使用症例

使用症例

職親プロジェクト

2021.12.8

「社長になんてなりたくなかった。小学校のときからジョージ・ルーカスが好きで、ハリウッド映画に憧れていた。アメリカに行って映画に関係する仕事がしたいと思っていた。でも、私が家業を継がざるを得なかった。
祖父が塗装屋を開業し、父が建設業にも乗り出した。成功して、一時は年収75億の会社に成長したが、バブル不況のあおりをまともに食らった。私が社長になったときにはマイナス15億円の赤字経営だった。
8歳下に妹がいる。私と同じで、妹もハリウッド業界に憧れていた。関西外大を卒業後、渡米。『ロード・オブ・ザ・リング』の制作に携わるなど、仕事を任されるようになった。日本に戻ってきたときには、私に「お兄ちゃん、ハリウッドのなかに入るパスもらったよ」と自慢したりした。妹が私の代わりに夢を叶えてくれたようで、こんなにうれしいことはなかった。2004年の夏には同棲していた俳優と日本に来て、淀川の花火大会を私と一緒に見た。アメリカで着実にキャリアを重ねていく妹が、私の誇りだった。

その妹が2005年に殺された。付き合っていた彼氏にめった刺しにされて。ロサンゼルスにすぐに飛んだ。妹の遺体。包丁で20か所以上を刺された妹の遺体を見て、君ならどう思う?
私は「死にたい」と思った。「さぞつらいだろう。痛いだろう。俺もすぐに死んでお前に会いに行くからな」そんなふうに思った。
同行した母は半狂乱に陥った。そして本当に自殺しようとした。妹の死によって、家族が崩壊しようとしていた。
すでに犯人は逮捕されていたが、弁護士は無罪を主張した。「彼は精神科の通院歴があり、強い薬を飲んでいた。犯行時、著しい心神耗弱状態にあったため、事件のことはまったく覚えていない。記憶にない罪状に対して、罪を問うことは理にかなっていない。責任能力のない被告は無罪である」法廷ものの映画に出てきそうなセリフを実地に耳にして、体の力が抜けた。
犯人は資産家の息子だった。3億円の弁護士費用をものともせず、有力弁護士を味方につけた。O.J.シンプソンの無罪を勝ち取ったことがある弁護士だった。
このニュースはアメリカでも大きく報じられた。事件を知った知人からこういうふうに言われた。「裁判、頑張ってください。アジア人が殺されると、彼ら、やたらと裁判を長引かせようとします。裁判の継続にはお金が必要で、普通の被害者家族は途中で裁判に来れなくなります。原告不在のまま、被告側の弁護士が陪審員を説き伏せ、無罪を勝ち取る。そんな裁判はもう見たくありません。どうか戦ってください」

もちろん私も戦いたい。戦って、妹の無念を少しでも晴らしたい。しかし裁判費用を捻出しようにも、当時会社は借金のどん底だった。何度も家族で話し合った。「会社、いよいよ潰れるかもしれへんなぁ」家族全員が抱いている危機感だった。しかし結論は、こうなった。「正義は金で買われへんやん。絶対戦おう」これもやはり、家族全員の思いだった。
こちらが裁判継続の意思表示をすると、相手方が弁護士を通じてこんな打診をしてきた。「彼は病気だった。心神耗弱状態だった。そう言ってもらえませんか」書面には、和解金として、驚くような桁数の額が提示されていた。
しかし言下に突っぱねた。金は関係ない。
そして戦った。4年間の法廷闘争の末、ついに「責任能力あり」。有罪判決を勝ち取った。
その瞬間、被告はテーブルに自分の頭をぶつけ、吠えた。両手を振り回し、暴れまくった。法廷は興奮状態になった。被告の母親が、つかつかと私たち遺族の前に歩いてきた。一瞬謝ってくれるのかと思ったが、とんでもない思い違いだった。こちらに中指を突き立てて、鬼の形相でこう叫んだ。「ビッチ!」
不思議なことに、私はそのとき、全然腹が立たなかった。哀れみというか悲しみというか、私の胸を覆ったのは、決して怒りではなかった。「私の妹も可哀そうなら加害者家族も可哀そうだ。被害者を作ってはいけない。同時に、加害者をも作ってはいけない
そんな気持ちになったのは、初めてのことだった」
https://www.youtube.com/watch?v=mr7mVi4Jy1k

