使用症例

使用症例

ゲルマニウム講演会

2021.4.12

有機ゲルマニウムについての知識なら十分にある。僕自身も飲んでいるし、多くの患者に使ってきた。実臨床での使用経験は数えきれない。知識も経験もあるが、さて、「有機ゲルマニウムとは何か」を人に説明するとなれば、ちょっと悩む。「何から伝えればいいかな」と。
ものの流れで、『ゲルマニウムと健康』をテーマに講演会をすることになってしまった。noteとクリニックのホームページで告知したところ、参加希望者が殺到した。僕としては小さな会議室で10人くらいを相手にしゃべるイメージだったから、応募のあまりの多さに困惑してしまった。多くの人が興味を持ってくれることは、もちろんうれしい。しかし、講演については素人である。いくつも不安がわいてきた。まず「こんなに大人数の前で話せるだろうか」という不安。
さらに「みんなガッカリしちゃうんじゃないかな」という不安。
参加希望者のほとんどは、僕の記事の読者である。少数ながら僕の患者もいるが、ほとんどの人は僕の実際の声や雰囲気を知らない。僕という存在を、僕の文章だけで認識しているということだ。一般に、文章はしゃべり言葉よりも思考の密度が濃いものである。切れ味鋭い文章を書く人が、しゃべりにおいても切れ味鋭いかというと、必ずしもそうではない。
中学生のときカポーティの小説が好きだった。「なんてきれいな文章を書く人だろう」と感動して、彼の作品を読み漁った。しかし、何年か前にカポーティがテレビ番組で話すYouTube動画を見て、僕はガッカリしてしまった。確かに、話す内容には知性を感じる。でもしゃべり方や声質は、彼の小説から僕がイメージしていたものとかけ離れていた。僕のほうで勝手にイメージして勝手にガッカリしてるわけで、カポーティにとってはうっとうしい話だろうけど(笑)
「同じような失望をされるんだろうな」と思った。でも同時に「仕方ない」とも思った。「僕は僕であるしかないんだから、あるがままの自分でいこう」と。

しかし、講演まで日がない。いかにしてゲルマニウムの魅力を伝えるか、じっくり考えて丁寧にスライドを作りたいところだが、あまり時間をかけられない。急いで作らねば、と思っているところに、月曜日、テレビにもよく出演する研究者から電話があった。「note読んでます。僕らがテレビでなかなか言えないことを言ってくれてありがとう」と。そして多くの裏話を聞いた。
こんなおもしろい話を聞いてしまっては、記事にせずにはいられない(笑)
スライド作りに割きたい貴重な時間を投入して書いたこの記事は、しかし、翌日には削除することになった。「ツイッターやフェイスブックで検閲や言論統制が行われていることは知っていたが、まさかnoteでも行われているとは」みたいな話があるけど、違います。お上から強制的な圧力があった、みたいな話ではありません。じゃ、どういう話なのか?詳しくは言えないけど、簡単に言うと、「製薬会社怖いよね」って話です(笑)
しかし記事をこんな具合に撤回するのは、ある意味慣れっこなのよ。患者のことをブログに書いて、患者本人から「あの記事消してください」と言われることはよくある。患者から「私のことブログに書いてもいいですよ」と言っていたのに、実際に書くと「やっぱり消してください」と言われたこともある。僕としては、それなりのエネルギーを費やして書いた分だけ愛着があるし「多くの人にとって有益な情報だからぜひ載せておきたい」と思うのだけど、患者が嫌がるとなれば仕方ない。すぐに下げる。
他にも、いろんな事情で下げざるを得なかった記事はけっこうある。この「削除した記事」だけを集めて本として出版すれば、意外に売れるんじゃないかな(笑)

さて、講演は、自分で言うのも何だけど、大成功だった。これは、僕がスライド作りを頑張ったというのもあるけど、それ以上に、参加者のみなさんが僕を成功させてくれたんだと思う。僕の言葉にうなずいたり反応してくれて、話をすごく聞いてくれている感じが伝わってきた。僕は「ゲルマニウムについて伝えたい」と思っている。そしてみなさんは「ゲルマニウムについて知りたい」と思っている。双方の熱意がうまく嚙み合った。そのおかげで成功したんだな。

