2022年8月

2022年8月

浅井一彦とゲルマニウム

2022.8.25

授業の内容なんてろくすっぽ覚えてないくせに、先生が授業中に話していたどうでもいい雑談を案外覚えていたりする。たとえば生理学の教授がこんなことを言っていた。「私は茨城出身だが、もともとの先祖は江戸時代に福井から茨城に移住してきた。ダシの味や方言などに福井の文化の名残りがある」

茨城と福井は歴史的につながりがある。
初代福井藩主結城秀康を始祖とするつながりがある一方、

古河藩と大野藩の関係性もあって、茨城と福井をつなぐ縁の糸は一本ではないようだ。

アサイゲルマニウムの創始者浅井一彦先生は、生まれは満州だけど、育ちは茨城で、水戸高校の出身。墓は福井県にあり、今も浅井先生の命日(10月22日)にはささやかな祭祀が行われる。
浅井先生の先祖をさかのぼれば、戦国武将の浅井長政に突き当たる。
長政は福井県の戦国大名で、浅井家の3代目にして最後の当主。善政を敷き、北近江の戦国大名として勇名を馳せたが、1570年姉川の戦いで織田・徳川連合軍に敗れ、1573年北近江の城が陥落。長政の家臣は相次いで織田方に寝返り、同盟関係にあった朝倉家も撤退。信長は朝倉家を滅ぼし、これにより長政の本拠地小谷城は包囲された。信長は降伏を勧めたが、長政は拒否。妻のお市と娘を逃がし、自害を選んだ。享年29歳。

浅井先生の生き様の必死さとか激しさを見ると、浅井先生は浅井長政の生まれ変わりだったんじゃないかと、僕は半ば本気で思っています。

1934年浅井は財閥商社(大倉組)のドイツ駐在員としてベルリンに派遣された。1943年シャロッテンブルグ工科大学を卒業し、エッセン公立石炭研究所に入所し、石炭学の研究に打ち込んだ。
1944年11月22日ベルリンは猛烈な空爆を受けた。敗戦の気配が漂うドイツには英米の爆撃機を迎え撃つ空軍機はすでになく、街に大量の焼夷弾がまき散らされた。この1日の空爆がベルリンに与えた損害は戦争中で最大で、45万人の市民が家屋を失った。
浅井が住むアパートの地域も激しい爆撃を受け、人々は地下室に避難した。しかし4階建てアパートの屋上にも焼夷弾が落ち、建物全体が大きく揺れた。このままではアパートが燃え上がり、地下室にいる全員が焼死するかもしれない。そんな不安に駆られていたとき、若い女性が悲鳴をあげた。
「娘がいない。屋上に残してきてしまった。誰か助けて」
その女性は洗濯ものを取り込みに屋上にあがったとき、空襲警報で慌てて逃げ出し、娘を置き去りにしてしまったらしかった。
老夫婦が浅井に向かって拝むように話しかけてきた。「私たちは年寄りと女子供だけで、どうすることもできません。どうか、娘さんを助けてください」
浅井は勇気を奮い起こして立ち上がった。
非常階段で屋上へ上がると、屋上の隅で膝を抱えて泣く少女がいた。駆け寄って抱きあげたとき、焼夷弾がアパートの屋上に落ち、アサイは少女を胸にかばって本能的に体を伏せた。
激しい爆音とともに炎が吹き上がり、周囲に火の海が広がった。着ている洋服が燃えそうだった。浅井は少女を抱いて火から逃げた。
しかし気が付くと、アパートの3階が燃えている。炎が階下から燃え上がって来るようでは、逃げようがない。このまま屋上にとどまれば焼け死んでしまう。
浅井は覚悟を決めた。少女をきつく抱きしめ、石畳の道路に飛び降りた。うまく足から着地できたと思った瞬間、衝撃のあとに襲ってきた激痛に浅井は意識を失った。