きのう、新大阪駅の定食屋で草刈健太郎さん(カンサイ建装社長)とお会いした。引き合わせてくれたのは僕の患者A氏(某会社の社長でもある)だ。
草刈さんは、職親(しょくしん)プロジェクトという活動をしている。これは、刑務所/少年院を出所/出院した元受刑者を積極的に受け入れて、社会復帰のサポートをするプロジェクトだ
日本の犯罪者数は減っている。しかし再犯率は上がっている。再犯率48%というのは、服役した受刑者の2人に1人は再び罪を犯す、ということだ。なぜこんなことになるのか?
元受刑者の受け皿がないからだ。働こうにも「元犯罪者」のレッテルを張られ、まともな働き口がない。やむなく再び悪に手を染める。再犯率の高さには、このような構造的な問題がある。

妹を失った悲しみを乗り越えようとするなかで、草刈さんにどのような煩悶があったことか。僕にはうかがい知ることもできない。しかし、受刑者に支援の手を差し伸べることに対して、草刈さんにはまったく躊躇はない。
決して加害者支援ではない」と草刈さんは言う。「新たな被害者を作らないためには、更生させないといけない。そのための活動なんです
すばらしい取り組みだ。しかし僕にお声がけ頂いたのは一体どういう、、
A氏いわく「受刑者のなかには、薬物依存症、ギャンブル依存症などの依存傾向のある人も多い。そういう人に対して、先生の得意分野の栄養で何かアプローチできませんか?」
当然可能だろう。精神的な不安定の背景には血糖値の変動が隠れているものだから、食事の改善は絶対の必要条件として、さらに、トラウマの解消にナイアシン、有機ゲルマニウム、気分のアップダウンを緩和するにはCBDオイル、マグネシウムあたりが有効だろう
あと、薬物依存の受刑者には、たくさん汗をかかせたい。刑務所にサウナなんかがあれば最高だろう。脂肪に蓄積した毒物をすっかり抜いてやれば、出所後に薬物衝動にとらわれることもなくなり、スムーズに社会復帰できるはずだ。

栄養の改善によって犯罪傾向が減少する、というのは、僕の推測ではない。明確なエビデンスが存在する。
『若年受刑者の反社会的行動に対するサプリ(ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸)の影響~無作為化比較試験』
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12091259/
少年刑務所の受刑者に対して、サプリ投与群とプラセボ群を設定して実験したところ、サプリ投与群はプラセボ群に比べて、26.3%違反行為が減少した。

「生まれついての悪人」が犯罪者になるのではない。ビタミンやミネラルの欠乏によって、誰でも暴力衝動は起こり得る。異常な犯罪者、善良な一般市民という明確な線引きなんて存在しない。上記の研究が示唆するのはそういうことだ。

真偽は不明だけど「刑務所内の食事は悪くない」とうわさに聞いている。シャバで糖尿病の患者が、刑務所内の麦飯を食べているうちに糖尿病が完治してしまった、みたいな話はよく聞く。しかし栄養療法の観点から見て、改善の余地はあるに決まっている。やるからには、本気でやりたい。貢献できると思う。

ただ、最近、家族サービスにあてるために、クリニックの勤務日を減らし休日を増やしたところなのに、この仕事を引き受けるとなると、また多忙になる(泣)
元受刑者の更生支援、やりがいは間違いなくある。しかし、自分の時間がまたなくなってしまう。悩ましいところです。

 

うつ病と5G

2021.12.2

40代男性。2021年9月27日に当院を受診し、こんなふうに話した。
「1月頃からうつっぽい感じが続いています。明確に気付いたのは、1月に社内でプレゼンがあったとき。自分の発表をしているときに、急に頭が真っ白になって、言葉が出なくなりました。どうすることもできず、その場を無理やり終わらせました。その後、同じようなことがもう一度起こって「自分は明らかにおかしい」と思いました。
私はこの4年、現場のリーダーをしています。朝礼で数十人を前に話すことにも慣れています。そんな私が、急に人前で話せなくなりました。何だか始終落ち着かなくて、休憩をすることができなくなりました。会社にいるときはずっと頭がフル回転して、何かを考えています。気が休まらないので、仕方なくずっと仕事をしています。そういう私を見込んで、上司がみんなの嫌がる仕事を私に回してきたりしました。
でも、当然しんどいんです。体も心も悲鳴をあげています。ただ、休めないだけなんです。
いつも休日には釣りに行くのですが、行く気になりません。家で猫を飼っていて「こんなに可愛い生き物はいない」と思っているのですが、今は全然可愛いと思えない。家にいると何だか頭が痛くて、猫を可愛がるどころじゃないって感じです。
妻から「様子がおかしいから休んだほうがいい」と言われました。そう言われて、どこか救われたような気持になりました。自分は基本的に、与えられた仕事に対してノーと言わないようにしています。仕事を選んでいる同僚がいますが、ああいうのにはないたくないと常々思っています。だから、自分が限界だと認めることが悔しかったんです。でも、妻の言葉で吹っ切れました。上司に伝えました。「自分はもう限界です」と。それでこちらを受診しました」

