麹がいかに体に良いか、過去の記事で複数回にわたり紹介した。
麹の効能1
https://note.com/nakamuraclinic/n/n42b182eda965
麹の効能2
https://note.com/nakamuraclinic/n/nbfec5683e5a6
麹の効能3
https://note.com/nakamuraclinic/n/nabfe1496dac5
麹の効能4
https://note.com/nakamuraclinic/n/n30dd6700fa5e
麹の効能5
https://note.com/nakamuraclinic/n/nbdec244e566e
麹の効能6
https://note.com/nakamuraclinic/n/nbdcd2e0ae872
麹の効能7
https://note.com/nakamuraclinic/n/nfaab04881a9f
これらの記事はすべて、『麹親子の発酵はすごい』(山元正博、山元文晴著)の内容を踏まえたものだった。
今回、鹿児島に来たそもそもの目的は、僕がリスペクトする『麹博士』山元正博さんにお会いすることだった。お会いして、ゲルマニウムの魅力を伝えたいと思っていた。浅井ゲルマ研究所の中村宣司さんと永田さんと一緒にお邪魔して、こういうことをお伝えした。
「この論文をごらんください。2019年に中村さんのチームが書いた論文ですが、内容としては、アサイゲルマニウムとコウジ酸の併用により、それぞれの単独使用よりも能率的にメラニン産生を抑制するというものです。
この図が分かりやすいかと思います。まず、シミがどんなふうにできるのかということですが、チロシンというアミノ酸にチロシナーゼが作用して、Lドーパができ、これにまたチロシナーゼが作用してドーパキノンができ、これが代謝されてメラニン色素になる。これがシミのもとになります。つまり、メラニンの合成を抑えてやれば、シミが消えることが期待できます。
まず、コウジ酸はチロシナーゼの活性を抑制し、Lドーパの産生やドーパキノンの産生を抑制することで、メラニン合成を阻害します。
一方、アサイゲルマニウムは、コウジ酸とは別の作用機序でメラニン合成を阻害します。具体的には、Lドーパとの相互作用です。
つまり、コウジ酸、アサイゲルマニウム、それぞれメカニズムは違いますが、いずれもメラニン合成を抑制するという点では共通しているわけです。
作用機序が同じようなものを併用すれば、効果はせいぜい相加的になるにとどまりますが、作用機序が異なるものを併用すれば、相乗的な効果が期待できます。
そこで、コウジ酸とアサイゲルマニウムについて、単独使用の場合、併用の場合とで、その効果を比較しました。結果が以下のグラフです。
まず、(A)のグラフをご覧ください。細胞外のメラニン量は、アサイゲルマニウムの投与量依存性に減少していきます。コウジ酸についても、投与により細胞外メラニン量が減少します。
これらの併用でどうなるか。それを検証したのが(D)のグラフです。ゲルマニウムの増量、コウジ酸の増量によって、それぞれ細胞外メラニン量が減少します。つまり、相乗的に作用しているということです。
アサイゲルマニウムがどのようにしてLドーパに作用するのか?この作用機序についても詳しく調べています。
右上のTHGPがアサイゲルマニウムです。Geの周りに水酸基(-OH)が3個もついています。ここが反応性の高い部分で、たとえばシス-ジオール基(隣接する-OHを2個持つ箇所)と結合します。シス-ジオール基の例としては、カテコラミン(ドーパミン、ノルアドレナリン、アドレナリン)やATPはシス-ジオール基を持っています。アサイゲルマニウムには鎮痛作用がありますが、それはATPとの結合によるものです。
アサイゲルマニウムはこのシス-ジオール基と結合するため、Lドーパが基質として認識されません。結合している間は酸化が進まない。つまり、ドーパキノンにならない。結果、メラトニン産生が抑制されるということです。
さらに言うと、ビタミンCもメラニン抑制に効くことは有名です。先の作用機序の図で言うと、ビタミンCはドーパキノンを還元しLドーパに戻します。ビタミンC投与で美白になるのはこのメカニズムによります。
