2019年4月

2019年

精神疾患とゲルマニウム

2019.4.2

栄養療法の実践者は、ビタミンやミネラルについて一通り精通しているものだけど、自分の臨床経験を通じて、特に思い入れの深いビタミンがあるものだ。
たとえばポーリングはビタミンCのすばらしさを実感していたし、ホッファーはナイアシンに強い愛着を持っていた。
自分がその有効性を科学的に実証し、多くの患者の命を救い、彼ら自身その栄養素の効果を実感していたのだから、それだけの思い入れを抱くのも当然だろう。
最近、Sandra Goodman博士の”Germanium The health and life enhancer”という本を読んだ。
この著者の「押し」はゲルマニウムだ。
著者はゲルマニウムが様々な疾患に効くことを知り、その有効性に魅了された。本の中で、その効果を絶賛している。
上記の本から、ゲルマニウムと精神疾患についての記述を、一部引用しよう。

「精神疾患は、単一の原因により引き起こされる単独の病態というわけではない。遺伝、生化学、栄養、心理など、様々な原因に由来する体全体の不調、それが精神症状として現れたのが精神疾患である。
だから、この病態に対するアプローチは、全身のバランスを回復させることを意図して、多方面から取り組んでいく必要がある。すべての精神疾患に対して、劇的に改善する奥義や裏技があるわけではないのだ。
最近数十年の研究によると、様々な精神障害(たとえばうつ病や統合失調症など)において、生化学と栄養が関与していることが明らかになっている。
たとえば、体内の過剰な銅(原因は銅の水道管、銅の調理器具、経口避妊薬、ビタミンC・B3不足など)は幻覚や妄想の原因となる。
また、多くのうつ病や統合失調症の患者は、亜鉛やビタミンB6が欠乏しており、ひどい頭痛、神経疲労、光や音への過敏といった多くの症状がある。
自閉症の子供に亜鉛やビタミンB6を投与すると非常に改善し、ついでにニキビ、発疹、ヘルペスまで一緒に治ってしまった、なんて話もある。
ある種の統合失調症のタイプとして、脳アレルギーを原因とするものは、メチオニン、カルシウム、亜鉛、マンガン、ビタミンB6、ビタミンCで改善する。
気分障害は、一般的な食物(小麦など)に対するアレルギーや、血糖値のアンバランスに対するアレルギーによって引き起こされることがある。こうしたアレルギーは栄養面の改善によって緩和することができる。
多くの破壊行動や衝動的な粗暴行為は、その背景に栄養的・生化学的な側面がある可能性がある。
有機ゲルマニウムは、慢性的な精神病、うつ病、てんかんなどの治療に成果を上げており、浅井研究クリニックによると以下のような改善例がある。

(1)統合失調症の診断を受けた15歳女児。自閉症の傾向が出現し、あらゆるものに対して不信を感じ始め、学校にも行かなくなった。
有機ゲルマニウムの摂取を開始して1か月後、月経痛が消失し、表情が明るくなり、性格も快活になった。1年後には、再び学校に通えるようになった。
(2)虫垂切除術後にうつ病を発症した27歳女性。目はうつろで、急に涙を流すこともあった。有機ゲルマニウムを1日80mg摂取し始めてから2日以内に、どんよりした目つきが消え機敏な目が戻った。2日後には表情が普通に戻り、言葉がほとんど普通に話せるようになった。10日後には大学の入試試験を受けた。25日後、治療を中止。その後7年経過するも、症状の再発はない。
(3)二度目のうつ病にかかった38歳男性。目はうつろで、話すことさえできなかった。トフラニール(抗うつ薬)を服用していた。有機ゲルマニウム100㎎を1日2回摂取し始めて1週間後、目が明るくなった。しかし、「まだいまいち気力がわかなくて」とこぼした。トフラニールの用量を半減した。2週間後彼の表情はほぼ正常に戻り、1か月後には職場復帰を果たした。その後ほぼ1年、有機ゲルマニウムの摂取を続けた。3年間、症状の再発は見られていない。
(4)58歳女性。半年おきに消長を繰り返すうつ病をわずらっていた。最初の3か月ほど一定のうつ状態が続き、それから徐々に増悪し、ついには自殺未遂を起こすほどに症状が悪化するのだった。有機ゲルマニウム10㎎を1日2回摂り始めてから2,3日すると、持病の不眠症が消えた。やがて、うつ病の症状もほぼ消失した。その後3年間、有機ゲルマニウムの摂取を続けた。それから8年が経過したが、症状の再発はない。
(5)30年来のうつ病の既往のある69歳女性。病状は冬になると悪化する季節性のものだった。有機ゲルマニウム70㎎を1日2回摂り始めた。3年服用を続けた。うつ病の症状がまったくないため、有機ゲルマニウムの摂取を中止した。
白内障の手術を受けた後、またうつ病の症状がぶり返した。およそ5か月後、有機ゲルマニウムの摂取を再開した。症状はすぐに改善した。寝ている途中で覚醒することもなくなり、よく眠れるようになった。今も体調良好である。