気が付くと見知らぬベッドに横たわっていた。起き上がろうとして右の太腿に激痛が走った。主治医が言う。「大腿骨が折れているので手術が必要です」
「一緒だった少女は?」
「奇跡的に無傷だったようです」
「どうしてここへ?」
「退役した将軍から連絡が入り、衛生兵が運び込みました」
「将軍?」
「私にも詳しいことは分かりませんが、あなたが4階から飛び降りて気絶したのを見ていて、すぐ軍に連絡したようです」
入院中のある日、主治医が興奮を抑えきれない様子で浅井のベッドに駆け寄ってきた。「総統からこれが贈られてきました。剣付鷲十字章の勲章です。フォルクスワーゲン1台もプレゼントされました」

医師は箱のふたをうやうやしく開き、大きな勲章を取り出し、浅井に手渡した。
「勲章?」
「ドイツ軍人に与えられる最高位の勲章です」
「なぜそれが私に?」
「退役した将軍があなたを見ていました。炎のなかから一人の少女を救出しようとするあなたの姿を一部始終見ていたのです。将軍はあなたの勇気に感動しました。すぐに司令部に報告し、ヒトラー総統に勲章を贈るよう指示しました」
剣付鷲十字章はドイツ軍人にのみ与えられる勲章である。それが日本の、しかも一民間人に授与されるというのは異例中の異例である。
「私はあなたのような患者を持って幸せです。完全に回復されるまで、どうか十分に休養してください」
医師は赤らんだ頬を輝かせて握手を求めた。

 

以上は1944年の出来事である。
時は流れ流れて、2017年。
中村宜司さんの話。「2017年外務省から当社に連絡がありました。一体何事かと思いましたよ。『また何かヤバいことでもあったのか?!』と(笑)
外務省の職員がこんなことを言うわけです。『ユダヤ人の親子がアサイカズヒコという人を探しています。戦火のドイツ、燃え盛る炎のなかで、自分たちを救ってくれた紳士がいた。何とかして探し出し、あのときのお礼が言いたい、と』
それでお答えしました。『それは確かに、当社の創設者浅井一彦だと思います。浅井はドイツ滞在中、様々な人を救ったということを伝え聞いています』
すると後日、ユダヤ人ホロコーストセンター(Jewish Holocaust Centre)というところから感謝状が届きました」

「我々は浅井一彦博士の勇敢な無私の行動に対し、深い感謝を捧げます。博士は第二次大戦中、二人のユダヤ人女性(Hannelore Hauserとその母Margarete Brummund)をベルリンのアパートで守ってくださいました。彼の記憶に幸あれ」

ヒトラーから勲章を受けたことは、今の時代では「ナチスに加担していたのか!」などと批判の種になりかねない。
そうじゃないですから。
浅井先生は愛の人だった。炎に飲み込まれそうな少女を捨て身で守った。そこにはユダヤ人もゲルマン人もない。ただ、人間愛。それだけです。
僕としては、「戦国武将が現代にタイムスリップすればこんな感じだろうなぁ」と妄想します。
そして、浅井博士が生み出したアサイゲルマニウムは、病気に苦しむ多くの人を救い続けている。
そんなアサイゲルマニウムを多くの人に広めるお手伝いをしていることを、僕は誇らしく思います。

浅井ゲルマニウム研究所の志柿松作社長とこうちゃん。年の差84歳(笑)

 

マスクしてください

2022.8.25

博多駅に着いていきなり知らない人から声をかけられた。「中村先生ですね。ブログ見てます。頑張ってください」

驚きました。実は神戸で声をかけられることはちょくちょくあるんです。ノーマスクで2匹のゴールデンレトリバーを連れてさらに赤ちゃんを背負ってるとなれば、マーカーで標識してるようなもんですから(笑)、僕の記事の読者に気付かれても不思議じゃない。でも福岡には犬は連れて行ってないんだけど、すぐに気付かれました。全国あちこちに僕を知る人がいるわけです。もうエッチなビデオは借りれません(笑)

 

福岡での講演を終えて、博多から新幹線で熊本へ。停車駅を見て、ふと疑問を感じました。

博多駅→新鳥栖駅→久留米駅
これ、おかしいと思いませんか?福岡県→佐賀県→福岡県ですよ?
サンドイッチ状に他県をまたぐこんなイレギュラーな並びって他にないと思う。なぜこんなことになったのか?
佐賀県の知事が「ぜひ我が県にも新幹線を通して欲しい」などと希望して無理やり線路を引っ張ってきたとか?