体のがっしりした、生来健康そうな男性。過労がたたって心身のバランスを崩した、ということだろう。適応障害、うつ病、自律神経失調症。どの診断名にしても、外れていない。
食事内容に気を付けて、職場から離れてゆっくり静養すれば、自然と改善して、そのうち退屈でうずうずして働きたくなるだろう。診断書をお出しして休養を指示した。

10月1日、あまりにもひどい頭痛のために、予約なしに急遽来院
仕事を休んでいますが、ずっと頭痛がしています。24時間ずっと、です。耳鳴りもあります。1日に何度かキーンと鳴ります。
前回先生から指示されたように、食事の改善と運動を心がけています。小麦は控えめにして、にがりとかマグネシウムを多めに摂っています。症状は少しいいようですが、なぜか頭痛がひどいんです。
夜はひどい不眠で、日中に眠くなったりします。逆に妻は寝すぎで、いつまでも寝ています。
天気がいいときは散歩するようにしていますが、疲れやすいので、すぐに家に帰ります。退屈しのぎにネットをいじったりしますが、30分くらいでしんどくなる。頭痛を忘れるために釣り番組をぼんやり見て、時間を潰してる感じです」
小麦断ち、にがりの摂取、散歩の励行などを始めたにもかかわらず、頭痛が悪化した。まったく不可解だ。原因が分からない。
そこで、伝家の宝刀「困ったときのゲルマニウム」である。ゲルマニウムを1日3回、3日で2g摂取するように勧めた。

11月12日再診。
「前回もらったのを飲みだしてから、劇的によくなりました。頭痛はだいぶマシですし、夜もよく眠れるようになりました。ゲルマニウムをやめると、またしんどくなります。だから、すごく効いていると分かります
体調がいいので、復職したいのですが、ただ、気持ち面で以前のように前向きになれなくて。なぜかな、と考えました。ネットとかでいろいろ情報を調べているうちに、電磁波のせいじゃないか、と思い当たりました。
今のマンションには3年ほど住んでいますが、ここ1年屋上でアンテナの工事をしています。私の住んでいるのは最上階で、部屋のすぐ上には、大きな電波塔があります
ひょっとして、と思って、電磁波測定器を買いました。それで計測したところ、大当たりでした。この画像を見てください。測定器が振り切れるほどの強度です。一般家庭の100倍から1000倍のマイクロ波で、高すぎて測定不能です。
家の中でも特に、寝室が一番電磁波が高かった。最悪のところで寝ていたわけです。私も妻も、寝ても疲れがとれなかった理由がようやくわかりました。
当然、今すぐにでも引っ越したいと思いました。でも、経済的な事情で簡単にはいきません。そこで、電磁波防御グッズで対策しました。最初、電磁波遮断シートを部屋中に張り巡らせようと思いましたが、かなり高いので、簡易グッズを試すことにしました。ドイツのレヨネックス社とバイアーバイオテック社のを買ったところ、確かに効果を実感しました。使い始めて翌日から睡眠の質が明らかに変わりました。私ら二人とも口内炎があったのですが、それがすっかり消えました
今になって分かるのですが、ここに住み始めてから変な症状が続発していました。私の体、分かっているだけで鼠径部など8か所に腫瘍があります。病院で組織を採って診てもらうと、血管脂肪腫(angiolipoma)だと言われました。あと、飛蚊症だとも言われています。妻は顎が痛いって言っています。
先生の勧めてくれたことは、どれも効いたと思いますよ。ゲルマニウムもマグネシウムも、食事改善も運動も、どれも確かによかった。でも、残念ながら完治には至らなかった。根本的な原因が電磁波だったからだと思います。
CMCって知ってます?カーボンマイクロコイルっていう電磁波対策グッズのひとつですけど、このネックレスをして1分で頭痛がなくなりました。誇張でも何でもありません。あのしつこい頭痛が、本当に1分でなくなったんです。信じられない思いでしたよ」

上記は、僕が患者を治癒に導いたというよりも、患者が僕に病気の何たるかを教えてくれたケースである。
臨床現場でうつ病が疑われる患者がいるとして、その発症機転に電磁波が関与していることを指摘できる医者がどれぐらいいるだろう。ほぼ皆無に等しいと思う。
しかし、電磁波曝露によってうつ病になる。これはれっきとした医学的事実だ。たとえば以下のような研究。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30547710/

