2023年4月

2023年

夫婦の愛憎

2023.4.7

50代女性
2022年11月11日初診
「去年3月、急に背中にぶつぶつができてかゆくて、しかもめまいがするようになって、体調がおかしかった。娘が2人同居してるんですけど、生理が乱れて不正出血して。何か変なにおいがするし、ひょっとしてと思って、夫に『3回目打った?』って聞くと、居直って『打ったよ』って。ずっと『打っちゃダメ』って言い続けてきたのですが、何も届いていなかったんです。
ワクチン、最初は私も打つつもりでした。でも娘が『これ読んで』って、先生の本『コロナワクチンの恐ろしさ』をくれて、読んで、『ああ、これは危ない。やめておこう』って、予約をキャンセルしました。夫にも本を見せたけど、全然分かってくれなくて、夫はきっちり2回打ちました。でもまさか3回目は打たないだろうって思っていたら、家族に黙ってこっそり打っていた。
上の娘は喘息とアトピーがひどくなって、タイミング的には夫からのシェディングのせいだろうって思います。
去年8月、私、熱が出てダウンしました。コロナのせいかシェディングのせいか分からないけど、イベルメクチンを飲んで解熱しました。ただ、その後しんどさがずっと続いています。
夫のシェディングの悪影響を受けて以来、“スイッチ”が入ったのかも、って思います。きのう、4回目を打ったばかりの人と30分ほど狭い部屋で話していたのですが、ほら、見てください。手首にこういう紫色のあざができました。主人が3回目を打ったときも同じところにあざが出ました。イベルメクチンを飲むと翌日には消えました。あまり信者みたいに思われると嫌ですが、イベルメクチンは確かに効きますよ。
夫が3回目を打ったことについて、当然私と娘は怒りました。本人にも『迷惑だ』とはっきり伝えました。でも本人にはまったく響いてないようです。
シェディングの影響を実際に経験したことで、私と娘は最大限の警戒をしています。夫が入った風呂は、すぐに流して、またお湯を入れ替えます。先生、どの程度気を付けるべきですか?たとえば鍋をするとき、夫が箸を鍋に突っ込んでもいいものでしょうか?接種者から出ているスパイクタンパクかエクソソームか何か知りませんけど、日光に当てるとか煮沸とかで消えますか?EM菌がいいというのをツイッターで見ましたけど本当ですか?」
2023年4月1日再診。
「先日、散髪に行ってきた夫が家に帰ってくると、私、急にむかむかと気分が悪くなって、立っていられなくなりました。おなかも痛くなって、ちょうど食事を作っていたのですが、中断して横になりました。60数年生きてきて、そんなのは初めてのことです。1時間半ほど横になってようやく回復しましたが、一体何だったのか?こっそり4回目を打ってきたんじゃないかって勘ぐっています。
夫が帰ってくると、家族全員の体調が悪くなります。家じゅうの窓を開けて、換気扇を回します。私は、フルボ酸とゲルマを毎日飲んで、ひどいときはイベルメクチンも飲みます。
最近、夫が気付きました。自分が入った後のお風呂には誰も入らないことに。すると、夫はすねました。自分が一家の汚物扱いされいていることに、不愉快になって、2階の自室から降りてこなくなった。60過ぎたオッサンがすねるっていう(笑)
シェディングはだんだんひどくなっています。接種から時間が経てば軽減するって話がありますけど、本当ですか?私の体感としては、延々出続けていると思います。夫の体から。何が出てるのか知らないけど。
足の指にしもやけができました。小学校低学年以来のことですよ。紫色になってしびれ感があって、触ってみると自分でもびっくりするほど冷たくて。
EM菌のスプレーをあちこちにまいています。壁についたものを分解するせいか、多少マシになりました。
夫の体臭が、変な香水みたいなにおいがする。そのにおいをかぐと、私、動けなくなります。イベルメクチンを飲むと、症状はマシになります。夫が4回目を打ってきたのか、それともシェディングのシェディングなのか、分かりません。
家で猫を飼っているのですが、猫が激しく咳をして、嘔吐さえしました。
ここ最近、夫の精神状態が普通ではありません。ものすごく怒りっぽくて、私の言ったことがちょっとでも気に障ると、けんかを吹っ掛けてきます。口論して、私が大人になって何とかひと段落させても、2時間ほどしてから『さっきのことだけど』ってまた口論を挑んでくる。中学生かよ、ってあきれています。
別居か、あるいは離婚を真剣に考えています。私や娘の体調不良もありますし、それに、精神状態がもう、私が知っている夫とは別人のようになっているので、生活をともにするパートナーとしては考えられないなと」

