2019年10月

2019年10月

知能と有機ゲルマニウム

2019.10.11

40代女性。3歳の娘を連れて来院した。
「知的障害というわけでもないと思うんですけど、言葉が遅いです。もう4歳になろうかというのに、まだ自分の名前が言えません。
偏食で、食べる量も少ないと思います。お菓子はよく食べるんですけど。
小児科の先生に尿路奇形があると指摘されました。そのせいで尿路感染症にかかりやすいようで、毎日バクタ(抗生剤)を飲んでいます。主治医には『もう少し大きくなったら手術しましょう』と言われています。
何かと病気がちで、一回風邪をひいたらずいぶん長引きます。
夜は寝つきが悪くてなかなか寝てくれないし、寝起きも悪いです。
ここのクリニックは、普通の病院と違って、サプリとかで治してくれるんですよね?
この子に何かお勧めのサプリはありますか?
あと、私も最近何かと調子が悪くて。疲れやすくて、気分の波が激しいです。
仕事は何とかできてますけど、一日が終わるとヘトヘトになります。疲れ切ってるのになかなか寝つけないので、お酒で寝ています。食欲も落ちてます。
私にも何かお勧めのサプリを教えてください」

ふむー、なかなか手強そうなお母さんだ。
「サプリね、もちろんお勧めできますけど、まず何よりも、食事が基本ですからね」と食事指導から始める。
さて、その上でさらにサプリを、ということになれば、何を勧めるか。
採血して栄養状態を把握することが大きなヒントになるけど、お母さんの採血はともかく、三つ四つの子供の採血は気がひける。小児の採血は難しくて、大泣きすることは見えている。この世に一人、また新たな白衣高血圧患者を作るのもなぁ。
採血は別にマストじゃない。問診だけでおおよその”当たり”はつけられるものだ。

・風邪や尿路感染症など、免疫系が弱そうなので、とりあえずビタミンCは最優先で使いたい。

・バクタを使っているということは、腸内細菌は大きなダメージを受けていて、ビタミン産生菌など有用な菌種も大幅に減少しているはず。特にバクタは葉酸の代謝プロセスを阻害することで抗菌性を発揮する。特に葉酸を補う、という形でもいいが、お菓子の多食もあいまってB群全体が不足しているはずだから、天然由来のビタミンB群のサプリを使おう。

・『子供の健全な成長には脂溶性ビタミン』というのがプライス博士の教えだ。特にプライス流は「ビタミンK推し」だ。抗生剤で腸内細菌がダメになっているから自前のK産生が落ちているだろうし、偏食で納豆なんて食べない子だから、Kを補うのはプラスになるだろう。

・『脂溶性ビタミンは協調して働く』という原則もある。Kと一緒に使うなら、断然Dがいい。知的成長にも有益だろう。さらにいうと、脂溶性ビタミンは粉末錠剤よりは液体かジェルカプセルが吸収がいいから、この点も配慮する。

・最後に、忘れちゃいけないのが、有機ゲルマニウム。
以前紹介したように、有機ゲルマニウムが脳神経系の障害(運動障害、てんかん、知的障害など)に効果があることにはエビデンスがあるし、僕も自分の患者でこの効果を確認している。
ADHD傾向のある小学生男児に有機ゲルマニウムやタラの肝油などの知的成長を促進する栄養素を使ったところ、授業中の問題行動がなくなり成績が伸びた。
さらにいうと、この男児は顔つきまで男前になった。口呼吸でポカンとした表情がなくなって、鼻呼吸になって口元が引き締まったし、目力というのか、目元に知性が漂うようになった。

さて、お母さんには何を勧めようか。
・疲労の極みにありながら、眠れない。ストレスによる交感神経の過剰興奮だ。CBDオイルでゆっくり休めるようになるだろう。
・仕事でずっとインドアで日光に当たらないということは、血中ビタミンD濃度も低いはずだから、D/Kもお勧め。
・交感神経優位に起因する代謝低下があるから、赤血球の「破壊と創造」もうまくいっていないはず。疲労感はここが原因だと踏んで、有機ゲルマニウムも勧めよう。子供さんにお出しするのを、お母さんも一緒に摂るといい。食間に、耳かき一杯程度のごく少量でいいからね。
・寝るために酒を飲み始めたとなると、かなり危うい。アルコールの代謝プロセスで消耗するビタミンB1を、ベンフォチアミンで補おう。

さて、1ヶ月後。
来院したお母さん、声に喜びがにじみ出ている。
「娘が急にしゃべるようになりました。言葉が一気に増えた印象です。もちろん、自分の名前も言えるようになりました。
食べる量が増えたし、寝つきもよくなりました。
前回来院したとき以後、バクタをあまり使わないようにしています。それなのに調子がいいです。いつも風邪をしょっちゅうひいてるのに、この1ヶ月はひいていません。
私の調子もいいです。
よく寝れるようになったし、疲れやすさも前ほどではありません。
でも、何より一番驚いたのは、お酒をそんなに飲みたいと思わなくなったこと。お酒は好きなほうだから、会社の飲み会では、同僚にも驚かれるぐらい飲みます。
そんな私なんですけど、最初の乾杯でビールを1杯飲めば『もういいかな』って思うんです。飲もうと思えば飲める。でも、もういいかなって。
不思議です。成人してお酒を飲み始めて以後、こんな感覚になったことはありません。飲むとなったら、飲み疲れるまで飲む、というのが私のスタイルですから。
私、どうしちゃったんだろう、って心配になったくらいです笑」

やはり、と確信を深めた。子供の知的発達には有機ゲルマニウムがてきめんに効く。
お母さんの言葉「バクタを使ってないのに、調子がいい」は論理的に誤りで、正しくは「バクタを使ってないから、調子がいい」である。尿路感染症予防という大義のために、腸内細菌にも大打撃を与える抗生剤は、長く飲み続ける薬じゃない。抗生剤の使用頻度を減らし、それに伴って腸内細菌叢が回復したことで、腸で自前のビタミン産生ができるようになったのだろう。
お母さんに見られた飲酒欲求の消失は、CBDオイルによる衝動性の抑制効果によるところが大きいか。
おおむね想定内の回復ではあるけど、こんなふうに実地に喜びの声を聞くと、やっぱりうれしいな。

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