使用症例

使用症例

有機ゲルマニウムと慢性疲労

2019.5.31

俗にキス病(kissing disease)という病気がある。
「うちの上司だよ。酔っ払うと誰彼かまわず、チューしまくるんだ」
いや、それは単なるキス魔であって、キス病ではありません^^;

たとえば大学生になって初めて異性とお付き合いを始める。若い二人だから、自然な流れとして、キスなんかもするようになる。それも唇が触れ合うだけの軽いのではなくて、舌の接触を伴うような「濃ゆーい」のをするようになったり。
医学的にはこれはなかなかの事態だ。
唾液中にはアミラーゼなどの消化酵素やリゾチーム、ラクトフェリンなど抗菌作用のある有機物もあれば、口腔内細菌、ウィルスなども含まれている。
いいもの悪いもののごちゃ混ぜになった唾液が、口腔粘膜の濃厚接触を通じて、双方の体内に流れ込むわけだ。
しかしほとんどの場合、何も問題は起こらない。
健康な性欲を備えた健康な若い男女は、健康な免疫をも備えているものだから、多少の異物が体内に侵入しても病気にはならない。
しかし、「初めてのチュー」の後、明らかに体調を崩す人がいる。最初は風邪かな、と思う。ところが1週間経っても熱が下がらない。ひどい倦怠感があって、のどやリンパ節がずいぶん腫れている。素人目にも明らかにおかしい。そこで病院に行く。
テキトーな医者(ほとんどの医者がこれ)に当たれば、「風邪ですね」で終わり。PL顆粒あたりを出してお茶をにごす。
ヤブ医者ならご愁傷さま。抗生剤が出て、ムダに腸内細菌が損なわれる。治療どころか、今後ますます病気にかかりやすくなるだろう。
しかし、有能な医者に当たればどうなるか。細かく問診して、患者が最近初めて異性と付き合い始めたことを突き止める。そして、伝染性単核球症と正しい診断を下す。

そう、「初めてのチュー後の長引く発熱」を見れば、EBV(エプシュタイン・バール・ウィルス)感染による伝染性単核球症を疑う。
9割の人は思春期までにEBVに不顕性感染して、抗体を持っている。
しかし幸か不幸か、感染せずに思春期を迎えた人は、せっかくできた恋人との甘いキスで、苦い思いを味わうことになるかもしれない。
つらい大人の洗礼だが、普通は自然軽快する。ただの風邪と誤診されようが名医が伝染性単核球症と正しく診断しようが、治療法は特にない。妙な薬を飲まず、安静にしていることが一番の治療だ。
しかし、なかには症状が重症化する人がいる。慢性疲労症候群やうつ病になって、延々取れない疲れに悩まされることになるのはまだマシなほうで、肺炎や肝脾腫、さらには多臓器不全や悪性腫瘍によって死亡するケースさえあるという。
初めてのチューが原因で死ぬなんて、すごい話だな。

一般的には打つ手なしとされているEBV感染症だが、有機ゲルマニウムによって治癒する可能性がある。
『慢性エプシュタイン・バール・ウィルス症候群(CEBVS)における有機ゲルマニウムの使用』
http://orthomolecular.org/library/jom/1988/pdf/1988-v03n01-p029.pdf

CEBVSの症状で苦しむアメリカ人は数百万人にのぼると見られる。本症は疲労が主な症状であり、EBVだけが唯一の原因だと確証されていないこともあって、慢性疲労症候群と呼ばれていることも多い。
CEBVS患者に対して有機ゲルマニウム(Ge-132)が効いたという初めての報告は1987年である。1日500mgを舌下に複数回投与すると、疲労およびうつが改善したという。
その後の研究で、Ge-132に対する反応は、大きな個人差があることがわかった。患者の半数近くは、1日使用量を1gまで増やしても、慢性疲労がほとんど軽快しなかった。しかし、半数の患者では確かに改善した。ただし、改善するのに必要なGe-132の量は、やはり個人差が大きかった。はっきりとした改善を自覚するためには1日1000mgの摂取を必要とする患者もいた。Ge-132を服用したCEBV患者の少なくとも20%が、劇的な改善を維持していた。
CEBVSに罹患し1年半症状に苦しむ医師がいたが、彼はGe-132によって劇的に改善し、いまや彼自身がこのサプリメントの熱烈なファンになって、疲労やうつに苛まれる患者にこれを勧めている。
1日300mgのGe-132によりCEBVS患者の約25%が著明に改善した、と報告する医師もいる。
CEBVS患者に対して栄養療法を行う医師が、Ge-132を治療に取り入れたところ、これによって著明に改善した患者もいたが、反応に乏しい患者もいた。1日150から300mgのGe-132によって、大半の患者ではCEBVSの症状が軽快したが、改善するまでにさらに高用量(多いと1日1gも)が必要な患者もいた。患者のうち25%はノン・レスポンダー、つまり、Ge-132をどれだけ投与しても何の効果も示さなかった。
Ge-132は他の栄養素と相乗的に働くのではないか、一部の患者でまったく効果がなかったのはGe-132が協調して作用するべき他の栄養素が不足していたためではないか。この推測にもとづいて、様々なサプリメントと組合わせて投与して、その効果を検討した。
その結果、Ge-132をコエンザイムQ10、DMG(ジメチルグリシン)と組合わせて投与することで、ほとんど全ての患者で改善することがわかった。改善するには非常に高用量のGe-132を必要とした患者も、コエンザイムQ10とDMGを併用するともっと少ないGe-132で有効性が見られた。
Ge-132はどのように作用を発揮しているのか。動物実験では、Ge-132の投与によって、インターフェロンの産生が高まることが明らかになっている。これが患者の免疫系に好ましい影響を与えていると考えられる。