60代女性
2023年4月5日来院
「夫は5回打ちましたが、体調はまったく問題なくて元気そのものです。悲しいことに。
5月から6回目が始まるということですけど、多分打ちます。私としては、早く案内状が来て欲しい。6回でも7回でもどうぞ、って感じです。
夫はバカなので、テレビを信じています。35年連れ添った人ですが、今、ほぼ別居状態です。私は1階、夫は4階に住んでいて、会うのは2,3日に1回数分ほど。それぐらいならシェディングは受けません。
特に夫婦仲が悪いというわけではありません。いいも悪いも、35年も一緒にいれば、それなりの関係性と距離感に落ち着くものです。
夫は結婚して2,3か月で急変しました。多分、サイコパスだと思う。人の気持ちが分からない。だから、話し合いなんてできない。結婚するまでは私に合わせていて、彼の本性を見抜けなかった。結婚して2か月ぐらいで本性を現して、急に変わった。大変なストレスで、よく自殺しなかったなって思います。辛すぎて、今でも当時の記憶にふたをしてる。
一人息子が自立して、もう夫と『家族』を演じる必要はない。それでやっと平和になりました。
夫とは普通に話しますよ。特に愛情もないけど、かといって、邪険にするわけでもない。ただ、先生だから言いますが、忘れていませんよ。30数年間、どれほどの苦しみを味わってきたことか。私の気持ちを何ひとつ理解しなかった。その悲しさ、苦しさ、絶望感。
『殺したいくらいに憎いのか』と聞かれれば、そうです。殺したい。絶対許せない。でも『実際に殺すのか?』といえば、もちろんしない。そんな大それたことはできません。
そんなときに、コロナ禍になり、コロナワクチンを打てという話になりました。私はSNSでこのワクチンがいかに危険なものか知っていました。しかし夫はテレビしか情報ソースがありませんから、ワクチンがいいものだと信じています。私は、内心小躍りしました。『打って、死ねばいい』そう思いました。
なんというか、これほど大義名分の立つ殺人ってありません。あのワクチンは、コロナにかからないために、という感染対策でもあれば、人にかからせないために、という公衆衛生的な意味もある(ことになっている)。しかし同時に、死亡リスクもある。私はそばで、ワクワクしながら夫の体調の変化を観察すればいい。『早く死なないかな』って。
私にとって想定外だったのは、シェディングのリスクです。まったく軽視していました。夫が3回目を打ったとき、ひどい目にあいました。全身の蕁麻疹と、ひどい下痢。私は胃腸はかなり強いほうです。腐ったものを食べてもおなかを下しません。でも、法要でお坊さんが来て3時間ほど夫と一緒にいたとき、蕁麻疹と下痢で苦しみました。同じようなことが3回ほどあって、シェディングの存在を確信しました。『これは本当にヤバいな』と。
夫は5回打ちました。しかし、待てど暮らせど、夫はピンピンしたままです。なぜでしょうか。私が思うに、夫は近所のクリニックで打っているのですが、そこのクリニックから重傷者は誰も出ていないみたいで、ワクチンの管理が悪いんじゃないかと思います。冷凍保存すべきところ、温度管理がテキトーなせいで、毒性が弱まっているのかもしれない」
35年間、僕には想像もできない心労があったんだと思う。でも、それが体によくないものであることを知りながら、それを止めないのは未必の故意で、多分、何かの罪に該当すると思いますよ。
「こういう人は私以外にもたくさんいると思いますよ。愛情の冷めきった夫婦で、かといって、離婚するでもなく、なんとなくずるずると「夫婦」という形を続けている人。私は夫にワクチンを勧めたことはありません。夫が勝手に打っているんです。自分の意思ですよ。私はただ、そばで様子を見ているだけです。熱烈に、彼の変化を期待しながら。
もちろん、こんなことは表立っては言いません。仮に夫が亡くなったら、私、涙を流しながら「素敵な夫でした」って言うと思う。
私の実家のお手伝いさんが、しょっちゅう旦那さんの悪口を言っていました。やれ思いやりがないだの自分勝手で我がままだの散々言ってて、いざその旦那が亡くなったとたん、毎日「本当にいい人でした」って言ってて、それで私は学びました。『悪口言ってるからといって変な相槌は打たないようにしよう』と」
怖いね、女性の二面性。
既婚者の男性諸君、奥さんには優しくしといたほうが得策ですよ(笑)