答えは案外簡単でした。あのあたりは県境がもともと入り組んでいて、そこに新幹線がズドンと直線状に通っているものだから、たまたまそういう並びになっただけなんですね。

九州滞在中は晴天に恵まれて暑かったですが、福岡も熊本も、道行く人はほぼ全員マスクでした。特に熊本では到着早々、ひと悶着ありました。熊本駅からホテルまでタクシーに乗ったら、タクシーの運転手が2重マスクのコロナ脳の方でした。「感染者が増えてますし、マスクしてください」
こういうとき、皆さんならどうしますか?あ、そもそも皆さんマスクしてるでしょうからこんなこと言われないでしょうね。僕はノーマスクで通しているのでちょくちょくこういう事態に遭遇します。
相手が話す価値のある人なら、議論するのもひとつ。マスクの無意味さについて。PCR陽性=感染者の欺瞞について。でもタクシーの運ちゃん相手にそんな議論をするのは不毛です。無駄なことにエネルギーを使いたくない。
僕としては、マスクしろと言われた瞬間に「車止めて。降ろしてください」と言って、すぐに降りたい。業種が何であれ、こういうコロナ脳の人からサービスを受けたくないんです。彼らとしても今どきノーマスクでふらついている僕のような異常者を乗せたくないでしょうから、僕らはお互い近づかないのがベストですね。
でも残念ながら、今いるのは熊本で、僕にとってはアウェイ。ここでタクシーを降りたからといって、すぐに次のタクシーが見つかるとは限らない。
プライドをとってすぐに降車するか。それとも、実利をとって乗車を続けるか。
どうしたものかと瞬時に言葉が出ませんでした。でも代わりに妻が猛烈に反撃しました。「マスクなんて意味ないよ!」
こういうとき僕は感心するんですね。「議論してあげるんだなぁ。こいつは何て優しい女だろう」って。

これ、僕がちょうど九州にいたときに起こった事件です。
猛暑の8月にも、皆律儀にマスクをきちんとしている。そんななかノーマスクで涼しげにしている人がいれば、なかには反感を持つ人も出てくるだろう。「全員我慢してマスクしてるんだぞ!お前だけ何をやっている!」

マスクに意味があるかないか、なんて段階はとっくに終わっているんです。問題は「空気に従うか従わないか」なんです。
そして「空気に従う人」はワクチンも打っているでしょうから、たとえば新聞にこういう投書をしたりします。

 

コロナが始まってすでに2年半が過ぎました。
最近の僕のテーマは「いかにして省エネで行くか」です(笑)
もはや皆の顔の一部になったマスクを外してあげようとも思わないし、ワクチンを打ちたい人を止めようとも思わない
自分はマスクもワクチンもやらないけれども、やりたい人はやればいい。ただし、強要されそうになったときは話は別です。
タクシーを乗車中、マスクの着用を求められた。これに対して、妻は熱心に言い返していたけれど、僕はもっとスマートにやりたい。たとえば、弁護士に動いてもらえばいい、と考えます。タクシーの車内には運転手の名前を示すプレートがあるし、タクシー会社も分かる。その気になればすぐ訴えられるだろう。

今回の件について、実際に弁護士に聞いてみた。
「こういうもめごとは多いです。スーパー、ジム、公共施設など『マスクしないと利用できません』と掲げている施設はあちこちにあります。
施設管理権とか私的自治の原則というのがあるんですね。『これがうちのルールです!それに同意いただけないなら使っていただかなくて結構です!』彼らはそういう理屈で正当化してくるでしょう。でも、私的自治にも限界があります。あまりにも差別的で不合理なルールは違法です。
実際、マスク着用率がこんなに高いのは日本だけで、同時に感染者数も世界一というデータがあって、日本は国際社会からバカにされています。無論、マスク着用を求めることに合理性はありません。

