹介しよう。

切除不能の肺癌患者を対象として、Ge-132の有効性を調べた治験。
患者を化学療法+Ge-132投与群と化学療法+プラセボ群に無作為に振り分ける二重盲検を行った。
チェック項目として、余命期間、腫瘍径、QOL(生活の質)、免疫学的マーカーを評価した。
Ge-132の投与によってこれらすべての項目で統計的に有意な改善が見られた。
‘Some pharmacological and clinical aspects of a novel organic germanium compound Ge-132′(Mizushima at al. 1984)

Sanumgerman(乳酸クエン酸ゲルマニウム。西ドイツのSanum-Kehibeck社により開発された有機ゲルマニウム化合物)を卵巣癌患者に投与した研究がある。
卵巣癌で卵巣と子宮を摘出した6人の女性(44~64歳)にSanumgermanを投与し、術後の健康度、痛み、傷の性状を調べた。
6人全員で健康度が著明に上昇し、痛みが軽減していた。6人中5人で腹部およびダグラス窩に浸出液の貯留が認められなかった。1人ではわずかに貯留が認められた。
‘Experience with Sanumgerman in Poland and Germany'(Samochowiec et al. 1984)

Spirogermanium(Smith Kline社のRiceらによって合成された有機ゲルマニウム化合物。同社により抗癌作用および抗関節炎作用が確認されているが、神経毒性もある)を癌患者に投与した第1相試験(目的は治療効果の検証ではなく、安全性の確認)がある。
癌患者(種類は様々)35人に対してSpirogermaniumを静脈投与した。めまいなど軽度の副作用を生じる患者が数人したが、いずれの副作用も数分から数時間で消失した。蓄積による毒性や骨髄抑制といった副作用は見られなかった。
第2相試験(治療効果を検証)で、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫とホジキン病)の患者を対象にSpirogermaniumを投与した。17人の患者中、5人(30%)で客観的に症状が好転し、2人では寛解した。血液毒性は見られなかった。
‘The clinical pharmacology of Spirogermanium, a unique anti cancer agent'(Schein et al. 1984)

症例報告として、以下のようなものがある。
1.骨髄増殖性疾患の62歳女性にSanumgermanを経口投与したところ、3週間で脾臓腫瘍の縮小が認められた。
“Biophysical results with germanium and Sanumgerman”(Kokoschinegg et al. 1984)

2.精巣および肺の胎児性癌の18歳男性に、Sanumgermanを含む様々な抗癌治療を行ったところ著明に改善し、1985年現在、転移なく良好に経過している。
‘Experience with Sanumgerman in Poland and Germany'(Samochowiec et al. 1984)

3.癌の摘出術を受けた55歳女性が、胃、腎臓、腸間膜、肝臓に癌の転移を生じた。抗癌剤治療を受けた後、Sanumgermanの服用を開始した。血液データなど、症状の変化を詳細にモニターした。手術から4年後、肝臓への転移巣が消失した。しかし、リンパ節の径はわずかに増大した。
‘Case study: adenocarcinoma with liver metastases’ (Paetz et al. 1984)

4.78歳男性の大腸癌に対して、1978年、1979年に手術を行った。1982年に肝臓への転移が見つかったため、癌に対する厳格な食事療法とともにSanumgermanの服用を開始した。その後4年経っても転移は見られていない。
‘The Sanumgerman therapy in biological medicine’ (Zoubek et al. 1984)

5.右肺に癌を生じた54歳男性が、抗癌剤による治療を受けた。しかし食欲が低下し、気力、体力も低下した。そこでGe-132を1日500mg服用を開始したところ、5ヶ月後には癌が消滅し、空咳が出なくなり、体調も以前のように元気になった。

1988年出版の本なので、データがどれも古いのが難点だ。
それに、有機ゲルマニウムと抗癌剤の併用でのRCTはあるが、有機ゲルマニウム単体投与でのRCTはやはり見当たらない。
腫瘍の縮小効果に限って見れば、抗癌剤は有効かもしれない。しかし長期的にはどうなのか。抗癌剤はむしろ余計で、有機ゲルマニウム単体投与で治療したほうが長期的な予後は良好だという可能性は、けっこう高いと思う。「思う」としか言えないところが、RCTのない辛いところだ。

RCTはなくても、上記のように、有効性を示す症例報告は多数ある。この報告を見てなお、有機ゲルマニウムを「エビデンスゼロの民間療法」と批判することはできないはずだ。
というか、そもそも浅井一彦博士は有機ゲルマニウムを抗癌剤として国に認可してもらいたいと考えていた。しかしその思いは結局叶わなかった。なぜか?それは、有機ゲルマニウムの有効性が否定されたからというよりは、政治的・経済的理由によるものだ。だから、当然、効く。高濃度ビタミンC点滴と併用して、そこにさらにαリポ酸、コエンザイムQ10、ビタミンK2なんかも一緒にとればいい。
癌になったからといって恐れることはない。大事なのは、医者の言うがままに抗癌剤治療に飛びつくのではなくて、他の選択肢があることを知っておくことだ。