患者自身が電磁波の可能性に気付いたからよかったものの、そうじゃなければ、完治にまでは至らなかっただろう。食生活の改善、運動、マグネシウムやゲルマニウムなど、僕の指導で行けるのは、せいぜい“それなりにいい線”までである。ゲルマニウムによる血液浄化作用やマグネシウムによる交感神経の緊張緩和作用などにより、それなりに治ってしまうわけだ。
しかし、根本的な原因を放置したままでは、完治はあり得ない
僕がこれまで診てきた患者のなかにも、電磁波曝露が背景にあった人はきっといたに違いない。患者が「完治はしてないけど、以前の症状を思うと随分よくなったし、まぁ満足です」という感じだと、僕の方でも、これでよし、としてしまったりする。
今後、5Gの本格的な展開に伴って、上記のような患者は激増すると踏んでいる。うつ病、不眠などの原因を鑑別する際には、電磁波曝露の有無を必ず聞くようにしよう。

 

心を読む

2021.11.13

神戸某所にマジックを売りにしたバーがある。酒を注文すると、マスターが目の前で技を披露してくれるんだけど、それがすごすぎた。スプーン曲げといっても、単にスプーンが”お辞儀”をするように一方向に曲がるだけではない。アメのようにくねくねと、もう、自由自在に曲がる曲がる

しかしこれは序の口で、この程度で驚いていては身が持たない。
マスターがスプーンの柄の部分を持ち、僕に言う。「このスプーンの面を押してください。私の額、ここの部分に集中しながら、そっとスプーンを押してください」
そうすると、さっきまでつながっていたスプーンが切れた。テーブルの上に落ちた頭と尻尾、二つに分かれたスプーンを見て、僕は言葉が出なかった。
さらに、切れたスプーンの“溶接”さえできる。二つに分かれたスプーンを指で重ね合わせ、そこにグッと念を込めると、再びスプーンがくっついた。

さらに読心術さえできるという。「何か心に思い浮かべてください。当てて見せます」という。いや、何か心に思い浮かべろと言われても困る。何かお題はないですか?
「たとえば、スマホの暗証番号なんかどうですか?」
オッケー、それでいこう。当てれるものなら当ててみろ。そういう気持ちで、4桁の数字を心に思い浮かべた。
しばらく瞑目したマスター、やがて「分かりました」というから、スマホを渡した。どうぞ、開けれるものならご自由に。ただし何回も間違えないでくださいよ。データが消えちゃいますんで(笑)
半信半疑だったが、あっさりアンロックされたスマホを返されて、僕は驚くよりも怖くなってしまった。こういうことができる人間がいるのか。人間にこんなことができていいのだろうか、と思った。
イーロンマスクが自分のスマホに企業秘密をしまっていたが、スマホの暗証番号を忘れてしまった。10回入力を間違えるとすべてのデータが消えてしまう。下手すれば数億円の損失が出てしまう。そこでアップル社に何とかしてくれと嘆願しにいったが、「パスワードの解析は不可能」と突っぱねられたという。あのイーロンマスクでさえ、スマホの番号を忘れたらお手上げなんだ。

僕の顔には、恐怖に近い表情が浮かんでいたんだと思う。マスターがとりなすように、「心理学ですよ。人間が選びやすい組み合わせ、数字のパターンってあるものなんです。たとえば、このトランプの中からカードを1枚引いてもらい、それを当てる。ほら、実際1枚引いてみてください。やり方はいろいろありますが、たとえば誘導です。相手は自由に選んだと思っていますが、そのカードは私が選ばせたんです。ハートの3。そうでしょう?驚くことはありません。偶然ではなく、必然です。手品というか心理学ですね」
なるほど、と思ったが、いや、そうじゃない。さっきの暗証番号を当てるのは、そういうレベルの話じゃないと思った。
普通のマジシャンは、単なる手品を魔法のように思わせようとする。しかしこのマスターは逆で、本当に魔法を使っている。しかしそれが露呈してはまずいから、手品だ、エンターテイメントだと言いくるめようとしている。そういう印象さえ持った。それぐらい、僕は驚いてしまった。