もっとも、マスクの無意味さを示すこういうデータを突きつけたところで、『うち独自のルールを設定して何が悪い!気に食わない奴は来るな!』という主張を曲げないでしょう。
こうした主張は、アパルトヘイトとか外国人入店お断りみたいな”差別”と親和性が高いんですね。

でも先生、残念ながら現時点での社会通念に従えば、車内でマスク着用を求められることは、不合理で差別的な取り扱いだとまでは裁判所は判断しないと思います。
ただ、ここで大切なのは、社会通念は変わり得るということです。たとえば黒人差別も女性差別も、昔は問題だとすら認識されていなかった。
でも今は違います。それは、個人が抗議の声をあげたからです。そしてその抗議の声を聞いて、社会が過ちを認めたからです」

なるほど、おもしろい議論です。ただ、話が少しずれているようにも思います。黒人として生まれたからには、黒人は一生黒人です。女性も同様です。しかしマスクは違うのでは?
節を屈して妥協すれば、僕はすぐにマスクを着用することができます。呼吸器疾患も皮膚疾患も特にありません。できないのではなく、しないんです。意味のないことはしたなくない。その思いのせいで、こんなふうに揉めるわけです。

「不合理な差別か否か、大きな基準は『自己努力による脱却が可能であるか否か』です。そういう意味では、マスクは自分の意思で着脱可能なので、それによる区別は不合理ではない、という判断は確かにあり得ると思います。
でも私としては、そういう細かい法律論ではなくて、『そんな社会で本当にいいのか?』と皆で考えることが必要だと思います。
おっしゃる通り、人種や性別と違って、マスクは固定された属性ではありません。しかしその反面、差別する側をもしばっています。
『マスクを着けろ』と強要している人に問いたいんです。本当にそんな社会でいいんですか?大人から子供まで、どんな考えを持った人も、どんな施設でも、どんな天候でも、一生顔を覆い続ける、文字通り”息苦しい”社会でいいんですか?と。
欧米では誰もマスクをしていません。でも日本はいつまで続けるのか?逆に、どのような条件ならやめられるのか?このマスク社会を続けることで失われるものについて、無視し続けたままでいいのか?
そういうことを一人一人が考え、議論し、前に進むことが大事です」

なるほど。差別は、差別される側だけでなく、差別する側をも縛っている、というのがおもしろいです。

「属性が固定化されてないので、自分の選択次第で、差別者/被差別者が入れ替わる(あるいは転落する)んですね。ノーマスクやワクチン非接種を叩いている人たちは、自分たちがいじめてきた側なので、いじめられる側に落ちたくないんです。
実際、差別は差別している側の権利保障をも大きく後退させます。ノーマスク批判やワクチン非接種批判は自縄自縛です。なんというか、『もう意地張らないでいいから戻っておいで』と言ってあげたい気になります(笑)

国土交通省はマスク乗車時のマスク着用を呼び掛けています。それどころか、「マスクしてない客の乗車を拒否してもいい」というお墨付きまで与えている。同じような動きが宿泊施設にも見られて、宿泊施設はマスクしてない客の宿泊を拒否できます
「私的自治」を金科玉条のごとく放置していると、あたかもマスク着用が社会通念になります。やがて法改正されて、真正面から制約されます。不当なルールに黙って唯唯諾諾と従い続けるとどんどん自由が削られる、ということです。

分かっている人には分かっていることですが、マスクはあくまで踏み絵です。マスク、アクリル板、ワクチンパスポート。非科学的なカンセンタイサクを、民間が好んで推進しているわけです。すると、行政は自らの手を汚すことなく規制を進められます。憲法改正を含めた法改正の土壌となる社会通念を形成できます。
この踏み絵に少しでも多くの人が気付き、疑問の声をあげないと、最終的には家畜のように管理される社会が実現するかもしれない。
そういう意味で、今回先生がタクシーの車内でマスク着用を求められたことは、声をあげるチャンスです。ただ、裁判所は私的自治の領域に入っていくことについて極めて消極的です。弁護士の私が言うのも何ですけど、裁判所とかの権力に安易に頼るものではありません。ブログに書いて世間に訴える、ぐらいにとどめておきませんか?(笑)」

 

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