有機ゲルマニウムが、なぜこんなにも効くのか。その生理学的・生化学的メカニズムは十分には分かっていない。
しかし、有機ゲルマニウムの特性を調べることで、なぜ精神疾患に効くのか、その理由を推測することは可能である。
(1)まず第一に(そしてこれが最も大きな理由だが)、有機ゲルマニウムによる酸素充足作用である。生命にとって酸素が必要なのはもちろんだが、脳細胞にとって特に不可欠である。脳はたった3分間酸素供給が途絶えるだけで、死滅する。だから、有機ゲルマニウムが精神疾患の治療に大きな成果を上げている最大の理由は、有機ゲルマニウムによる脳への酸素供給の増加によるものだろう。
(2)また、有機ゲルマニウムは強力な抗酸化物質でもある。このおかげで、有害なフリーラジカルが無毒化され、結果、脂質膜の過酸化によるダメージを防ぎ、血液の性状を健康に保つことができる。つまり、毒物の除去に加えて、こうした血液の浄化作用によって、多くのいわゆる「メンタル」面の不調が改善すると考えられる。
(3)さらに、有機ゲルマニウムには重金属(水銀、カドミウムなど)を捕捉、排出する働きがある。こうした重金属には神経系への毒性が知られているが、有機ゲルマニウムはこれらの重金属の排出を促すことで、精神疾患を改善させているものと考えられる。
(4)有機ゲルマニウムによるもう一つの大きな効果として、免疫賦活作用がある。免疫系は、各臓器やホルモンが複雑に絡み合って成立している。有機ゲルマニウムは体の自然免疫を刺激し、そのことで免疫機能の向上(インターフェロン、NK細胞、マクロファージ、サプレッサーT細胞などは全身の生化学的・神経化学的物質に大きな影響を与える)が起こる。
有機ゲルマニウムによる治療効果は根本的な生命力を高めることにあるため、精神症状を来す自己免疫疾患(たとえば全身性エリテマトーデス、あるいはAIDSも)の治療にも有効である。ホルモン状態および免疫機能の改善は、患者の精神状態に確かにプラスの影響を与えるだろう。
有機ゲルマニウムの代謝、生化学、そして体への必須性については、今後もっと研究されなくてはならないだろう。有機ゲルマニウム自身の栄養特性やその他の栄養素との組み合わせについて、精神疾患にどのように影響するのかの研究が進めば、有機ゲルマニウムの治療効果がもっと明らかになるはずだ。」

漢方薬がなぜ体にいいのか?
有機ゲルマニウムの合成に世界で初めて成功した浅井一彦先生によると、この問いに対する答えは、「ゲルマニウムを含んでいるから」だ。
朝鮮人参、クコの実、さるのこしかけなどにゲルマニウムの含有量が多かったという。
一般のオーソモレキュラー栄養療法が、有機ゲルマニウムを治療に積極的に取り入れていないのが不思議だ。
個人的には、方法論にとらわれる必要なんてなくて、とにかく「患者をさっさと治したもん勝ち」だと思っている。
だから、このゲルマニウムのように有効性が明らかになっているものに関して、僕はすぐに治療に取り入れる。
方法論に対する義理堅さ、なんて何の自慢にもならなくて、患者の利益こそがプライオリティなんだから、こういう「節操のなさ」は大事だと思うんだよね。

 

ゲルマニウム

2019.3.26

周期表を見れば、ゲルマニウムは、炭素やケイ素と同じ第14族元素に属している。

ケイ素は最近健康への効果が注目されているが、それに比べて、ゲルマニウムはそれほど知られていない。

オーソモレキュラー栄養療法を創始したポーリングもホッファーも、特にゲルマニウムについて言及していない。

これは実にもったいないことだ。

ゲルマニウムの健康への効果は、すばらしいの一語に尽きる。

栄養療法で一般的に使うビタミンやミネラルと別段競合するわけではなく、併用しても何ら問題ないのだから、使わない手はないだろう。

個人的な経験としても有効性を実感している。

いくつか論文を紹介しよう。

 

https://www.jstage.jst.go.jp/article/bpb/41/5/41_b17-00949/_html/-char/ja

『ゲルマニウム132(合成有機ゲルマニウム)の培養哺乳類細胞に対する抗酸化活性』

要約

ゲルマニウム132は合成の有機ゲルマニウムであり、食品サプリメントとして利用されている。

本研究では、ゲルマニウム132の培養哺乳類細胞に対する抗酸化活性を調べた。最初に、ゲルマニウム132の哺乳類培養細胞に対する細胞毒性を、乳酸脱水素酵素(LDH)濃度を計測することにより決定した。

ゲルマニウム132は3通りの細胞系に対して細胞毒性がなかった。次に、細胞全体のATP含有量および細胞数を計測することによって、ゲルマニウム132の細胞増殖作用を決定した。