ある日、手品に詳しい患者が受診したとき、この時の話を伝えた。スプーンを曲げたり、切断したり、溶接したり。さらに心を読まれたり。「あれは手品の域を超えている。そういうことって手品で可能ですか?」
患者は笑って「先生、騙されちゃダメですよ。私らマジシャンはね、超能力と思えることはどんなことでも再現可能ですよ。そこのマスターが本物の魔法使いなのかどうか、それは分かりません。ただ、ひとつ言えるのは、そのマスターがやったのと同じことを、マジシャンは再現できます。今、手持ちの道具がないのでできませんが、たとえば、紙にスマホの暗証番号を書いてもらって、それを封筒に入れる。その封筒を私に渡してください。中身を出さずに、その番号を当てることができますよ。タネは言えませんが」
ふーむ、なるほど、、と話を合わせたけど、僕としては釈然としない。患者のいうマジックは、恐らく紙かペンか封筒に細工があるのだろう。違う。そういうのじゃないんだ。スプーンをくねくね曲げるのも心を読むのも、そういうレベルじゃないんだよなぁ。

2021年6月19日受診
5歳男児。母親が語る。
「自閉症で中度知的障害と診断されています。まったくしゃべりません。かんしゃくがすごく激しくて困っています。ちょっとしたことで泣きわめきます。
こちらの言っていることは理解しているようです。ただ、理解していても、自分の意に染まないことは絶対しない。たとえば、こっちにおいで、と言ったとき、来るときは来ますが、嫌なときは無視します。
自閉症だけど、目はきっちり合います。基本的に甘えん坊で、笑うときは笑います。それも激しく笑います。でも泣くときもすごく激しい。好きと嫌いが、とてもはっきりしています。
夫に言わせると『そういうところ、お前にそっくりだぞ』って(笑)症状というか性格もあるのでしょうか」

自閉症や知的障害には、まず有機ゲルマニウムを使う。さらにCBDオイルで感情の起伏をならしてあげたい。その他、ミネラル供給を意図してフルボ酸、抗酸化のためにチャーガなどを勧めた。

2021年11月6日再診
「先月から筆談ができるようになりました。こうやって私の膝に座らせて、それで私の手のひらに、指でいろいろ書くんです。それで、私の想像以上に、この子が物事をよく理解していることが分かりました。これまで言葉としてアウトプットできなかっただけなんだな、と。
医者から自閉症とか知的障害だと診断されていたから、認知機能の障害だと思っていたけど、どうもそうではない印象です。それよりも言葉を話せないとか、体をうまくコントロールできないとか、そのあたりに障害の本態があるように思います。
筆談ができるようになって、この子の考えていることが分かることがうれしくて、ずっとこうやってコミュニケーションしていました。あるとき、この子に不思議な力があることに気が付きました。どうも、私の考えていることが分かるみたいなんですね。
今、私が何を考えているか分かる?って聞いてみる。で、私が頭の中に、今日の夕飯のために卵を買ってくることを考えていると、ちゃんと、私の手に『たまご』って書く。驚きました。おもしろいので、いろいろ実験してみました。私が昔好きだった男の名前を思い浮かべたら、やっぱり、ちゃんと書くんですね。その人の名前を。それで私も認めざるを得ませんでした。心を読むという現象は、本当にあるんだなって。
筆談をするようになってから、精神状態が安定してきました。上機嫌に歌を歌ったりします。
あと、筆談ができるのは私とだけで、夫とはできません」

言葉を話すのは人間だけで、それ以外の動物は別の方法でコミュニケーションをとっている。
言葉というのは、多分、表現方法としては相当不便だと思う。というのも、まず、自分に言いたいこと(思念)があって、それを適切な言葉に変換しないといけない。その言葉を、のどを使って音声に変え、音声が空気中を伝わって、相手の耳に届き、それが相手の脳で処理されて、僕の思念として伝わる。猛烈にまどろっこしい、非効率きわまるやり方に違いない
思念と思念が通じ合えば、どれほどスピーディーに分かり合えることだろう
この5歳の男児には、それができるのだと思う。人の心に直接アクセスして、思考に触れることができる。
多分、それほど特殊な能力ではなくて、他の動物はこれを当たり前にやっているし、ロン(うちの犬)もやっている。僕の思考は全部こいつに筒抜けだけど、こいつは僕より人間(?)ができているから、いちいちとがめずにスルーしてくれているのだと思う。

 

水と健康2

2021.11.9

前回に続き、講演会で話した内容をざっと紹介しよう。
『ゲルマニウムと私』(浅井一彦著)に、ルルドの泉についての記載がある。

ルルドはフランスとスペインの国境に位置する小さな村だが、“ルルドの奇跡の水”で有名である。当地に産出する湧き水があらゆる病気を治すと言われている。病気平癒を願って年間300万人がルルドを訪れる。