そこで、僕としては、アサイゲルマニウムと源麹研究所の麹がコラボして、何らかの美容アイテムが作れたらおもしろいんじゃないかなと想像しています。
僕はここ数年アサイゲルマニウムを臨床で使ってきました。その効果はすばらしいものです。また、山元さんの本を通じて、また自分の体感を通じて、麹のすばらしさも知っています。この両者がコラボすればすばらしい化学反応が起こると思っています。
シミに悩む女性の助けになるのはもちろんですが、メラノーマなどの皮膚癌への効果も期待できると思います。というのは、メラノーマ細胞を使った上記の研究できっちり結果が出たので」
このプレゼンに対して、前向きに話を進めていきましょうということになりました。アサイゲルマニウムと麹のコラボ商品が、近いうちに完成するかもしれません。
美肌を求める女性にとっての”最終兵器”になると思います(笑)
源麹研究所を後にする際、見送りに来てくれた山元さんが「温泉に行くのならここがいい」というところを紹介してくれた。「客はほとんどが地元の人。いい温泉ですよ」
さらに、源麹研究所の販売コーナーに勤務する女性に、どこかおいしい飲食店を聞いたところ、オススメを教えてくれた。
源泉かけ流しのお湯が、1日20リットル以上も流れているという。湯船につかりながら、何かすごいもったいない気がした。「こんなにいいお湯があふれている」と山頭火みたいなフレーズが頭に浮かんだ(笑)
お湯は飲用可能。飲んでみると少しミネラルっぽい味がする。いかにも体によさそう。湯から上がって、涼んでいたけど汗が止まらなかった。代謝がものすごいよくなったみたいだ。
こんなにすばらしい温泉が1回300円。地元の人はふらっと来て、当たり前に使っている。なんてうらやましい。
コロナ前、2019年だったか、栃木県に行って、ある温泉に入った。別に体が温まればどこだってよかった。何の期待もしてなかった。そもそも温泉が目的の観光じゃなかったから、何の下調べもせず目についた温泉にテキトーに入ったのだけれど、それがとても気持ちよかった。湯上りがあまりにも爽快で、こんな気持ちのいい感覚を味わったのは初めてのことだった。ぜひとももう一回入りたいと思ったので、神戸に帰る直前にまた同じ温泉に行ったほど。
この栃木の温泉が自分史上最高の温泉だったけど、今回の鹿児島で入った温泉は、それと甲乙つけがたいほどすばらしかった。
温泉を出た後、地元の人オススメの居酒屋に行ってみた。
さて、まずは飲み物から、とメニューを見ると、品ぞろえは多くない。ビールか焼酎。焼酎は一種類だけ。「じゃ、これで」と注文すると、店員が「ボトルだとお得ですよ」という。「いくら?」「1800円」
安いなぁ。でも、せっかく旅行に来てるんだから、高くてもいいからもっといい焼酎が飲みたいんだけど。魔王とか森伊蔵とか。でも一種類しかないんなら、これでいくか。
という感じで、飲んだんだけど、何も問題なかった。問題ないどころか、めちゃくちゃうまかった。いかにも「イモ」って感じの澄んだ香り。これを「森伊蔵です」とか言って出されても、何も気付かず「やっぱりうまいなぁ」って飲んでたと思う。
多分、全国的な知名度という意味では誰も知らない焼酎だろう。でも、うまい。これが1ボトル1800円ってあり得ない。
料理もうまかった。黒豚の煮込んだの、絶品だった。
温泉もそうだけど、地元の人は最高のものを、当たり前みたいに、ごく安い値段で享受している。この焼酎、東京なら10倍の1万8千円でも全然おかしくない。温泉も、これだけすばらしいのが都会にあれば、2000円の入浴料でも客が殺到すると思う。
ちなみに、九州の焼酎がおいしいのは、先ほど行ってきた源麹研究所の河内源一郎博士(1883~1948)のおかげです。焼酎を作ってる酒造業者は河内博士のお墓に足を向けて眠れないはずです(笑)
それと、鹿児島の豚肉がおいしいのは、山元正博さんのおかげです。山元さんは豚の飼料に麹を配合することで、豚肉の肉質向上と養豚場の糞尿による悪臭の軽減に多大な貢献をしました。
今回の旅行で、鹿児島は何て豊かな土地だろうと思いました。自然環境の豊かさもさることながら、そこに暮らす人々の創意工夫が生活をより豊かにしている。島津家がイギリスと互角に渡り合えるほど強かったのも、こういう豊かさが背景にあったんじゃないかな。