有機ゲルマニウムと脳障害

2019.6.1

ある薬剤の効果を評価するときには、ダブルブラインドの無作為化比較試験(RCT)をやって、有意差が出せれば一番いい。
エビデンスレベルが高いことが何よりの強みで、薬剤を売り出す際にも、大きなセールスポイントになるだろう。
しかしこの試験の欠点は、手間(金、時間など)がかかることだ。
製薬会社がバックにいれば、豊富な資金力によって、そうした問題はクリアできるだろう。
しかし、たとえばサプリを売り込みたい中小企業にとって、わざわざRCTを行うのはかなり大変なことだ。
in vitro(試験管)での研究や動物相手の研究は比較的簡単にできても、人間相手の研究は何かと倫理的な配慮が必要だし、制約も多い。
そういう面もあって、実は有機ゲルマニウムを使ったRCTはそれほど多くは行われていない。

癌、膠原病、関節痛、高血圧、うつ病など、有機ゲルマニウムの有効性が示唆されている疾病や症状は、多くが症例報告に基づくものだ。
症例報告というのは、無意味では決してないけど、エビデンスレベルとしては一段格下に見られちゃうんだな。
しかし有機ゲルマニウムで癌のRCTをやろうと思ったら、大変なことだ。まず、患者を集め、同意をとらないといけない。
「有機ゲルマニウムは癌に有効だと言われています。参加者の半数に有機ゲルマニウムを、もう半数にはプラセボ(ニセモノの薬)を投与して、有効性を確認させてください」
皆さんが癌患者だったとして、こんな誘いに乗りますか?
「私がそれに参加したとして、自分がちゃんと有機ゲルマニウムを飲ませてもらえるのか、プラセボを飲まされるのか、わからないってことですよね?
私、癌なんですよ。癌が日に日に大きくなったり転移したり、徐々に死に近づいていく病気です。
本物を飲んでいたならまだしも、ニセモノを飲んでて悪化して手遅れになりました、となれば、その責任はどうとってくれるんですか?」
こんなふうに言われたら、患者に強く参加を強いることなんてできない。
患者は実験動物じゃない。尊厳を持った人間だ。だからこそ、RCTを行うことには、困難が伴う。

それでも、有機ゲルマニウムに関して、こんな研究報告がある。
(背景)
横浜市立大学名誉教授の梅沢先生は「のうけん療育会」を主催し、そこの会員(脳障害児)に、ドーマン訓練法による治療を行っていた。
これはパターニング、マスキング、でんぐり返りなどを主体とし、そこに視覚、聴覚、触覚などの知覚面での刺激訓練から構成されている。
たまたま浅井ゲルマニウムGe-132の存在を知り、ある小児に投与したところ、難治性の脳障害が劇的に回復したのを見て、先生は感服した。
「ドーマン訓練法は末梢的後遺症状にのみ捕らわれていて、障害の根源である脳にはほとんど目を向けていない。そのせいでほとんど効果のない障害児も多い。
しかし、Ge-132はその生理的な作用により、脳細胞に直接作用しているようだ。これは多くの患者の希望になるに違いない」
先生はそう確信し、RCTの実施を思い立った。
しかし、同意をとるのは困難だった。
「のうけん療育会」の会員は、もともとドーマン訓練法に回復への希望を持って入会してきた子供たちなので、Ge-132の有効性を確認するために、一時的にドーマン訓練法を中止してもらうわけにはいかなかった。
半数に実薬を、半数にプラセボを、ということは、さらにできなかった。ドーマン訓練法、Ge-132投与を併用せざるを得ず、しかも患児の両親の承諾を得なければならなかった。
こんな具合に、臨床で厳密なRCTを行うことはとても難しいことだ。
(研究対象)
本会会員1歳から10歳までの脳障害児95人
(研究方法)
脳障害児とひとくちにいっても、その障害の程度および部位によって、その呈する症状は様々であり、しかもその症状がまったく同じ患者は一人としていない。
そこで、症状を以下の4群に大別した。
中枢性運動機能障害(Cp)、てんかん症候群(Ep)、知恵遅れ群(MR)、自閉症群(Aut)
(Ge-132の投与方法)
顆粒およびカプセルの内服。
投与量は児の年齢、体重、症状によって一様ではないが、おおよそ体重1kgあたり20から30mgを1日三回に分けて、食前または食間に服用。
(評価方法)
一般状態への影響として、食欲、睡眠、便通、寝起を、精神機能への影響として、意欲(積極性、自己主張)、集中力、記憶力および表情を取り上げた。
その影響の有無の判定は、両親の観察・判断に基づいて行った。大いに改善(++;3~4点)、改善(+;1~2点)、変化なし(±)、悪化(-)とした。
また、ドーマン・デラカトの成長プロフィールにより、頭脳年齢/暦年齢=成長率を評価した。
この値が1以上ならば普通児あるいは優良児であり、1以下の場合は脳障害児あるいは脳神経発育不良児である。
(結果)
研究対象95例中、Ge-132投与および訓練期間が12カ月未満のものを除いた67症例(その内訳は、Cp群28例、Ep群11例、MR群14例、Aut群14例)を評価した。
Ge投与によって、2,3の症例を除いたすべての例において、一般状態および精神機能面での向上が認められた。特にMRおよびAut群でこの傾向が著しかった。
(考察)
まず、Ge-132の投与により、患児らの健康増進効果が示された。ほとんどの症例において、食欲、睡眠、便通および寝起で改善が認められた。
その査証として、ほとんどの児がGe-132服用以後風邪をひかなくなったり、ひいたとしても発熱が低く、罹患期間が短くかつ元気であるといった点など、母親が等しく認めている。
次に、記憶力の増強、表情の豊かさ、意欲、集中力の増強といった精神機能面での向上が認められた。なかでも意欲の高揚は感覚、運動といった脳神経機能面の発達に大きな影響を与える。
具体的な症例を供覧しよう。
第1例
(M.T)男児。診断はCp、推定原因は1400gの未熟児。ドーマン訓練法を施行すると同時にGe-132を1年間、総量324gを服用した。
初診時(暦齢86カ月)の成長率は60%で終診時(98カ月)のそれは85%。Ge服用後は精神機能の発達がめざましく、集中力が高まり、算数の勉強やピアノの練習などそれぞれ1時間くらい続けてやるようになった。
たまたま一時Geの服用を中止したところ、その途端に算数やピアノをなまけるようになった。あわててGeの服用を再開すると、また熱心に取り組むようになった。
第2例
(T.K)男児。診断はMR、推定原因は不明。Ge服用量は二年間で525g。初診時の暦齢は93カ月、成長率値81%、終診時の暦齢は117カ月、成長率は87%。母親によると、Ge服用により表情、気力が全く変わったという。
第3例
(A.M)女児。診断はMR、推定原因は仮死。初診時(67カ月)の成長率値は53%、終診時(103カ月)の成長率値は92%。Ge服用量は306gである。
Ge服用後の精神面の進歩発達は顕著で、何でも一人でやるようになった。しかしGe服用を中止すると、体の調子が悪く気力も衰えるが、再び服用すると途端に回復した。
第4例
(S.T)男児。診断はCp(アテトーゼ)、推定原因は母児血液型不適合。Ge服用量は2年間で72g。Ge服用後、風邪をひきにくくなり、熟睡するようになった。また、睡眠時間が短くても済むようになった。
便秘がなくなり、食欲が極めて良好となった。アテトーゼが軽減し、手の機能が改善した。しかしGe服用を忘れるとアテトーゼが増強した。なおアテトーゼの軽減はこれまで一度も見られなかったことである。
書字が正確になり、漢字などの細かい字も書けるようになった。長年ドーマン訓練法をやってきてもこうした変化は見られなかったことである。
また食事もほとんど自分ひとりでできるようになった。足の運びも大幅に改善した。
言語、構音がよくなり、発音が聞き取りやすくなった。かなり長い文章を話せるようになり、学校でも進んで発言するようになった。
理解力、記憶力がよくなり、記憶力のよさは周囲も驚くほどである。学校での成績は体育を除いて優秀で、クラス委員に選ばれるようにさえなった。