何をやっても疲れがとれない、というのはうつ病患者にありがちな主訴だ。
背景に、EBV感染があるかもしれない。さらにその背景には、栄養バランスの偏りによる免疫系の弱体化があるかもしれない。
そういう人は、まずは有機ゲルマニウムを試してみて、それでダメならその他の栄養素(コエンザイムQ10、DMGなど)を追加するのも手だろう。

精神疾患とゲルマニウム

2019.4.2

栄養療法の実践者は、ビタミンやミネラルについて一通り精通しているものだけど、自分の臨床経験を通じて、特に思い入れの深いビタミンがあるものだ。
たとえばポーリングはビタミンCのすばらしさを実感していたし、ホッファーはナイアシンに強い愛着を持っていた。
自分がその有効性を科学的に実証し、多くの患者の命を救い、彼ら自身その栄養素の効果を実感していたのだから、それだけの思い入れを抱くのも当然だろう。
最近、Sandra Goodman博士の”Germanium The health and life enhancer”という本を読んだ。
この著者の「押し」はゲルマニウムだ。
著者はゲルマニウムが様々な疾患に効くことを知り、その有効性に魅了された。本の中で、その効果を絶賛している。
上記の本から、ゲルマニウムと精神疾患についての記述を、一部引用しよう。

「精神疾患は、単一の原因により引き起こされる単独の病態というわけではない。遺伝、生化学、栄養、心理など、様々な原因に由来する体全体の不調、それが精神症状として現れたのが精神疾患である。
だから、この病態に対するアプローチは、全身のバランスを回復させることを意図して、多方面から取り組んでいく必要がある。すべての精神疾患に対して、劇的に改善する奥義や裏技があるわけではないのだ。
最近数十年の研究によると、様々な精神障害(たとえばうつ病や統合失調症など)において、生化学と栄養が関与していることが明らかになっている。
たとえば、体内の過剰な銅(原因は銅の水道管、銅の調理器具、経口避妊薬、ビタミンC・B3不足など)は幻覚や妄想の原因となる。
また、多くのうつ病や統合失調症の患者は、亜鉛やビタミンB6が欠乏しており、ひどい頭痛、神経疲労、光や音への過敏といった多くの症状がある。
自閉症の子供に亜鉛やビタミンB6を投与すると非常に改善し、ついでにニキビ、発疹、ヘルペスまで一緒に治ってしまった、なんて話もある。
ある種の統合失調症のタイプとして、脳アレルギーを原因とするものは、メチオニン、カルシウム、亜鉛、マンガン、ビタミンB6、ビタミンCで改善する。
気分障害は、一般的な食物(小麦など)に対するアレルギーや、血糖値のアンバランスに対するアレルギーによって引き起こされることがある。こうしたアレルギーは栄養面の改善によって緩和することができる。
多くの破壊行動や衝動的な粗暴行為は、その背景に栄養的・生化学的な側面がある可能性がある。
有機ゲルマニウムは、慢性的な精神病、うつ病、てんかんなどの治療に成果を上げており、浅井研究クリニックによると以下のような改善例がある。