 

素敵なプレゼントを贈るには

2023.3.22

オー・ヘンリーの『賢者の贈り物』、知ってますか?
ある貧しい夫婦がいた。妻は自慢の美しい髪をばっさりと切り、それを売って金を工面しプラチナの時計鎖を買った。もちろん、夫のためである。夫には何より大切にしている宝物がある。夫の祖父の代から受け継がれた懐中時計だ。妻はそれにふさわしい時計鎖を、夫へのクリスマスプレゼントとして用意したのだった。
一方、夫が妻のために買ったプレゼントは、髪留めだった。亀甲でできた宝石の縁取りのあるきらびやかな櫛で、妻の髪の美しさをさらに引き立てるはずのものだった。裕福ではない彼にとって、それを購入するのは簡単なことではなかった。そこで彼は、祖父から受け継いだ懐中時計を質屋に売り、髪留め購入の資金に充てた。
妻の美しい髪。夫の懐中時計。
夫婦がお互いを思うばかりに、家の二つの宝が台無しになってしまった。しかも悲しいことに、お互いにもはや無用なプレゼントを贈り合った格好である。ショートカットになった妻にとって髪留めは不要であり、先祖代々の懐中時計を売り払った夫にとって時計鎖は不要である。しかし、不要なものを贈り合ったにもかかわらず、夫婦の絆はかつてないほどに深くなりました、という話。

こんなに美しいすれ違いは小説だからこそで、現実にはなかなかないだろうけれど、ここには教訓がある。それは、プレゼントのあるべき形についてである。つまり、贈り物は、どんなものをあげれば喜ぶだろう、どんなものをあげればこの人の魅力が高まるだろう、などと相手のことを深く考えてするべき、ということだ。
夫は懐中時計を誇りに思っている。その誇りを一層高めるものは何か。そこから妻が考えたのが、プラチナの時計鎖だった。
妻の美しい髪。その美しさをさらに引き立てるものは何か、と夫が思いを馳せたときに出てきたのが、髪留めだった。
そういう思いやりのこもった贈り物は、決して失敗しない。万が一、上記のようなすれ違いが起こったとしても、そのすれ違いゆえに、お互いの愛が深まることになる。

昔、伊集院光がラジオでこんなことを話していたことが印象に残っている。うろ覚えだけど、ざっと書くと、
ある後輩芸人から誕生日プレゼントとして、びわゼリーをもらった。「なんでびわゼリーなの?」「いえ、なんでってこともないですけど」
伊集院、この答えにキレた。
あのさ、お前仮にも芸人なんだろ。何かおもしろい意図があるとか、ネタとしての伏線があるとかなら分かるよ。あるいは俺がびわゼリーが好きだとして、それをどこかで聞きつけて特別に用意したとか、そういうのなら分かる。でも何の考えもなく、ただ何となく、びわゼリー。デブだから甘いもん贈っときゃ喜ぶだろう、程度の考えだろう。ふざけるなよ。
なるほど、と思った。
僕は貧乏性だから、もらえるものは何でも「ありがとう」でもらっちゃうんだけど(笑)、こういう姿勢って、考えてみれば節操がないよね。何を贈られたかによって、喜ばない場合もあり得るし、何なら不快感を表明したりキレたりする。これはちょっとしたダンディズムだね。
ものをもらって、条件反射的に「ありがとう」の一択では、何というか、贈ったほうも鍛えられないと思う。「ものをくれてやったんだから喜べ」は、むしろ贈る側の傲慢だとも言える。贈る側にも多少の緊張感があったほうがいい。
プレゼントをあげるというのは、ものをあげるんじゃない。気持ちをあげることなんだ。だから、明らかに気持ちがこもってないものをもらったときには、不快になってもいいのだ、ということ。
これはちょっとした発見だと思った。
伊集院はもともと三遊亭円楽の弟子で、落語界は上下関係、師弟関係が超絶厳しい世界だから、たとえば師匠に何か贈り物をするときには様々なセンスや気配りが必要だった。ものをひとつ贈るにも、喜ばせるだけの気遣いを見せろ、と。そういう世界で鍛えられた経験って、社会に出てからの人付き合いなんかにすごく生きそうだ。