すばらしい報告だと思う。
一応、世の中的には、エビデンスレベルとして、RCT>症例報告、ということになっている。
しかし、大手製薬会社の降圧薬の有効性が不正に改ざんされていたことがニュースになったように、RCTで有効と認められたからといって、それが間違いないかといったら、全然そんなことない。むしろ、n数は少なくても、上記のような報告のほうがはるかに信頼できるんじゃないかな。
上記報告は、母親が観察した子供の変化に基づいている。こんなのは正式な論文としては、ほとんど相手にされない可能性がある。「客観性として、まったく科学の体をなしていない」と。しかし、母親ほど子供の変化に敏感な存在はいないというのも、また事実だろう。

自閉症、知的障害などは、一般には回復困難とされている。しかし上記の報告は、有機ゲルマニウムの服用によって、劇的に回復したことを示している。
患者を子供に持つ親御さんにとって、回復への希望がないよりもあるほうが絶対にいい。
一般の製薬会社の薬と違って別段の副作用もないのだから、有機ゲルマニウムを試してみないのは損だと思う。

ちなみに、特に脳障害のない普通児が飲んでも知的発育に好ましい効果がある。
・ぜんそくにいいから、ということで有機ゲルマニウムを飲み始めた14歳男子。思いがけず、急に数学の成績がよくなった。あまりにも急激によくなったせいで、教師からカンニングを疑われた。
・健康にいいらしい、ということで有機ゲルマニウムを飲み始めた中年男性。囲碁が趣味だったが、手が深く読めるようになった。まったく期待していない効果だった。
こういう例が浅井一彦著『ゲルマニウムと私』に出てくる。
生徒に有機ゲルマニウムの服用を勧め、多くの生徒を大学合格に導いた井藤正勝さんという河合塾の講師もいる。
成績が伸び悩んでる受験生が飲んでも、おまじない以上の効果が期待できるはずだ。

有機ゲルマニウムと慢性疲労

2019.5.31

俗にキス病(kissing disease)という病気がある。
「うちの上司だよ。酔っ払うと誰彼かまわず、チューしまくるんだ」
いや、それは単なるキス魔であって、キス病ではありません^^;