(1)統合失調症の診断を受けた15歳女児。自閉症の傾向が出現し、あらゆるものに対して不信を感じ始め、学校にも行かなくなった。
有機ゲルマニウムの摂取を開始して1か月後、月経痛が消失し、表情が明るくなり、性格も快活になった。1年後には、再び学校に通えるようになった。
(2)虫垂切除術後にうつ病を発症した27歳女性。目はうつろで、急に涙を流すこともあった。有機ゲルマニウムを1日80mg摂取し始めてから2日以内に、どんよりした目つきが消え機敏な目が戻った。2日後には表情が普通に戻り、言葉がほとんど普通に話せるようになった。10日後には大学の入試試験を受けた。25日後、治療を中止。その後7年経過するも、症状の再発はない。
(3)二度目のうつ病にかかった38歳男性。目はうつろで、話すことさえできなかった。トフラニール(抗うつ薬)を服用していた。有機ゲルマニウム100㎎を1日2回摂取し始めて1週間後、目が明るくなった。しかし、「まだいまいち気力がわかなくて」とこぼした。トフラニールの用量を半減した。2週間後彼の表情はほぼ正常に戻り、1か月後には職場復帰を果たした。その後ほぼ1年、有機ゲルマニウムの摂取を続けた。3年間、症状の再発は見られていない。
(4)58歳女性。半年おきに消長を繰り返すうつ病をわずらっていた。最初の3か月ほど一定のうつ状態が続き、それから徐々に増悪し、ついには自殺未遂を起こすほどに症状が悪化するのだった。有機ゲルマニウム10㎎を1日2回摂り始めてから2,3日すると、持病の不眠症が消えた。やがて、うつ病の症状もほぼ消失した。その後3年間、有機ゲルマニウムの摂取を続けた。それから8年が経過したが、症状の再発はない。
(5)30年来のうつ病の既往のある69歳女性。病状は冬になると悪化する季節性のものだった。有機ゲルマニウム70㎎を1日2回摂り始めた。3年服用を続けた。うつ病の症状がまったくないため、有機ゲルマニウムの摂取を中止した。
白内障の手術を受けた後、またうつ病の症状がぶり返した。およそ5か月後、有機ゲルマニウムの摂取を再開した。症状はすぐに改善した。寝ている途中で覚醒することもなくなり、よく眠れるようになった。今も体調良好である。

有機ゲルマニウムが、なぜこんなにも効くのか。その生理学的・生化学的メカニズムは十分には分かっていない。
しかし、有機ゲルマニウムの特性を調べることで、なぜ精神疾患に効くのか、その理由を推測することは可能である。
(1)まず第一に(そしてこれが最も大きな理由だが)、有機ゲルマニウムによる酸素充足作用である。生命にとって酸素が必要なのはもちろんだが、脳細胞にとって特に不可欠である。脳はたった3分間酸素供給が途絶えるだけで、死滅する。だから、有機ゲルマニウムが精神疾患の治療に大きな成果を上げている最大の理由は、有機ゲルマニウムによる脳への酸素供給の増加によるものだろう。
(2)また、有機ゲルマニウムは強力な抗酸化物質でもある。このおかげで、有害なフリーラジカルが無毒化され、結果、脂質膜の過酸化によるダメージを防ぎ、血液の性状を健康に保つことができる。つまり、毒物の除去に加えて、こうした血液の浄化作用によって、多くのいわゆる「メンタル」面の不調が改善すると考えられる。
(3)さらに、有機ゲルマニウムには重金属(水銀、カドミウムなど)を捕捉、排出する働きがある。こうした重金属には神経系への毒性が知られているが、有機ゲルマニウムはこれらの重金属の排出を促すことで、精神疾患を改善させているものと考えられる。
(4)有機ゲルマニウムによるもう一つの大きな効果として、免疫賦活作用がある。免疫系は、各臓器やホルモンが複雑に絡み合って成立している。有機ゲルマニウムは体の自然免疫を刺激し、そのことで免疫機能の向上(インターフェロン、NK細胞、マクロファージ、サプレッサーT細胞などは全身の生化学的・神経化学的物質に大きな影響を与える)が起こる。
有機ゲルマニウムによる治療効果は根本的な生命力を高めることにあるため、精神症状を来す自己免疫疾患(たとえば全身性エリテマトーデス、あるいはAIDSも)の治療にも有効である。ホルモン状態および免疫機能の改善は、患者の精神状態に確かにプラスの影響を与えるだろう。
有機ゲルマニウムの代謝、生化学、そして体への必須性については、今後もっと研究されなくてはならないだろう。有機ゲルマニウム自身の栄養特性やその他の栄養素との組み合わせについて、精神疾患にどのように影響するのかの研究が進めば、有機ゲルマニウムの治療効果がもっと明らかになるはずだ。」

漢方薬がなぜ体にいいのか?
有機ゲルマニウムの合成に世界で初めて成功した浅井一彦先生によると、この問いに対する答えは、「ゲルマニウムを含んでいるから」だ。
朝鮮人参、クコの実、さるのこしかけなどにゲルマニウムの含有量が多かったという。
一般のオーソモレキュラー栄養療法が、有機ゲルマニウムを治療に積極的に取り入れていないのが不思議だ。
個人的には、方法論にとらわれる必要なんてなくて、とにかく「患者をさっさと治したもん勝ち」だと思っている。
だから、このゲルマニウムのように有効性が明らかになっているものに関して、僕はすぐに治療に取り入れる。
方法論に対する義理堅さ、なんて何の自慢にもならなくて、患者の利益こそがプライオリティなんだから、こういう「節操のなさ」は大事だと思うんだよね。

 

有機ゲルマニウム研究会入会について

本会の趣意に賛同いただいた、医師・歯科医師・獣医師のみご登録いただけます。
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