講演後、多くの人がアンケートに答えてくれた。そのなかに、こんなメッセージがあった。
「noteの前の院長ブログから全部読んでおります。昨年はNHK文化センターでのセミナーがコロナのせいでなくなり、大変残念に思っておりました。「こんなにためになる記事を無料で読んでいていいものか」と常々思っておりました。今回このような形で金銭をお支払いできて、ようやく一安心できたところがあります。
どうか「安全」に気を付けられ、今後の活躍を期待しております」
有益な情報を得ながらも、それが無料であることに、この人は居心地の悪さを感じていた。「相応の対価が支払われるべきだろう」と。繊細な人ですね。「タダで有益な情報ゲットできてラッキー」みたいな人も多いだろうけど、一定数こういう人もいるんだな。
こういう一本筋が通った人にそう言ってもらえるのは、僕にとってすごくうれしいことです。
あと、僕の「安全」を心配するメッセージも多かった。「120㎞のストレートって比喩、大好きです」って。打たれないように頑張ります(笑)

 

ゲルマニウムと浅井一彦

2021.3.13

1958年、浅井一彦は石炭の研究に没頭していた。彼が石炭のガス液から、銀色に光る棒状単結晶の有機ゲルマニウムの抽出に成功するのに、それから10年近くの歳月を要するのだが、当時の彼はそんなことは思いもしない。私財を投じて作った石炭総合研究所の所長として、ただひたすら石炭の基礎研究に打ち込むのみだった。

浅井は、ある会合に出席した折、若い音楽家を紹介された。「ヨーロッパに渡って指揮者になる勉強をしたいと思っています」という若者である。渡欧資金の工面のためにあちこち奔走しているようだ。浅井はこの若者にいくつか質問をした。どんな指揮者になりたいのか?日々どんな練習をしているのか?どれほどの金が必要なのか?若者は必ずしも雄弁ではなかったが、自分の言葉で音楽への熱意を語った。夢は「世界一の指揮者になること」だという。
浅井はドイツ留学時代、何度かオーケストラの鑑賞に行ったことがある。フルトベングラーの指揮する『ニュルンベルグのマイスタージンガー』や、カラヤンの指揮する交響曲を直接聞いた経験は、彼の密かな誇りだった。この若者がヨーロッパで大成し一流の指揮者になったとしたら、どれほど素晴らしいことだろう、と彼は思った。
若者にどれぐらいの音楽的才能があるのか、浅井には分からない。多くの若者の夢がそうであるように、この若者の夢も、いずれ壁にぶち当たり、実現することはないだろう。しかし浅井はこの若者が気に入った。その大きな夢に、自分も賭けてみたい気がした。
日夜石炭研究に打ち込む自分である。この研究が形を成し花実を咲かせるか、まったく分からない。この若者も自分と同じである。成功の保証はない。ただ、不確実な未来へ邁進する、熱意だけはみなぎっている。浅井はこの若者の中に、自分の姿を見たように思った。
考えるまでもない。その場で、ある金額の資金援助を約束した。そしてふと思い出して、こう聞いた。「君、着ていく背広の準備はあるのかい?」この心遣いも留学経験のある浅井ならではである。向こうで調達するのもいいが、日本で腕のいい職人に作らせても充分そん色のない背広ができることを、浅井は知っていた。

この若者こそ、後に指揮者として名を成す小澤征爾その人である。
1959年単身で渡仏。その荷袋の中には浅井から贈られた一張羅の背広があった。将来有望な若手指揮者の集まるブザンソン音楽コンクールで1位に選ばれた。カラヤンに師事し指揮者としての感性に一層の磨きがかかった。1960年バークシャー音楽コンクールで最高賞(クーセヴィツキー賞)を受賞。1961年ニューヨーク・フィルの副指揮者に就任。バーンスタインに師事。多くの公演でタクトを振り、いずれも大盛況。その実力を周囲に認めさせた。

小澤の名声は、遠い日本、東京世田谷の浅井の研究室にも聞こえていた。若者の快進撃を、浅井が喜ばぬはずがなかった。だから、1961年小澤がNHK交響楽団に招かれて凱旋帰国した際には、浅井は家族全員を連れて鑑賞に駆け付けた。小澤は浅井一家に最前席を用意することで、かつての恩に報いた。

