2019年6月

2019年6月

有機ゲルマニウムと癌

2019.6.21

以前有機ゲルマニウム(Ge-132)について、癌に対する有効性は細胞レベルや動物実験では示されているが、人での有効性のエビデンスは乏しい、みたいなことを書いた。
しかしその後、”Germanium: The health and life enhancer”(Sandra Goodman著)を読んでいて、RCT(無作為化比較試験)も含めいくつかの研究があることを知った。ここで紹介しよう。

切除不能の肺癌患者を対象として、Ge-132の有効性を調べた治験。
患者を化学療法+Ge-132投与群と化学療法+プラセボ群に無作為に振り分ける二重盲検を行った。
チェック項目として、余命期間、腫瘍径、QOL(生活の質)、免疫学的マーカーを評価した。
Ge-132の投与によってこれらすべての項目で統計的に有意な改善が見られた。
‘Some pharmacological and clinical aspects of a novel organic germanium compound Ge-132′(Mizushima at al. 1984)

Sanumgerman(乳酸クエン酸ゲルマニウム。西ドイツのSanum-Kehibeck社により開発された有機ゲルマニウム化合物)を卵巣癌患者に投与した研究がある。
卵巣癌で卵巣と子宮を摘出した6人の女性(44~64歳)にSanumgermanを投与し、術後の健康度、痛み、傷の性状を調べた。
6人全員で健康度が著明に上昇し、痛みが軽減していた。6人中5人で腹部およびダグラス窩に浸出液の貯留が認められなかった。1人ではわずかに貯留が認められた。
‘Experience with Sanumgerman in Poland and Germany'(Samochowiec et al. 1984)

Spirogermanium(Smith Kline社のRiceらによって合成された有機ゲルマニウム化合物。同社により抗癌作用および抗関節炎作用が確認されているが、神経毒性もある)を癌患者に投与した第1相試験(目的は治療効果の検証ではなく、安全性の確認)がある。
癌患者(種類は様々)35人に対してSpirogermaniumを静脈投与した。めまいなど軽度の副作用を生じる患者が数人したが、いずれの副作用も数分から数時間で消失した。蓄積による毒性や骨髄抑制といった副作用は見られなかった。
第2相試験(治療効果を検証)で、リンパ腫(非ホジキンリンパ腫とホジキン病)の患者を対象にSpirogermaniumを投与した。17人の患者中、5人(30%)で客観的に症状が好転し、2人では寛解した。血液毒性は見られなかった。
‘The clinical pharmacology of Spirogermanium, a unique anti cancer agent'(Schein et al. 1984)

症例報告として、以下のようなものがある。
1.骨髄増殖性疾患の62歳女性にSanumgermanを経口投与したところ、3週間で脾臓腫瘍の縮小が認められた。
“Biophysical results with germanium and Sanumgerman”(Kokoschinegg et al. 1984)

2.精巣および肺の胎児性癌の18歳男性に、Sanumgermanを含む様々な抗癌治療を行ったところ著明に改善し、1985年現在、転移なく良好に経過している。
‘Experience with Sanumgerman in Poland and Germany'(Samochowiec et al. 1984)

3.癌の摘出術を受けた55歳女性が、胃、腎臓、腸間膜、肝臓に癌の転移を生じた。抗癌剤治療を受けた後、Sanumgermanの服用を開始した。血液データなど、症状の変化を詳細にモニターした。手術から4年後、肝臓への転移巣が消失した。しかし、リンパ節の径はわずかに増大した。
‘Case study: adenocarcinoma with liver metastases’ (Paetz et al. 1984)

4.78歳男性の大腸癌に対して、1978年、1979年に手術を行った。1982年に肝臓への転移が見つかったため、癌に対する厳格な食事療法とともにSanumgermanの服用を開始した。その後4年経っても転移は見られていない。
‘The Sanumgerman therapy in biological medicine’ (Zoubek et al. 1984)

5.右肺に癌を生じた54歳男性が、抗癌剤による治療を受けた。しかし食欲が低下し、気力、体力も低下した。そこでGe-132を1日500mg服用を開始したところ、5ヶ月後には癌が消滅し、空咳が出なくなり、体調も以前のように元気になった。

