
今、僕が強く思うことは、何とかして自閉症を治せないか、ということです。ゲルマニウムがそのための有力な武器であることはもちろんです。しかし、こういうゲルマ臨床報告会の場で言うことでもないですが、それ以外の手段を併用してもいいと思っているし、ゲルマ以上に有効なサプリなり栄養素なりがあるのであれば、そっちに鞍替えしてもいいと思っている。僕は別に、ゲルマ教の信者というわけではないので。現状、ゲルマ以上に効果があるものはありませんが、とにかく、僕としてはゲルマにこだわることなく、とにかく自閉症を治したい、発達障害を何とかして治せないか、この一事を思っています。
それから、そもそもですが「自閉症を治す」とは何なのか。
自閉症の一症状、たとえば癇癪(感情爆発)を治すことができれば、それは自閉症改善への一歩だと思います。

言葉の理解が乏しい9歳男児が、しょっちゅう癇癪を起こすので、学校の担任もお母さんも困っている。この子がゲルマニウムを飲み始めた。すると、その2か月後。

感情を爆発することがなくなった。それどころか、自主的に公文に取り組むようになった。お母さんはとても驚きました。「こんなの、あり得ない変化です」と。
癇癪が見事に治ったわけです。
ゲルマは一般に、若ければ若いほど効果が出るのが早いし、その有効性も顕著です。しかし、成人にももちろん効きます。

ワクチン後遺症を主訴に来院した37歳女性ですが、この方にゲルマを処方した。その3か月後、予想外の効果がありました。

この方は、自分のことをいわば「キレキャラ」だと思っていた。自分の思い通りにいかないと、親相手ならペットボトルを投げつけてブチ切れたり、仕事でうまくいかないと周囲に当たり散らしたりする人だった。しかし、ゲルマを飲み始めて3か月、そういう衝動が自分の中から消えていることに気付いた。もともとADHDの診断で、コンサータやインチュニブを飲んだことがある人で、その効果も実感している。しかし、「体に悪いからできるだけ飲みたくない」という人だった。まさか、処方薬ではない、アサイゲルマニウムというサプリで癇癪が治ったものだから、本人にとっても驚きだったという症例です。

クスリで無理やり鎮静をかけたわけではありません。ゲルマは、もっと深いところ、自閉症の根本、脳の情報処理の特性に対して作用したと思われます。
もうひとつ、こんな事例があります。

言葉は単語しか話せない6歳男児で、思い通りにいかないと足を踏み鳴らしてキレたり、外に飛び出してしまう。排便のコントロールにも困っている。ゲルマを飲んで、2カ月で効果が見えてきました。

ひとつ、お母さんがおもしろいことを言っていました。「ちゃんと怖がるようになった」と言うんですね。

たとえば、以前はジェットコースターに乗っても平気だった。でも、そういう絶叫マシンを怖がるようになったというんですね。
これは決して退行ではありません。この子は明確に発達の段階を進んでいます。

自閉症では、高所や車を恐れない、痛みへの反応が薄いという性格特性があります。「危険認知が弱い」ということです。この特性が、ゲルマを数か月飲むことで、着実に改善している。「ちゃんと怖がるべきものを、怖がるようになった」ということです。
自閉症をどうすれば治せるか。現状、「こうやれば治る」という絶対の一手はありません。それをぜひとも見つけたいと思っているのですが、僕も研究している最中です。しかし、「これをやると自閉症が悪化する」というのは分かっています。それは、ワクチンです。

「生後30日以内にB型肝炎ワクチンを接種した児」と「生後30日以降に接種した児あるいは非接種の児」の自閉症の発症率を比較すると、前者は後者よりも自閉症の発症率が1135%高かった。あまりにもあからさまな数字が出てしまったため、研究を主導したCDCは社会的インパクトを考慮して、因果関係が見えないようにして公表した。かつてはそんな捏造が平気で行われていたわけです。