浅井研究所社員が語る。「浅井社長の奥さんはドイツ人で、いかにもヨーロッパ美人という感じの、とても美しい人でした。で、その娘さんも近所で評判の美人だった。あまりにも美人なので、世田谷の写真屋さんが娘さんをモデルに写真を撮って、その写真が長く写真屋のショーケースに飾られていたほどです。小澤さんはこの娘さんに恋をされました。もっとも、この恋が実ることはありませんでした。
浅井社長のご家族、奥さん、子供(一男三女)は、社長を除き全員、ドイツに行ってしまわれましたから。子供のうち、長男の博一さんは数年前に亡くなられましたが、三人の娘さんは皆さん元気にしておられます。2年ほど前、まだコロナの前ですが、皆さん日本に来られ、私もお会いしました。
そこで私、印象に残ったのが、娘さんたちの日本語の美しさです。皆さん昭和40年代に日本を離れて、ドイツで結婚され、すでに子供や孫がいます。もう日本語よりもドイツ語を使っているほうが長いような人たちです。でも若いときに日本を離れて外国に永住するようになると、日本語が”そこで止まる”んですね。つまり、娘さんの日本語は、昭和40年代の東京の日本語なんです。
私は生まれも育ちも東京です。東京言葉は知ってるつもりでしたが、娘さんたちと話すと、その言葉の美しさに、何だか緊張して背筋が伸びる思いでした」

ああ、なるほど。外国に行くとその人の中で日本語の変化が止まる、というのはおもしろい現象だね。この現象って、何か名前がありますか?(笑)。娘さんらは20代で日本を離れ、現在80代。60年前の日本語が、海外在住者の中に缶詰みたいに保存されているわけだ。
確かに、この娘さんたち「めっちゃムカつく!」とか言わないと思う(笑)
そういうの思うと、僕らの話す今の日本語はずいぶん汚れちゃったよなぁ。

 

変な味

2021.3.8

【症例】40代女性
【主訴】口の中が変な味がする、悪心、息苦しさ
2021年2月16日受診
「2年ほど前からの症状です。口の中で「変な味」がします。酸味のような、金属のような味。食事をしているときは大丈夫です。でも何も食べてないときに、変な味を感じます。不愉快なので、誰もいないときにはいつも舌を出しています。そうすると少しマシな感じがするので。
2年ほど前の同じ頃から、胃腸の気持ち悪さと息苦しさも始まりました。
食欲はあります。でも胸がムッとして受け付けないって感じです。だから、食べれないことがすごくストレスです。
息苦しさは、酸素がうまく吸えてない感じです。深呼吸してさえ、ちゃんと呼吸できてないようなもどかしさがあります。特に過呼吸というわけではありません。
すでに栄養療法を実践していて、食事には気を遣っていますし、MSSのサプリを処方してもらっています」

味覚異常に対して、どうアプローチすべきか?一体原因は何だろう?
たとえば、チェルノブイリ原発事故の救出活動中、多くの作業員が「金属の味を感じた」と報告している。

頭頚部の癌に放射線治療をすると高い確率でdysgeusia (味覚異常)を生じることは、放射線科医にとって常識だろう。つまり、放射線被爆によるmetallic taste。これがひとつの可能性。
「頭部CTをしょっちゅう撮ったりしたことは?」と一応聞いてみる。「子供のときに病気がちでよく入院していました。レントゲンを撮ったことは普通の人より多いかもしれませんが、CTを撮ったことはありません」

「味覚異常」と聞いて、医学部の学生が最初に思い出すべき鑑別疾患は亜鉛欠乏である。しかしこの点については、患者のほうから先回りして「亜鉛のサプリはしっかり摂っています。1日30㎎。むしろ摂りすぎということはないですか?」

薬剤性に味覚異常を起こすことがある。たとえば抗生剤(テトラサイクリン)、アロプリノール(痛風治療薬)、リチウム(躁症状に)などである。これらの薬を飲むと、成分が胃腸で吸収され、体内を巡り巡って、一部が唾液腺に到達する。それで「口の中に妙な味がする」となる。あるいは、抗うつ薬によって口腔内が乾燥(ドライマウス)し、そのせいで味覚がおかしくなることもある。
「薬は何も飲んでいません。飲んでいるのは、サプリだけです」