アレクシス・カレル(1873~1944)という若い外科医がいた。幼少期から神童の名声高く、リヨン大学医学部を優秀な成績で卒業した。研究室でも画期的な論文を量産し、30歳の若さで教授になった。1912年には血管縫合、臓器移植に関する研究でノーベル賞を受賞した。
1902年29歳の若き俊才カレルは、ルルドの話を聞き嘲笑した。
20世紀の今日、奇跡などというものは存在しない。いわゆる“ルルドの奇跡”は、集団的な祈祷によって暗示にかかっただけのこと。要するに、単なるヒステリーだ。俺がルルドに直接出向いて非科学的な虚偽をあばいてやる
ルルド行きの汽車に乗ると、近くに若い女性(マリー・バイイ)が横たわっていた。結核性腹膜炎の第3期。医者から見放された患者だった。
「診察している間にも死ぬんじゃないかと思ったよ。あのぐらい重症の患者が治るなら、俺もさすがに奇跡を信じるよ」カレルは同行の友人に笑いながら言った。
汽車は8時間かけてルルドに到着した。
マリーの家族が彼女の体をルルドの泉で拭いてやると、瀕死の患者の蒼ざめた顔に血の気がさしてきた。腹膜炎で異常に膨れていた腹部が少しずつ小さくなっている。
カレルは思わずマリーの手首をとった。脈が正常化していた。万年筆を取り出し時間を書き付けた。2時40分。
3時には病人の治癒は決定的になった。「私は治りました」とマリーは宣言した。痛みも腫脹も消失していた。
4時。健康な常人とまったく変わらない体になった(その後マリーは修道士となり病人の世話に一生を捧げた)。
その夜、カレルは詳細にマリーの体を調べ、所見をノートに記録した。瀕死の状態から見事な健康体になっていた。疑うことはできない。奇跡だった。カレルはこの事実を前にして、脱帽せざるを得なかった。

この話は『人間この未知なるもの』(アレクシス・カレル著)の一節である。これを読んだ浅井一彦(有機ゲルマニウムの合成に世界で初めて成功した研究者)は強い感銘を受けた。しかし同時に、科学者でもある浅井は、このエピソードを「奇跡」というカテゴリーにしまい込んで、そのまま思考停止することを潔しとしなかった。「この“奇跡”は、ルルドの泉に含まれる何らかの成分によるものだろう。そしてその成分はゲルマニウムではないか」
浅井はドイツ人の妻をルルドに派遣し、ルルドの水を入手した。これを原子吸光器にかけた。浅井は快哉を叫んだ。分析チャートには、見事なゲルマニウム線が描かれていた
ここに着想を得て、浅井は日本国内に“ルルドの泉”があるかどうかを調査しようと考えた。飲んで病気が治ったとか、いわゆる霊験あらたかな水は日本各地にあるものである。

青森県東津軽郡に“山吹のおみず”と呼ばれる湧き水がある。地元では難病治癒のご利益があると言われている。そこの水を瓶にいれて持ち帰り、原子吸光器にかけたところ、思った通りの結果がでた。ルルドの水の場合と同じように、明らかにゲルマニウム線が現れた。

カレルの“不死身のチキンハート”(immortal chicken heart)。これはカレルがノーベル賞をとるきっかけになった研究のひとつである。
鶏の寿命は平均7年。しかしカレルは、水とミネラルを与える閉鎖的な環境で、心臓細胞の培養に成功し、それを34年間生かせ続けた(カレルの死亡に伴って世話をする人がいなくなりこの心臓も死んだ)。
カレルはこんな言葉を残している。「細胞は不死身である。細胞が浮遊する液体が腐るだけである。この液体をときどき取り替え、細胞に栄養を与えてやれば、命の鼓動は永遠に続く

結論からいうと、カレルは間違っていた。細胞の分裂回数はテロメアが規定しており上限がある(ヘイフリック限界)。つまり、細胞の命は永遠ではない。
しかしカレルの主張は、本質的なところでは、全然間違っていないと思う。「細胞が浮かぶ液体がダメになると、細胞自体も死んでしまう」何も間違っていない。供給する水こそが、細胞の生命線なんだ

腐った水、たとえば電子レンジで加熱しその後冷ました水を植物に与えると、植物はことごとく枯れてしまう。
対照実験として、ストーブで沸騰させその後冷ました水を用意する。
それぞれの水に植物の枝を入れ、1週間後観察すると、以下のようになる。

地植えの植物でも同じである。
毎日それぞれの植物に、電子レンジ冷まし水、ストーブ冷まし水を与え、成長を記録すると、電子レンジ冷まし水を与えた植物は9日目に枯れてしまった。

小学生が自由研究でやるのにうってつけのテーマだろう。誰にでも検証可能な簡単な実験でありながら、その意味するところは強烈である。つまり、水は電子レンジによる加熱で「腐る」ということだ
イギリスで猫を使った研究がある。猫に電子レンジを使って調理したもの(水も含め)のみを食べさせたところ、全匹1か月以内に餓死した(ヘンデル博士、フェレイラ博士の実験)。