チャイニーズハムスター卵巣(CHO-K1)とヒト神経芽細胞腫(SH-SY5Y)の細胞をゲルマニウム132で処置すると、用量依存性に細胞増殖が促された。最後に、過酸化水素によって引き起こされる酸化ストレスに対するゲルマニウム132の抗酸化活性を、細胞内活性酸素種(ROS)とカルボニル化タンパク質の濃度の計測によって決定した。

CHO-K1とSH-SY5Yの細胞をゲルマニウム132で処置して培養すると、過酸化水素によって引き起こされる細胞内活性酸素種とカルボニル化タンパク質の濃度が抑制された。この研究の結果によって、ゲルマニウム132には過酸化水素によって引き起こされる酸化ストレスに対する抗酸化活性があることが示された。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/3043151

『有機ゲルマニウムによる治療的効果』

要約

ゲルマニウムはすべての動植物に微小量で存在している。その治療的効果として、免疫賦活作用、酸素供給作用、フリーラジカル貪食作用、鎮痛作用、重金属デトックス作用などがある。

毒性学の研究によると、ゲルマニウムは体にすみやかに吸収・排出され、安全であることが示されている。

十年以上におよぶ臨床治験や私的な臨床経験では、ゲルマニウムは、癌、関節炎、骨粗鬆症など、様々な重度の疾患に対する有効性が示されている。

ゲルマニウムには、インターフェロン、マクロファージ、サプレッサーT細胞を誘導したり、ナチュラルキラー細胞を活性化するなど、抗ウィルス特性、免疫学的特性があり、AIDSの治療および予防に対する有効性が示唆されている。

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4034287/

『ラット盲腸の腸内細菌叢に対する有機ゲルマニウム(Ge132)とラフィノースサプリメントの効果』

要約

多価トランス[(2カルボキシエチル)ゲルマセスキオキサン](ゲルマニウム132)は最も一般的な有機ゲルマニウム化合物である。

ゲルマニウム132を摂取すると、胆汁分泌が促進される。

ゲルマニウム132およびある種のプレバイオティクスにより糞便の色が黄色くなることから、ゲルマニウム132とラフィノース(プレバイオティクスとして用いられるオリゴ糖)の投与によってラットの盲腸の特性がどのように変化するかを評価した。

また、これらの化合物の投与により盲腸の腸内細菌叢にどのような変化が起こるかも併せて比較した。

さらに、ゲルマニウム132とラフィノースの同時投与によって、βグルクロニダーゼ活性(大腸癌の関連因子として知られている)に対する影響を調べた。

オスのウィスターラット(3週齢)に以下の食事のうちの一つを与えた。(1)コントロール食(対照群)、(2)0.05%のゲルマニウム132を含む食事(Ge132群)、(3)5%のラフィノースを含む食事(RAF群)、(4)0.05%のゲルマニウム132と5%のラフィノースを含む食事(GeRAF群)。

ラフィノースを含有する食事によって、ビフィドロバクテリウム、乳酸桿菌および全腸内細菌量が有意に増加しており、ゲルマニウム132の投与によってこの増加が抑制されることはなかった。

ラフィノースの摂取によって盲腸での酢酸の産生量が有意に増加した。

盲腸内容物のβグルクロニダーゼ活性は、ゲルマニウム132の摂取により増加したが、ラフィノースの摂取により有意に減少した。

これらの結果は、ラフィノースとゲルマニウム132の同時摂取によっては、いずれの化合物も腸内での発酵や胆汁分泌を抑制することはない、ということを示している。

また、ゲルマニウム132の単体投与の場合には誘導されるβグルクロニダーゼ活性の増加は、ラフィノースとゲルマニウム132の同時摂取ではキャンセルされる。

 

『ゲルマニウムと私』(浅井一彦著 玄同社)に、喘息を訴える中学生の患者に対してゲルマニウムを投与していると、その中学生、やたら数学ができるようになって、教師からカンニングを疑われた、という話が出てくる。

ゲルマニウムは酸素運搬能を高め、記憶力、思考力、集中力など、脳機能の改善にも著効する。高血圧に対してゲルマニウムを飲んでいるうちに、囲碁が非常に強くなった、という話もある。

症状の改善を目指して飲んでいたら、思いもかけないうれしい副産物が得られるというのは、本物の治療法によくあることで、ゲルマニウムもそういう本物の一つだということだ。

 

有機ゲルマニウム研究会入会について

本会の趣意に賛同いただいた、医師・歯科医師・獣医師のみご登録いただけます。
ご登録いただいた方々には以下をご提供致します。

  • ①有機ゲルマニウムの最新研究情報・臨床研究をご提供
     ※HPやメールマガジンにてお知らせ致します。
  • ②毎月行う「有機ゲルマニウム臨床勉強会」やセミナーなどへのご案内
  • ③「有機ゲルマニウム研究会」認定の有機ゲルマニウム(浅井ゲルマニウム研究所 製造)のゲルマニウムサプリメントを会員特別価格にて提供