たとえば大学生になって初めて異性とお付き合いを始める。若い二人だから、自然な流れとして、キスなんかもするようになる。それも唇が触れ合うだけの軽いのではなくて、舌の接触を伴うような「濃ゆーい」のをするようになったり。
医学的にはこれはなかなかの事態だ。
唾液中にはアミラーゼなどの消化酵素やリゾチーム、ラクトフェリンなど抗菌作用のある有機物もあれば、口腔内細菌、ウィルスなども含まれている。
いいもの悪いもののごちゃ混ぜになった唾液が、口腔粘膜の濃厚接触を通じて、双方の体内に流れ込むわけだ。
しかしほとんどの場合、何も問題は起こらない。
健康な性欲を備えた健康な若い男女は、健康な免疫をも備えているものだから、多少の異物が体内に侵入しても病気にはならない。
しかし、「初めてのチュー」の後、明らかに体調を崩す人がいる。最初は風邪かな、と思う。ところが1週間経っても熱が下がらない。ひどい倦怠感があって、のどやリンパ節がずいぶん腫れている。素人目にも明らかにおかしい。そこで病院に行く。
テキトーな医者(ほとんどの医者がこれ)に当たれば、「風邪ですね」で終わり。PL顆粒あたりを出してお茶をにごす。
ヤブ医者ならご愁傷さま。抗生剤が出て、ムダに腸内細菌が損なわれる。治療どころか、今後ますます病気にかかりやすくなるだろう。
しかし、有能な医者に当たればどうなるか。細かく問診して、患者が最近初めて異性と付き合い始めたことを突き止める。そして、伝染性単核球症と正しい診断を下す。

そう、「初めてのチュー後の長引く発熱」を見れば、EBV(エプシュタイン・バール・ウィルス)感染による伝染性単核球症を疑う。
9割の人は思春期までにEBVに不顕性感染して、抗体を持っている。
しかし幸か不幸か、感染せずに思春期を迎えた人は、せっかくできた恋人との甘いキスで、苦い思いを味わうことになるかもしれない。
つらい大人の洗礼だが、普通は自然軽快する。ただの風邪と誤診されようが名医が伝染性単核球症と正しく診断しようが、治療法は特にない。妙な薬を飲まず、安静にしていることが一番の治療だ。
しかし、なかには症状が重症化する人がいる。慢性疲労症候群やうつ病になって、延々取れない疲れに悩まされることになるのはまだマシなほうで、肺炎や肝脾腫、さらには多臓器不全や悪性腫瘍によって死亡するケースさえあるという。
初めてのチューが原因で死ぬなんて、すごい話だな。

一般的には打つ手なしとされているEBV感染症だが、有機ゲルマニウムによって治癒する可能性がある。
『慢性エプシュタイン・バール・ウィルス症候群(CEBVS)における有機ゲルマニウムの使用』
http://orthomolecular.org/library/jom/1988/pdf/1988-v03n01-p029.pdf

CEBVSの症状で苦しむアメリカ人は数百万人にのぼると見られる。本症は疲労が主な症状であり、EBVだけが唯一の原因だと確証されていないこともあって、慢性疲労症候群と呼ばれていることも多い。
CEBVS患者に対して有機ゲルマニウム(Ge-132)が効いたという初めての報告は1987年である。1日500mgを舌下に複数回投与すると、疲労およびうつが改善したという。
その後の研究で、Ge-132に対する反応は、大きな個人差があることがわかった。患者の半数近くは、1日使用量を1gまで増やしても、慢性疲労がほとんど軽快しなかった。しかし、半数の患者では確かに改善した。ただし、改善するのに必要なGe-132の量は、やはり個人差が大きかった。はっきりとした改善を自覚するためには1日1000mgの摂取を必要とする患者もいた。Ge-132を服用したCEBV患者の少なくとも20%が、劇的な改善を維持していた。
CEBVSに罹患し1年半症状に苦しむ医師がいたが、彼はGe-132によって劇的に改善し、いまや彼自身がこのサプリメントの熱烈なファンになって、疲労やうつに苛まれる患者にこれを勧めている。
1日300mgのGe-132によりCEBVS患者の約25%が著明に改善した、と報告する医師もいる。
CEBVS患者に対して栄養療法を行う医師が、Ge-132を治療に取り入れたところ、これによって著明に改善した患者もいたが、反応に乏しい患者もいた。1日150から300mgのGe-132によって、大半の患者ではCEBVSの症状が軽快したが、改善するまでにさらに高用量(多いと1日1gも)が必要な患者もいた。患者のうち25%はノン・レスポンダー、つまり、Ge-132をどれだけ投与しても何の効果も示さなかった。
Ge-132は他の栄養素と相乗的に働くのではないか、一部の患者でまったく効果がなかったのはGe-132が協調して作用するべき他の栄養素が不足していたためではないか。この推測にもとづいて、様々なサプリメントと組合わせて投与して、その効果を検討した。
その結果、Ge-132をコエンザイムQ10、DMG(ジメチルグリシン)と組合わせて投与することで、ほとんど全ての患者で改善することがわかった。改善するには非常に高用量のGe-132を必要とした患者も、コエンザイムQ10とDMGを併用するともっと少ないGe-132で有効性が見られた。
Ge-132はどのように作用を発揮しているのか。動物実験では、Ge-132の投与によって、インターフェロンの産生が高まることが明らかになっている。これが患者の免疫系に好ましい影響を与えていると考えられる。