加熱、という外形だけに目を向けてはいけない。炎による加熱は数十万年前からあった。何らかの熱源があり、そこから熱力学の法則によってじわじわと周囲に熱が伝播する現象である。一方、電子レンジによる加熱は、発明からまだ100年も経っていない。1秒間に24億5千万回振動するマイクロ波を照射することで、対象物の内部にある水分子を揺さぶる。これにより分子同士に激しい摩擦が起こり温度が上がる
なるほど、対象物の温度が上がった、という点だけを見ると、火で温めようが電子レンジで温めようがどちらも同じように見える。しかし、マイクロ波による加熱は分子に異変を起こし、自然界に存在しない構造異性体が生じることになる。

テフロン加工のフライパンを使うことも、水を劣化させる。テフロン加工にはPFOA(ペルフルオロオクタン酸)が含まれている。PFOAの分子構造を見るといい。これでもかとばかりに大量のフッ素がついている。
PFOAは動物実験で発癌性(直腸癌、腎臓癌、精巣癌)、高コレステロール、早発閉経などを引き起こすことが確認されている。しかしテフロン加工のフライパンの販売が規制されたという話は聞いたことがない。

このPFOA、テフロン加工さえ避ければ大丈夫かと思いきや、全然そうではない。2020年6月環境省が水質調査の結果を発表した。全国13都府県の37地点でPFOA、PFOSが国の暫定基準値を超えて検出された。
なぜ、どのように環境中に広がったのか、分からない。テフロンの加工工場から飛散したのか、あるいはケムトレイルによる拡散か、分からない。ただ、PFOAという発癌物質がすでに我々の身近にあることが明らかになった。

イーテックの簡易浄水器(ウルオ)は、このPFOAに対してもろ過機能を発揮する。
「新規の毒性物質も除去しちゃうってすごくないですか?」と小野さんに言うと、息子を褒められたお父さんのように笑顔で謙遜して、「いや、ウルオがすごいというか、活性炭がすごいんです。特にPFOA特異的に除去したわけではなくて、活性炭は何でも吸着するんです」

 

警察犬競技会

2021.10.6

 

10月3日、福井県で警察犬の競技会があった。
これは、お遊びではなく、“ガチ”の大会である。訓練士の多くは警察勤務のプロで、彼らの調教した警察犬が実際の犯罪捜査にも活用されている。プロの訓練士が、この日のために本気を出して調教し、その成果を披露する。そういう大会である。
歴戦のつわものが参戦するこの大会に、あろうことか、うちの子(ロン)が参加することになってしまった

いや、絶対無理やろ(笑)
と思ったが、ロンをときどき預かってくれる訓練士のN氏の見立ては違った。
「いえ、この子は優秀です。明らかに学びたがっています。適切に調教すればかなりいい線いくはずです」
ロンは僕が初めて飼った犬だから、この子が他の犬と比べて頭がいいのか悪いのか、僕の中に基準がないのだけれど、頭の良さを感じることはちょくちょくある。たとえば、僕の言葉を驚くほど敏感に聞き分ける。日常会話のなかで「散歩」というワードを言おうものなら、すぐさますり寄ってきて、「早く行こう」と催促される。うっかり「さ」と「ん」と「ぽ」を続けて発音しては、仕事の中断を余儀なくされることになるから、僕はロンの前では言葉を選んで話すようになった(笑)「ボール持ってこい」といえばボールを持ってくるし、「タオル持ってこい」といえばタオルを持ってくる。その名の通り、レトリーバー(retriever)だから、そういうものかもしれないが、それにしても感心した。「頭のいい奴だな」と。
有機ゲルマニウムを与えていたおかげかもしれないし、休日にはいつも山に一緒に登ったり走ったりしてたくさん遊んでやったおかげかもしれない。

競技科目には複数ある。ざっと、「追及」「選別」「警戒」「服従」である。ちょうど子供の受験科目でいうところの「算数」「国語」「理科」「社会」みたいな(笑)
すべてを受験するわけではなく、ロンが参加するのは「服従」だけ。この「服従」部門にはアマとプロがあり、うちの子は「警察犬種 プロ」の枠で参加した。

この枠に参加したのは全部で22頭。この22頭で優勝を競うことになったわけだが、結果はどうなったか?
ロンの得点は、86.2/100点。なんと、全体の中で4位という好成績で、敢闘賞を頂いた