しかし、今は時代は変わりました。保健長官にケネディが就任し、トランプ大統領はMAHA(Make America Healthy Again「アメリカを再び健康に」)を標榜している。かつては1万人に1人だった自閉症が、30人に1人が罹患しているというこの状況を本気で改善しようと思っていて、自閉症の根本解決に取り組み始めた。
今年9月にマスコミを前にした記者会見で、自閉症の原因として、タイレノール(解熱薬)に言及があったことは、僕にも意外だった。
たとえば、こんな流れがあります。

ワクチンを打つと発熱することが多い。特に3種混合とか5種混合とかだと、発熱は高頻度で起こる。そこで、解熱薬の出番です。「熱が出て可哀そうに」という親心がアダになり、いよいよ本当に自閉症になってしまうという流れです。

シュテファン・シュルツという研究者がいます。我が子のネイサンが生後13か月のとき、泣いて嫌がる我が子を押さえつけて、MMRワクチンを打った。看護師から「接種部位が痛むので、4時間おきに飲ませてください」とアセトアミノフェンの甘い液体を渡された。不必要な痛みを与えたくない親心から、律儀にそれを実行した。
「それは私が人生でした全ての行為の中で、最大の愚行だった。解熱薬を飲ませても、ネイサンの体調はよくならない。それで医者に連れて行くと、「よくあることです。今まで通り、アセトアミノフェンをしっかり飲ませてください」というので、私は与え続けた。
ネイサンはずっと不機嫌で、泣き叫び、ひどい下痢をした。やがて、腹部にははしかの発疹が出てきた。気の毒に思って、私はますますアセトアミノフェンを飲ませ続けた。
ワクチン接種から3か月後、ネイサンがしゃべらないことに気付いた。
椅子から降りたそうにそぶりをしたので、私は「『ジュース』と言えば降ろしてあげるよ」と言った。生後13か月の時点で、ネイサンは10個ほどの言葉を話すことができた。『ジュース』もそのひとつで、話そうと思えば話せる言葉だと思った。でも、しゃべろうとしない。意地を張っているのだと思って、私も負けまいとして椅子から降ろしてやらなかった。それで、ネイサンは30分以上も泣き続けた。
今になって、私はたまらない気持ちになる。彼は意地を張っていたのではない。すでに言語能力を失っていたのだ。
そう、それは私の知るネイサンではなかった。おもちゃを見ても手に取ることもない。公園に行っても遊具に興味も示さない。ワクチン接種と解熱薬により、私の知るネイサンはどこかに行ってしまったのだった」
(『My Quest for Nathan』 Stephen Schultz著 )
この人は研究者だった。それで、なんとかして息子の自閉症を治したいと考えた。なぜワクチンがよくないのか、また、なぜアセトアミノフェンがよくないのか。そのメカニズムを解明してやろうと心に決めた。どこかに行ってしまったネイサンを取り戻すために。

頭痛、生理痛など、不快な痛みを消すためにアセトアミノフェンを飲む人はたくさんいるでしょう。成人の場合、アセトアミノフェンの60%は肝臓のグルクロン酸抱合で、30%は硫酸抱合で処理されます。残り10%は肝臓のCYP酵素で処理されますが、ここで毒性物質NAPQIが生じます。少量ならグルタチオンで解毒されますが、グルタチオンの貯蔵の少ない小児では解毒しきれず、毒性が出ます。
これらは処理経路ですが、そもそもアセトアミノフェンの解熱鎮痛効果はどのように発揮されるのかというと、

アセトアミノフェンが肝臓で p-アミノフェノールになり、これが酵素FAAHの働きでアラキドン酸と結合し、AM404という物質が生じる。これが解熱鎮痛作用の核心です。AM404がエンドカンナビノイド系のCB1受容体に作用して、鎮痛効果を発揮します。
意外ではありませんか?
エンドカンナビノイド系(ECS)という、大麻とかCBDオイルを語る文脈で出てくるワードが出てきたので、僕は新鮮な驚きを感じました。「ここでこれが出てくるか」と。僕は臨床CBDオイル研究会のボードメンバーでもありますが、アセトアミノフェンの鎮痛作用にCB1受容体が関係していることを、恥ずかしながら知りませんでした。