何をやっても疲れがとれない、というのはうつ病患者にありがちな主訴だ。
背景に、EBV感染があるかもしれない。さらにその背景には、栄養バランスの偏りによる免疫系の弱体化があるかもしれない。
そういう人は、まずは有機ゲルマニウムを試してみて、それでダメならその他の栄養素(コエンザイムQ10、DMGなど)を追加するのも手だろう。

有機ゲルマニウム2

2019.5.30

「有機ゲルマニウムの作用の一つとして、抗酸化作用が言われますが、実は有機ゲルマニウムそれ自身にはin vitroで抗酸化作用はありません。
抗酸化物質の誘導作用がある、というのが正確な表現です。
有機ゲルマニウムの摂取によって、体内でビリルビンやウロビリノーゲンが増加しますが、抗酸化作用はこれらの物質によるものです。
ビリルビンはビリベルジンが酵素的に還元されて生成されますが、この還元にはATP (エネルギー)が使われています。わざわざそれだけの手間をかけているのは、抗酸化力を高めるためだと考えられています。
実際、ビリルビンの抗酸化作用は強力で、フリーラジカルの消去能でいえば、αトコフェロール(ビタミンE)やβカロテン(ビタミンA)をはるかに上回るほどです。
実験動物で四塩化炭素を経口投与すると活性酸素が発生して肝障害が起こりますが、有機ゲルマニウムを投与すると肝数値(AST、ALT)の上昇が抑えられることを確認しました。

同様に、免疫の活性化、抗炎症作用、解毒作用についても、有機ゲルマニウムが直接の作用を及ぼしているわけではありません。
免疫については、有機ゲルマニウムは白血球のトール様レセプター(TLR)の抗原認識を高める作用があって、結果、インターフェロン産生が高まり、抗癌作用などが発揮されます。
抗炎症作用については複数の機序があるのですが、まず、有機ゲルマニウムの摂取によって赤血球の代謝亢進が促され、ヘムが増加します。ヘムは肝臓で分解されるときにCO(一酸化炭素)を放出します。そのCOに強い抗炎症作用があります。
また、有機ゲルマニウムを摂取すると、抗炎症作用のあるプロトポルフィリンが増加します。
これは動物ではヘムになる一歩手前の前駆体です。プロトポルフィリンの環状構造の真ん中に鉄が挿入されると、ヘムになります。植物では、中央に鉄ではなくマグネシウムが挿入されてクロロフィルになります。つまり、ポルフィリンは動物にとっても植物にとっても重要な分子ですが、その産生が増加するわけです。
先ほど触れましたプロパゲルマニウムは慢性肝炎の治療薬ですが、COによる肝血流の増大とプロトポルフィリンによる抗炎症作用が薬効の本態だと考えられます。
動物実験でも、肉芽腫の抑制、胸腺重量減少の抑制、体重増加の抑制、抗リウマチ作用など、炎症由来の症状への効果を確認しています。
アミロイドーシスや白内障といった老化に伴う病態に対しても、アミロイド沈着の抑制や白内障の進行抑制作用が示されています。
さらに、骨代謝調節作用があって、過剰な骨吸収の抑制と骨芽細胞の分化促進作用があります。つまり、骨粗鬆症に対しても効果があると考えられます。

なぜ、こんなにも多様な作用があるのでしょうか。
それは、有機ゲルマニウムが、体の不調和を整える司令塔としての役割を果たしているからだと思われます。司令塔とはいっても、有機ゲルマニウム自体があちこちにしゃしゃり出るのではありません。カナメとなるメディエーターに働きかけ、様々な作用を誘導します。
有機ゲルマニウムは、ワンマンスタイルのスタープレイヤーなのではなく、ちょっと引いたところから全体を俯瞰している監督のようなイメージでしょうか。要所要所で各選手を鼓舞し、いいところを引き出し、活躍させる、といった感じです。
有機ゲルマニウムの毒性の低さ、つまり、安全性の高さは、ここに理由があるのではないかと考えています。
自らは抗酸化性も持たず、反応性にも乏しいが、有用物質を誘導することで、生体本来の健康維持機能を引き出しています。優れた教師や監督は、自らでしゃばらず、「ただ示唆し、導く」ものですが、有機ゲルマニウムのふるまいは、まさにそれに近いと感じます。

今、我々が研究しているのは、有機ゲルマニウムの鎮痛作用です。
特に、ATPを介した痛み刺激に対して、有機ゲルマニウムが著効するメカニズムについて、研究しています。
ATPというのは、ご存知のように、生体内でエネルギー通貨の役割をしますが、通常は細胞内に存在します。しかし細胞が壊れると、血中に漏出します。
実はATPは炎症源であり、発痛物質でもあります。細胞が壊れるという現象は、体にとって異常事態なわけですから、ATPにこうした催炎症性の性質があることは、生理にかなったことだと言えます。
この炎症が生体に様々は反応を引き起こします。
たとえば炎症を察知した白血球が現場に向かって組織の修復を行ったり、炎症により神経細胞が痛みを感じたり。そして有機ゲルマニウムには、鎮痛作用があります。痛みの伝達経路に作用して、痛みを緩和します。
経口摂取でも作用を発揮しますが、興味深いことに、経皮的にも効果があります。しかもこの作用は即効性です。虫歯の痛みに塗布してもいいでしょうし、湿布としてやけどなどの患部に貼付することも可能だと思われます。
ただ当社としては、そうした医薬品としての応用よりは、化粧品に配合するなど、誰でも使える形での普及を考えています。
実際、当社の有機ゲルマニウム入りの化粧品は、多くの女性からご好評を頂いています」