賞状
「右の犬は(略)当初の成績を得たのでこれを賞します」

「右の犬は」というフレーズがとてもいい(笑)何度読んでもニンマリしてしまう。
好成績だったからといって、豪華な賞品がもらえるわけではない。ただ、おやつがもらえた。

トロフィーよりも表彰状よりも、ロンにとってはこっちのほうがうれしいに違いない。
僕としては、頭のいい犬であってもバカ犬であっても、関係ない。ロンはロンである。1位になろうが最下位になろうが、変わらず可愛い我が子だ。でも、我が子が優秀であることはもちろんうれしい。自分に子供がいたとして、お受験に合格すれば、こういう気持ちになるのかもしれない。

そう、僕にはロン以外に子供はない。しかし、2年ほど前から一緒に暮らしているパートナーがいる。その人と初めて出会ったのは3年ほど前で、僕が飲み屋でナンパした(笑)何となくいい仲になって、付き合うような、そうでもないような、ふらふらした関係がしばらく続いた。僕としては、成り行きに任せよう、という感じだった。たとえば「子供ができた」とか、カチッとした事実を突きつけられたら、結婚かな、というような。しかし、幸か不幸か、そういうことには全然ならなかった。
不妊の定義を知っていますか?それは「特に避妊をしていないのに一定期間妊娠しないこと」を言う。僕らは、この1年2年の間、特に避妊していない。しかし妊娠しない。定義上、立派な不妊カップルということになる。
僕は、自分のほうには問題がないことを知っていた。かつて別の女性と結婚しその人が妊娠したことがあったから。しかしやむなく堕胎することになった。つらい記憶。一生背負って行くべき僕の十字架である。
彼女は僕より年上で43歳。妊孕性という意味では難しい年齢かもしれない。僕としては、彼女と一緒に暮らし始めて以後、「別に子供はいい」と思い始めていた。僕の仕事を支えてくれる。食事を作ったり、ロンの世話をしてくれたり。ロンが本当に僕らの子供みたいで、それで何ら不足がないような気持になっていた。もちろん、子供ができたらできたでうれしいことだけど、熱烈に子供を待ちもうけるような気持ちは全然なかった。
あるとき、患者から不思議な人を紹介された。「四国某県に住む男の人ですが、この人にはいろいろな病気を治す能力があります。私もこの人のおかげで、子宮の不調が一瞬にして治りました。月に1回神戸に来られます。先生も一度来てみませんか?」
当然うさんくさい。詐欺師から金を巻き上げられるのはまっぴら御免である。
「いえ、お金は一切とりません。ただ、何か形のある贈り物だけ持って来てください。菓子折りでもお酒でも何でもいいので」
金稼ぎではない、という時点で信憑性がいくらか増して、興味がわいた。面白半分に行ってみることにした。
70代ぐらいの老人が、神妙に頭を垂れる彼女に聞く。「どういう不調があるのか」「子供が欲しいです」「そうか、分かった」
そうして天を仰いで、彼女の頭やおなかに手を当てる。しばらく目をつぶり、沈黙した。やがて口を開いて、
「通り道を開いた。大丈夫。もうすぐ来るからね」
「本当ですか」
「うん、来たがってる。男の子。あ、男の子って言うてもた」
とぼけた感じで、僕はつい吹き出してしまった。
本物とも偽物とも分からない。ただ、この儀式のような空気感で暗示をかけて、それでもって病気を治す、というのがこの人のスタイルかもしれない。別に暗示なら暗示でかまわない。病気は「治したもん勝ち」である。
このときはそれだけで終わった。
驚いたのは1か月後だった。仕事から帰宅した僕に、彼女が妊娠検査キットを示した。「これ、陽性なんだけど」
ぬか喜びはしない。偽陽性もあり得るし、仮に本当に陽性だとして、高齢である。いつ流れてもおかしくない。しかし2か月後、産婦人科の診察を受け、妊娠が確定的となった。
このまま順調に行けば、出産は来年春頃になる。僕にはすでにロンという子供がいるが、もう一人、人間の子供の父親になるわけだ。
僕としては、この現象をどのように解釈し、どのようにリアクションすべきか、決めかねている。
時系列は以下のようである。
3年近く子供ができなかった。そこで老人のお告げ(「道を開いた。もうすぐ来る」)を聞き、1か月後には妊娠が判明した。
老人が見事に奇跡を顕現させたのか。あるいはたまたまタイミングが一致しただけか。
僕には分からない。
ただ、もし順調に赤ちゃんが生まれてくれば、ロンに弟(妹?)ができた形で、僕らは三人で遊ぶことができる。そういう日が来ることが、楽しみで仕方ない。

 

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