最近流行りのchatGTPに聞いてみた。

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なかなかいい線いってる。
そう、まず第一に、相手の好みを考える。それが原則だけど、意外なところで、3.手作りの贈り物をする、というのもおもしろい。しかし、「手編みのマフラー」というのは昭和の発想やねぇ(笑)AIはどこのデータを学習してこんな答え言うのかな。完全に間違いとは言わないけど、そんなに親しくないのにいきなり手編みのマフラー贈られたら、男は確実に引きますよ。

序破急って言葉があるけど、相手のことを知り尽くし考え抜いたうえで、まったく相手の趣味嗜好と別のものを贈る、という高等戦術もあっていいと思う。
誰だったか、「あるプレゼントをもらったとき、特に自分の趣味ではなかったはずなんだけど、『ああそうか、俺はこういうのが好きだったのか』と逆に気付かされるようなもの、あれはうれしいですね」と言ってて、ハッとした。なるほど、そういうプレゼントもあるんだなと。
以下、僕が最近もらってうれしかったプレゼントを紹介します。

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うつみんのところで仕事をしているイチコさんが「あっちゃん、これ、沖縄のプレゼント」といって、豆腐ようをくれた。
豆腐よう?何それ?全然知らなかったけど、食べてみるとうまかった。珍味だからちょっとずつ食べるものだけど、あまりにもうまいので、ばくばく食べてしまった。
調べてみると、島豆腐を麹で発酵させたものだという。豆腐を発酵、っておもしろいね。「豆腐と納豆は逆」という俗説を知っていますか?「納豆は大豆を腐らせたもの、豆腐は大豆を煮て潰して豆乳にして箱に納めたもの、つまり、納豆こそ豆腐であり、豆腐こそ納豆だった」という話。もちろんこれは事実ではないけれども、豆腐という字面に引っ張られてしまうから、「豆腐を発酵させる」という表現が新鮮な感じがする。
しかしあまりのおいしいので、イチコさんからもらったものを食べきった後、自分でネットで買った。以来、ときどき思い出しては注文している。

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アサイゲルマニウムの代理店『ビレモ』の永田さんが、あるとき「どうぞ」とカラスミをくれた。
カラスミはボラの卵巣の塩漬けで、昔から珍味として有名。有名なだけあって、食べてみると確かにうまい。うまいから、止まらなくなる。珍味だから、「これで腹をいっぱいにする」というようなものでないんだけど、止まらない。
うまさを実感して以後、これも僕の『お気に入り』リストに加わることになった。

昔、健康雑誌『安心』に寄稿していたことがある。ある編集者さんが僕のブログを見て、「何か書いてもらえませんか」とオファーをくれたのだ。僕としてはこんなに光栄なことはない。連載は1年くらい続いたと思う。
https://clnakamura.com/blog/5044/
連載は終わったけれども、この編集者さんとは今でもちょくちょく連絡をとりあっている。神戸に来たときには一緒に食事をしたり。
その編集さんが、こんなプレゼントをくれた。

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生コショウのオリーブ油漬け。食べてみると、うまい。辛いのでばくばく食べられるものではないけど、口の中で辛みがひくと、また食べたくなる。不思議と癖になる味。「そうか、コショウというのは、おいしいのか」と気付かされた。これは明らかに発見だった。コショウというのは、本来何か料理の上に振りかけるものでしょ。それでその料理の風味を引き立てる、あくまで脇役の存在だと、誰しもそう思ってる。でもこのコショウを食べれば、そうじゃないと気が付く。食ってうまいコショウ、そんなものがあるんだなと。

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しかし考えてみれば、豆腐よう、カラスミ、生コショウ。全部酒のアテになるものばっかりやないか(笑)

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