1988年出版の本なので、データがどれも古いのが難点だ。
それに、有機ゲルマニウムと抗癌剤の併用でのRCTはあるが、有機ゲルマニウム単体投与でのRCTはやはり見当たらない。
腫瘍の縮小効果に限って見れば、抗癌剤は有効かもしれない。しかし長期的にはどうなのか。抗癌剤はむしろ余計で、有機ゲルマニウム単体投与で治療したほうが長期的な予後は良好だという可能性は、けっこう高いと思う。「思う」としか言えないところが、RCTのない辛いところだ。

RCTはなくても、上記のように、有効性を示す症例報告は多数ある。この報告を見てなお、有機ゲルマニウムを「エビデンスゼロの民間療法」と批判することはできないはずだ。
というか、そもそも浅井一彦博士は有機ゲルマニウムを抗癌剤として国に認可してもらいたいと考えていた。しかしその思いは結局叶わなかった。なぜか?それは、有機ゲルマニウムの有効性が否定されたからというよりは、政治的・経済的理由によるものだ。だから、当然、効く。高濃度ビタミンC点滴と併用して、そこにさらにαリポ酸、コエンザイムQ10、ビタミンK2なんかも一緒にとればいい。
癌になったからといって恐れることはない。大事なのは、医者の言うがままに抗癌剤治療に飛びつくのではなくて、他の選択肢があることを知っておくことだ。

有機ゲルマニウムと脳障害

2019.6.1

ある薬剤の効果を評価するときには、ダブルブラインドの無作為化比較試験(RCT)をやって、有意差が出せれば一番いい。
エビデンスレベルが高いことが何よりの強みで、薬剤を売り出す際にも、大きなセールスポイントになるだろう。
しかしこの試験の欠点は、手間(金、時間など)がかかることだ。
製薬会社がバックにいれば、豊富な資金力によって、そうした問題はクリアできるだろう。
しかし、たとえばサプリを売り込みたい中小企業にとって、わざわざRCTを行うのはかなり大変なことだ。
in vitro(試験管)での研究や動物相手の研究は比較的簡単にできても、人間相手の研究は何かと倫理的な配慮が必要だし、制約も多い。
そういう面もあって、実は有機ゲルマニウムを使ったRCTはそれほど多くは行われていない。

癌、膠原病、関節痛、高血圧、うつ病など、有機ゲルマニウムの有効性が示唆されている疾病や症状は、多くが症例報告に基づくものだ。
症例報告というのは、無意味では決してないけど、エビデンスレベルとしては一段格下に見られちゃうんだな。
しかし有機ゲルマニウムで癌のRCTをやろうと思ったら、大変なことだ。まず、患者を集め、同意をとらないといけない。
「有機ゲルマニウムは癌に有効だと言われています。参加者の半数に有機ゲルマニウムを、もう半数にはプラセボ(ニセモノの薬)を投与して、有効性を確認させてください」
皆さんが癌患者だったとして、こんな誘いに乗りますか?
「私がそれに参加したとして、自分がちゃんと有機ゲルマニウムを飲ませてもらえるのか、プラセボを飲まされるのか、わからないってことですよね?
私、癌なんですよ。癌が日に日に大きくなったり転移したり、徐々に死に近づいていく病気です。
本物を飲んでいたならまだしも、ニセモノを飲んでて悪化して手遅れになりました、となれば、その責任はどうとってくれるんですか?」
こんなふうに言われたら、患者に強く参加を強いることなんてできない。
患者は実験動物じゃない。尊厳を持った人間だ。だからこそ、RCTを行うことには、困難が伴う。