有機ゲルマニウムは、もはや、僕の臨床には欠かせない存在になっている。
単剤で使うことはあまりないが、他のビタミンとの併用で非常に大きな効果を上げている。
多様な症状に作用し、しかもナイアシンによるホットフラッシュのような副作用がなく、使いやすい。このあたりが、ビタミンCによく似ていると思う。
あえていえば、値段がちょっとお高いのが難かな^^;でもそれだけの価値は十分にあると思う。

すでに臨床で効果を実感していたが、改めて有機ゲルマニウムのプロフェッショナル(それも生半可に詳しい程度ではなく、世界一詳しい現役研究者)に直接話を聞いて、理解が深まった。
中村さんから頂いたパンフレットによると、有機ゲルマニウムを脳障害児95人に投与した研究があって、先天的なもので決して治らないと思われている症状(IQ低値、自閉症など)に対しても著効したという。
子供でも安心して使えるぐらいだから、大人が日常の健康維持に使う分にも、何ら問題ないだろう。
興味のある方は一度試してみてください。

有機ゲルマニウム1

2019.5.29

以前、有機ゲルマニウムの有効性について当ブログで紹介した。
そのブログのなかである論文を引用したところ、なんと、その論文の著者ご自身から僕にファックスで連絡があった。
「浅井ゲルマニウム研究所の中村宜司と申します。
ゲルマニウムをブログに取り上げていただき、また、拙著の論文も引用紹介いただき、光栄に思います。
もしよければ、貴院に一度お伺いして、情報交換できれば、と思うのですがいかがでしょうか」
まさか論文の著者その人から連絡があろうとは夢にも思わない。
世界ってこんなに狭かったっけ?笑

世界で初めて石炭からゲルマニウムを抽出し、高純度に精製することに成功した浅井一彦氏は、ゲルマニウムの人体への治療効果に注目し、生涯をゲルマニウムの研究に捧げた。
浅井ゲルマニウム研究所はその浅井氏の意思を受け継ぐ組織であり、そこでは現在も有機ゲルマニウムの有効性の機序を解明しようと、日夜研究が行われている。
中村さんはその組織の取締役である。同時に、現役の研究者でもある。
世界一有機ゲルマニウムに詳しい人、と言っても過言ではない。
そんな人から直接お話を伺える機会なんて、普通はあり得ないことだ。
二つ返事でオファーを受けた。

中村さんの話
「ネットをざっと見ましても、有機ゲルマニウムに関する情報はずいぶん錯綜しているように思われます。毀誉褒貶が相半ば、という感じです。
一番の原因は、かつて悪質な業者が無機ゲルマニウムを偽って有機ゲルマニウムとして販売し、死者が出たことにあります。
無機ゲルマニウムは長期大量投与で致死的な腎不全を起こしますが、有機ゲルマニウムにはそのような毒性はありません。
様々な試験(単回投与、反復投与、抗原性、生殖毒性、遺伝毒性、皮膚毒性など)で毒性のないことが示され、安全性は極めて高いことが証明されています。
現在、有機ゲルマニウムを製造販売するメーカーは国内に4社あります。どれがいい、悪い、とはあえて申しません。
ただ、多くのメーカーは二酸化ゲルマニウム(毒性あり)をハロゲン化するプロセスを経て有機ゲルマニウム(毒性なし)を製造しています。
一方、当社は多結晶ゲルマニウムを直接精製し、そこから有機ゲルマニウムを得ますので、毒性の生じる余地がありません。
二酸化ゲルマニウム経由とはいえ、純度100%であれば、まぁ問題はないのですが、当社は浅井の開発した方法にこだわっています。
その分製造にお金がかかる点がネックで、消費者の財布に負担をかけてしまうのですが、それでも、本物を提供したいと思っています。
当社は相当な資金を費やして、私を含め研究者が有機ゲルマニウムの研究に取り組み、論文を生み出していますが、他社にはそういう研究施設を備えたところはありません。
他社は、二酸化ゲルマニウム経由のプロセスで製造費を安く抑え、かつ、Ge-132を名乗っています(これはもともとは浅井ゲルマニウム研究所での開発番号です)。
独自の研究がないどころか、当社のパンフレットをそのまま利用している他社さえあります。
誤解のないように申し添えますが、「他社製品は有害だ」、と言っているわけではありません。
有機ゲルマニウムによって、病気に苦しむ人が一人でも多く救われれば、というのが浅井の願いでした。
このようにゲルマニウムを扱う業者が複数あり、患者、業者ともに共存共栄の関係になれれば、これはむしろ浅井の望むところかもしれません。
しかし、こういう他社と市場で競合していくことは、実に骨の折れることです。