ECSにはCB1受容体とCB2受容体があって、非常にざっくりいうと、CB1は神経とか気分、CB2は免疫に作用します。
アセトアミノフェンの代謝物AM404は、CB1を刺激することで、ワクチン接種による発熱は解熱するのですが、

あまりにも大量のアセトアミノフェンを飲むと、CB1への過剰刺激が起こり、ECSが混乱します。CB2は本来、免疫のブレーキ役で、過剰な炎症を抑制する作用があるのですが、CB2の機能が低下し、炎症を抑えることができず、慢性的な炎症がくすぶり続けます。特に、小児であれば、CB1の過剰興奮で、神経細胞が適切に成長することができず、それが自閉症の発症につながります。
このAM404の分子構造を見て、CBDオイルの作用機序をかじったことがある人なら必ず「アナンダマイドに似ている」と思うはずです。

脳内で生成される内因性カンナビノイドで、幸福感、リラックス効果、記憶力増強、鎮痛作用などがある物質ですが、AM404があるとアナンダマイドが効きにくくなります。

細かい機序はともかく、要するに、アセトアミノフェンにより、AM404という物質ができて、このせいで適切な神経発達ができないということです。
それと、もうひとつ。ケネディが記者会見の場で、自閉症治療の有効な手段としてロイコボリンを挙げていました。

ケネディいわく「自閉症児では脳性葉酸欠乏症が起こっているが、これにロイコボリンが有効である」と。
ロイコボリンというのは活性型の合成葉酸のことで、一般名としてはフォリン酸といいます。

そもそも葉酸は、食べ物に含まれる天然型では、フォレートという形で入っています。サプリでは、フォリックアシッドという合成の葉酸が使われています。医薬品のフォリアミンも同じで、二分脊椎とか先天奇形を予防するために妊婦に推奨されるけど、これ、妊婦が飲み過ぎると、その子供はアレルギー性鼻炎とか消化管アレルギーになりやすくなる。合成の葉酸は避けたほうがいい。

ケネディの勧めるフォリン酸も合成葉酸には違いないけど、自閉症ではこれが効く。どういうメカニズムかというと、

自閉症児では、葉酸受容体に対する自己抗体ができている。そのせいで、普通の葉酸を細胞内に取り入れることができない。そのせいで、正常な神経発達ができない。しかしフォリン酸は、葉酸受容体を介さないで細胞内に取り込まれるので、脳内に葉酸を届けることができるというわけです。

葉酸はメチレーション(メチル化)の回路を回すのに必須です。メチレーション回路とは、非常にざっくりいうと、ホモシステインの毒性をいかにキャンセルかの回路です。ホモシステインは、動脈硬化、アルツハイマー、自閉症とも関係しています。
メチレーション回路が回ることで、神経伝達物質の合成、DNAのメチル化、ミエリン(神経鞘)形成、免疫調整などが行われますが、葉酸がないとこれがうまくいきません。
さて、上記のように、自閉症はECS異常が原因という説と、葉酸受容体の異常が原因という説、二つの説を紹介しましたが、いったいどっちが正しいのでしょうか。

実際のところ、両者は矛盾せず、両立します。
僕の興味は、これらの説のなかに、どのようにアサイゲルマニウムが絡んでいるか、ということです。

ゲルマニウムは、インフラマソームを抑制するなど、抗炎症作用があることが分かっていますが、自閉症への著効ぶりをみれば、「抗炎症作用」の一言で片づけられるはずがないと思っています。抗炎症作用というだけなら、副腎皮質ステロイドにもバファリンにもある。でもステロイドを飲んで自閉症が治るかというと治るはずがない。だから、ゲルマには、もっと解明されるべき、未だ謎の機序があるはずです。

メカニズムがもっと明らかになれば、ゲルマとCBDオイル、ロイコボリンの併用により、もっと能率的に自閉症を治すことが可能になると思います。
僕は一臨床医なので、研究の分野にまで手を出せませんが、ゲルマ研究所の皆さん、ぜひ頑張ってください(笑)