それでも、有機ゲルマニウムに関して、こんな研究報告がある。
(背景)
横浜市立大学名誉教授の梅沢先生は「のうけん療育会」を主催し、そこの会員(脳障害児)に、ドーマン訓練法による治療を行っていた。
これはパターニング、マスキング、でんぐり返りなどを主体とし、そこに視覚、聴覚、触覚などの知覚面での刺激訓練から構成されている。
たまたま浅井ゲルマニウムGe-132の存在を知り、ある小児に投与したところ、難治性の脳障害が劇的に回復したのを見て、先生は感服した。
「ドーマン訓練法は末梢的後遺症状にのみ捕らわれていて、障害の根源である脳にはほとんど目を向けていない。そのせいでほとんど効果のない障害児も多い。
しかし、Ge-132はその生理的な作用により、脳細胞に直接作用しているようだ。これは多くの患者の希望になるに違いない」
先生はそう確信し、RCTの実施を思い立った。
しかし、同意をとるのは困難だった。
「のうけん療育会」の会員は、もともとドーマン訓練法に回復への希望を持って入会してきた子供たちなので、Ge-132の有効性を確認するために、一時的にドーマン訓練法を中止してもらうわけにはいかなかった。
半数に実薬を、半数にプラセボを、ということは、さらにできなかった。ドーマン訓練法、Ge-132投与を併用せざるを得ず、しかも患児の両親の承諾を得なければならなかった。
こんな具合に、臨床で厳密なRCTを行うことはとても難しいことだ。
(研究対象)
本会会員1歳から10歳までの脳障害児95人
(研究方法)
脳障害児とひとくちにいっても、その障害の程度および部位によって、その呈する症状は様々であり、しかもその症状がまったく同じ患者は一人としていない。
そこで、症状を以下の4群に大別した。
中枢性運動機能障害(Cp)、てんかん症候群(Ep)、知恵遅れ群(MR)、自閉症群(Aut)
(Ge-132の投与方法)
顆粒およびカプセルの内服。
投与量は児の年齢、体重、症状によって一様ではないが、おおよそ体重1kgあたり20から30mgを1日三回に分けて、食前または食間に服用。
(評価方法)
一般状態への影響として、食欲、睡眠、便通、寝起を、精神機能への影響として、意欲(積極性、自己主張)、集中力、記憶力および表情を取り上げた。
その影響の有無の判定は、両親の観察・判断に基づいて行った。大いに改善(++;3~4点)、改善(+;1~2点)、変化なし(±)、悪化(-)とした。
また、ドーマン・デラカトの成長プロフィールにより、頭脳年齢/暦年齢=成長率を評価した。
この値が1以上ならば普通児あるいは優良児であり、1以下の場合は脳障害児あるいは脳神経発育不良児である。
(結果)
研究対象95例中、Ge-132投与および訓練期間が12カ月未満のものを除いた67症例(その内訳は、Cp群28例、Ep群11例、MR群14例、Aut群14例)を評価した。
Ge投与によって、2,3の症例を除いたすべての例において、一般状態および精神機能面での向上が認められた。特にMRおよびAut群でこの傾向が著しかった。
(考察)
まず、Ge-132の投与により、患児らの健康増進効果が示された。ほとんどの症例において、食欲、睡眠、便通および寝起で改善が認められた。
その査証として、ほとんどの児がGe-132服用以後風邪をひかなくなったり、ひいたとしても発熱が低く、罹患期間が短くかつ元気であるといった点など、母親が等しく認めている。
次に、記憶力の増強、表情の豊かさ、意欲、集中力の増強といった精神機能面での向上が認められた。なかでも意欲の高揚は感覚、運動といった脳神経機能面の発達に大きな影響を与える。
具体的な症例を供覧しよう。
第1例
(M.T)男児。診断はCp、推定原因は1400gの未熟児。ドーマン訓練法を施行すると同時にGe-132を1年間、総量324gを服用した。
初診時(暦齢86カ月)の成長率は60%で終診時(98カ月)のそれは85%。Ge服用後は精神機能の発達がめざましく、集中力が高まり、算数の勉強やピアノの練習などそれぞれ1時間くらい続けてやるようになった。
たまたま一時Geの服用を中止したところ、その途端に算数やピアノをなまけるようになった。あわててGeの服用を再開すると、また熱心に取り組むようになった。
第2例
(T.K)男児。診断はMR、推定原因は不明。Ge服用量は二年間で525g。初診時の暦齢は93カ月、成長率値81%、終診時の暦齢は117カ月、成長率は87%。母親によると、Ge服用により表情、気力が全く変わったという。
第3例
(A.M)女児。診断はMR、推定原因は仮死。初診時(67カ月)の成長率値は53%、終診時(103カ月)の成長率値は92%。Ge服用量は306gである。
Ge服用後の精神面の進歩発達は顕著で、何でも一人でやるようになった。しかしGe服用を中止すると、体の調子が悪く気力も衰えるが、再び服用すると途端に回復した。
第4例
(S.T)男児。診断はCp(アテトーゼ)、推定原因は母児血液型不適合。Ge服用量は2年間で72g。Ge服用後、風邪をひきにくくなり、熟睡するようになった。また、睡眠時間が短くても済むようになった。
便秘がなくなり、食欲が極めて良好となった。アテトーゼが軽減し、手の機能が改善した。しかしGe服用を忘れるとアテトーゼが増強した。なおアテトーゼの軽減はこれまで一度も見られなかったことである。
書字が正確になり、漢字などの細かい字も書けるようになった。長年ドーマン訓練法をやってきてもこうした変化は見られなかったことである。
また食事もほとんど自分ひとりでできるようになった。足の運びも大幅に改善した。
言語、構音がよくなり、発音が聞き取りやすくなった。かなり長い文章を話せるようになり、学校でも進んで発言するようになった。
理解力、記憶力がよくなり、記憶力のよさは周囲も驚くほどである。学校での成績は体育を除いて優秀で、クラス委員に選ばれるようにさえなった。