現在の製薬企業のスタイルは、一病一薬が基本です。つまり、ひとつの病気、たとえば高血圧に対して、血圧を下げる薬を作ろう、というように。
しかし浅井の生み出した有機ゲルマニウムは、そうした医薬品のカテゴリーに収まるものではありません。
免疫賦活作用、抗酸化作用、抗炎症作用など様々な効果があって、有効性を示唆するデータは無数にあります。
しかし厚労省から薬としての認可を受けるには、「万病に効く薬」として申請するわけにはいきません。
そこで、別会社が有機ゲルマニウムの分子構造に若干の修飾を加えたプロパゲルマニウム(医薬品名はセロシオン)という慢性肝炎の治療薬として申請し、厚労省の認可を得ています。
ただ、その製造販売権を持っているのは当社ではありません。
そして当社は、有機ゲルマニウムを医薬品としてではなく、食品(および化粧品)として扱っています。
このあたりの事情は入り組んでいるため、ここで詳述することは控えます。

有機ゲルマニウムの作用については非常に多岐にわたるのですが、何をお話ししましょうか。
有機ゲルマニウムを飲み始めると、まず、わかりやすい変化として、便の色が変わります。
便秘の人は固くて、黒みがかった茶色の便の人が多いですが、黄色い軟便になります。尿の黄色味も増します。
なぜこのような変化が起こるのか。
有機ゲルマニウムによってマクロファージやクッパー細胞が活性化し、老化した赤血球が網内系で除去されます。
赤血球の内容物であるヘモグロビンが分解されてヘムになり、これがビリルビン、ウロビリノーゲンへと代謝されます。
ウロビリノーゲンは酸化されるとオレンジ色に着色されてウロビリンになって、便中に排出されます。
つまり、古い赤血球の破壊亢進に伴って、ビリルビンやウロビリンが増加していることが、便の色が変わることの原因であるわけです。

「赤血球が破壊される?体に悪いんじゃないか」と思われるかもしれません。
しかし有機ゲルマニウムを継続的に摂取している人の血液データを見ても、ヘモグロビンやヘマトクリットの低下は見られない。
つまり、単なる破壊というよりは、代謝の亢進であって、新しい赤血球が次々と産生されているわけです。
赤血球の寿命は120日とされていますが、「長生きならいい」というものではありません。老化した赤血球は連銭形成を起こしやすく、肥大化し、末梢の微小血管を通りにくくなっています。
古い赤血球には体内から退場してもらい、新しい後進が生まれ育つことが必要なのですが、有機ゲルマニウムの仕事はまさに、赤血球の「破壊と創造」です。
浅井は著書に「ゲルマニウムが酸素の代わりをすることで、体内の酸素が豊富になり、様々な効能をもたらすのではないか」と書いています。
これは現在の目から見て不正確な表現です。ゲルマニウムに酸素運搬能はありません。
しかし、ゲルマニウムが赤血球の代謝を亢進し、酸素供給能が高まるわけですから、結論的に浅井の予見は当たっていたと言えます」

栄養と知能~講演会1

2019.5.8

浜学園という塾がある。有名中学校への進学率の高さでもって鳴る塾で、関西では知らない人はいない。
たとえば灘中学校の定員は180人で、例年浜学園出身者が90人前後を占める。去年度に至っては102人と、過去最高の合格者数を記録した。
灘中生の半分は浜学園を経由しているわけで、驚異的な進学実績だ。
灘に合格するということは、そこらへんの私立中学に合格するということとはずいぶん意味が違う。
12歳時点では日本のトップレベルの頭のよさだといえるし、そのまま順調に成長すれば、国の科学技術や行政司法の中枢を担うエリートになる可能性も高い。

もっとも、蛇足ながら付け加えておくと、浜学園の全員が灘に行くようなエリートの卵かというと、そうではないけどね^^;
パッとしない成績の子ももちろんいる。
でも総じて、どの保護者さんも教育熱心で、子供の将来に強い期待をかけて、この塾に通わせている。

大変名誉なことに、縁あって小医がこの塾の保護者相手に、『栄養と知能』をテーマに講演することになった。
そして今、講演を無事終了し、自分のクリニックに帰ってきて、こうやって久々のブログの記事を書いている。
今回僕が話してきたことは簡単で、一行に要約できる。
「僕らの体は、食べたものからなる」
これだけ。
この単純な事実を、様々な科学的データをもとに、いろいろな表現で、手を変え品を変え、お伝えしてきた。

まず、ウェストン・プライス博士の『食生活と身体の退化』を紹介した。
原住民がいかに見事な歯をしていたか。それが、西洋文明の影響を受け、精製した砂糖や加工食品を食べるようになったせいで、あっという間に虫歯だらけになった。
プライスの残した写真には、圧倒的な説得力がある。「現代の食事には、何らかの間違いがある」ということを、見る者に雄弁に語りかける。
そして、食事の変化によって失われたのは、すばらしい歯だけではない。
彼らの健やかな肉体は病気がちになり、穏やかな性格は神経質になった。かつての平和だった村には、病人と犯罪が急増した。
逆の事例も示した。すっかり損なわれた健康も、食事の改善によって回復できること、また、栄養の改善が知能の向上に好影響を与えることを、プライスの臨床症例をもとに示した。