すばらしい報告だと思う。
一応、世の中的には、エビデンスレベルとして、RCT>症例報告、ということになっている。
しかし、大手製薬会社の降圧薬の有効性が不正に改ざんされていたことがニュースになったように、RCTで有効と認められたからといって、それが間違いないかといったら、全然そんなことない。むしろ、n数は少なくても、上記のような報告のほうがはるかに信頼できるんじゃないかな。
上記報告は、母親が観察した子供の変化に基づいている。こんなのは正式な論文としては、ほとんど相手にされない可能性がある。「客観性として、まったく科学の体をなしていない」と。しかし、母親ほど子供の変化に敏感な存在はいないというのも、また事実だろう。

自閉症、知的障害などは、一般には回復困難とされている。しかし上記の報告は、有機ゲルマニウムの服用によって、劇的に回復したことを示している。
患者を子供に持つ親御さんにとって、回復への希望がないよりもあるほうが絶対にいい。
一般の製薬会社の薬と違って別段の副作用もないのだから、有機ゲルマニウムを試してみないのは損だと思う。

ちなみに、特に脳障害のない普通児が飲んでも知的発育に好ましい効果がある。
・ぜんそくにいいから、ということで有機ゲルマニウムを飲み始めた14歳男子。思いがけず、急に数学の成績がよくなった。あまりにも急激によくなったせいで、教師からカンニングを疑われた。
・健康にいいらしい、ということで有機ゲルマニウムを飲み始めた中年男性。囲碁が趣味だったが、手が深く読めるようになった。まったく期待していない効果だった。
こういう例が浅井一彦著『ゲルマニウムと私』に出てくる。
生徒に有機ゲルマニウムの服用を勧め、多くの生徒を大学合格に導いた井藤正勝さんという河合塾の講師もいる。
成績が伸び悩んでる受験生が飲んでも、おまじない以上の効果が期待できるはずだ。

有機ゲルマニウム研究会入会について

本会の趣意に賛同いただいた、医師・歯科医師・獣医師のみご登録いただけます。
ご登録いただいた方々には以下をご提供致します。

  • ①有機ゲルマニウムの最新研究情報・臨床研究をご提供
     ※HPやメールマガジンにてお知らせ致します。
  • ②毎月行う「有機ゲルマニウム臨床勉強会」やセミナーなどへのご案内
  • ③「有機ゲルマニウム研究会」認定の有機ゲルマニウム(浅井ゲルマニウム研究所 製造)のゲルマニウムサプリメントを会員特別価格にて提供