ルース・ハレル博士の研究を紹介した。
「知的障害児16人(IQ=17~70)にサプリ(8種類のミネラルと11種類のビタミン)あるいはプラセボを8か月にわたり投与した二重盲検。
最初の前半4カ月でサプリ投与群は平均IQで5.0~9.6の上昇を示した。
4カ月経過時点で、プラセボ群にもサプリを投与したところ、後半終了時には同群で平均IQが少なくとも10.2上昇していた。
前半・後半を通じてサプリ投与を受けた群では、後半4カ月でさらにIQが上昇していた。
知的障害児のなかにはダウン症児が4人いたが、うち3人でIQが10~25上昇した。
また、被験者のなかには、IQの向上のみならず、視力の回復や成長率の増加が見られた者もあった」
この研究を示し、なぜ効いたのか、その理由として、遺伝栄養性疾患(genetotrophic disease)の概念について説明した。

ビタミンがビタミンとしての活性を発揮するためには活性型になる必要があるけど、そこには酵素の働きが関与していることが多い。
そして酵素の働きは、遺伝の影響を強く受ける。
たとえばお酒を飲めない人は、アルコール分解酵素の働きが弱い人だ。
ある種の薬剤に対して少量で著効する人もいれば、大量に投与しても反応しない人もいる。ここにも酵素の働きの違いが関わっている。
ある種の栄養素(ビタミン、ミネラル、アミノ酸、脂肪酸など)に関して、酵素の働きが弱いため、正常な代謝のためにはその栄養素が多めに必要なのに、その供給が少ないせいで欠乏症をきたす。
これが遺伝栄養性疾患だ。
そして、ハレル博士の研究が示唆しているのは、知的障害は遺伝栄養性疾患ではないか、ということだ。
「サプリでIQが上昇する」
教育熱心なお母さんには、なかなか聞き捨てならないセリフだろう^^

サプリが成果を挙げた事例として、アメリカの刑務所で行われた研究を紹介した。
サプリの投与によって、刑務所の受刑者の反社会的行動(ケンカ、暴力など)が減少するかどうかを2週間にわたって調べた研究。
サプリ投与群ではプラセボ投与群に比べて、規律違反が35.1%減少した。
この研究を、学級崩壊や家庭内不和とからめて話した。
学級崩壊に対しては、問題児のカウンセリングを行うなど、話し合いによってその問題児の気持ちを理解しよう、というアプローチがとられるのが一般的だろう。
しかし成果は上がっているのだろうか?
カウンセリングがムダとは言わないけど、本質ではないと個人的には思う。
栄養面からのアプローチこそ、問題の核心を突く唯一の方法ではないか。
健康な食事をして、心身ともに満ち足りた人が、授業中にバカみたいに騒ぐというのは、考えにくいはずだ。

以前この院長ブログでも紹介した、ご飯食とパン食のどちらがよいのかを調べた研究『健康な小児における朝の主食のタイプが灰白質および認知機能に影響する』(Y.Taki et al 2010)を紹介した。
朝食にご飯を食べる子供では、パン食の子供に比べて、灰白質比が大きくIQも高かった、というのが概要だ。
その原因として論文の著者は、GI(グリセミック指数)の違いを挙げている。
ご飯はパンよりもGIが低いため血糖値の変動を起こしにくく、そのために認知機能に好影響を与えているのではないか、というのが著者の考えだ。
しかしそれだけではないのではないか、と僕は指摘した。
大手メーカーが製造するパンの原材料を見てみるといい。砂糖、ブドウ糖果糖液糖、植物油脂など、体に好ましくない成分が多く入っている。
精製した小麦だけでなく、過剰な糖質を摂取することになり、そのために代謝プロセスでビタミンB群が失われる。
ミトコンドリアでのエネルギー産生は、大幅に低下することになる。
つまり、パンは栄養になるどころか、マイナス栄養ではないか。
あともう一つ、朝食にパンを出すかご飯を出すか、というところに、お母さんの子供に対する姿勢が表れていることを指摘した。
朝食にご飯を炊くということは、それだけでは済まない。おかずを作らないといけない。「白米だけ食っとけ」ってテーブルに置かれたら、きついよね^^;
でもパンの場合は、目の前にパンだけ置かれて、「焼いてジャムつけて食っとけ」で案外成立してしまう。
つまり、毎日子供にご飯を炊いているお母さんというのは、おかずを作る手間をも惜しまないお母さんだ。
こういうお母さんは、食事面だけしっかりしているのではなく、他の面でも子育てに熱心な可能性が高い。
逆に、食事で手を抜くお母さんというのは、食事面でだけテキトーなのではなく、他の面でも子供に無関心な可能性が高い。
こういうお母さんの姿勢が、子供のIQに影響しているのではないか。

最後に、「頭を良くするもの、悪くするもの」をエビデンスを交えつつ紹介した。
頭を良くするものとしては、ビタミンD3、オメガ3系脂肪酸、ヨード、フォスフォチジルセリン、有機ゲルマニウム、イチョウを挙げた。
頭を悪くするものとして、フッ素、有害金属(鉛、水銀、ヒ素など)、人工甘味料(アスパルテーム等)、トランス脂肪酸を挙げた。

1時間の講演にしては盛り沢山の内容で、最後は駆け足になってしまった。
保護者から事前に頂いていた質問にも、答える時間がなかった。
稿を改めて、保護者からの質問に答えることにしよう。

 

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