重金属曝露によって味覚障害を生じ得る。たとえば、水銀や鉛を扱うような職場で、これらの重金属を大量吸引するケース。
「コンサル業をしています。仕事で重金属に接する機会はまずないです」

うーむ、分からない。
こういう場合は、よかれと思ってやっている治療が、逆に症状を増悪させる可能性を疑ってみる。たとえば亜鉛サプリを飲んで「味がおかしくなった」という患者(30代女性)を経験したことがある。亜鉛、銅、クロム、鉄、カルシウムあたりは、過剰摂取によって味覚変化を起こし得る。「ミネラルサプリはどういうのをお飲みで?」
「鉄を1日36㎎。あと、セレン200μgも飲んでいます」
うーん、一応容疑者だけど、保留かな。

要するに、味覚異常の線からは、捜査が行き詰ってしまった。しかし「打つ手なし」かというと、全然そんなことない。他の症状(悪心と息苦しさ)への栄養的アプローチが、同時に味覚の異常をも改善した、となってくれるとありがたい。
悪心は、まず間違いなく、腸のdysbiosisが背景にある。何らかの原因で腸内細菌叢が乱れているに違いない。そこで僕が推したいのは、麹である。味噌汁はもちろん、肉や魚は塩麴で味付けするように努め、麹水を毎日積極的に摂取するよう勧める。必要に応じて、茶麹のサプリも使うといい。
フルボ酸の液体サプリもいい。腸の炎症を鎮める作用もあるが、それより何より、この患者の場合、ミネラル補給の意味合いが大きい。いったん鉄や亜鉛をやめて、フルボ酸に切り替えてみる、というのもありかもしれない。
息苦しさに対しては、何といっても、有機ゲルマニウムである。赤血球の代謝亢進とともに、酸素の発生作用によって、すみやかに息苦しさを軽減してくれるだろう。

3月8日再診。
「悪心は8割方なくなりました。食事が食べられるようになりました。息苦しさも8割なくなりました。息をしても酸素が吸えてないような、あの妙な感覚はなくなりました。
舌の変な味については、あまり変化ありません。せいぜい、多少効いたかな、程度です。

効果を一番実感したのはフルボ酸です。私、鉄については、これまでずいぶん悩ましい思いをしてきました。
若い頃からずっと貧血持ちで、冷え性、立ちくらみ、生理痛やPMSなど、いろいろな症状に苦しんでいました。栄養療法のことを知って、最初に試したのがヘム鉄です。おかげで冷え性が楽になりました。でも、いま一歩でした。そこで次に、キレート鉄の存在を知って、試してみたんですね。すると、立ちくらみが見事に治まりました。でも、その代わり、気分が悪くなって、便の性状もひどくなりました。
体に合ってないのかな、と思ってキレート鉄をやめると、今度は生理痛がひどくなる。今まで経験したことのないくらいひどい生理痛です。普通に一日を過ごすこともできません。それでキレート鉄を再開すると、生理痛が楽になる。でもやっぱり気分が悪くなって、便も真っ黒で。やめると、また生理痛がひどい。
進むも地獄、戻るも地獄といった有り様で、本当に困っていました。そこで、先生が勧めてくれたフルボ酸です。今、鉄剤は何も飲んでないです。でもまったく貧血っぽい症状がありません。いつもPMSの頭痛がひどいんですが、この前来た生理では全然頭痛がありませんでした。こんなことは私の人生の中で初めてです
貧血もなく、便の状態も最高で、生理痛もない。本当に助かりました。

ゲルマニウムの効果にも驚きました。飲んでから、息苦しさが激減しました。ちゃんと酸素が吸えることのありがたさを、しみじみ感じます。
ただ、ゲルマニウムは多すぎると、ちょっとしんどくなるようです。1瓶を1週間で飲む程度が私には合っているようです。一気に多めに飲むと、少し苦しい感じがします。

先生、前回の診察のあとで思い出したんですが、考えてみれば、私、変な味は2年前どころか、20年以上前、独身時代からときどき感じていました。さびたスプーンをなめたような味です。実際にさびたスプーンをなめたことはありませんが(笑)」

結局、この患者の「変な味」については、うまく治すことができず、現在も経過フォロー中である。しかし、悪心と息苦しさに関しては、処方がばっちりはまったようだ。
すでに有機ゲルマニウムについてはそれなりの症例数を重ねているから驚きはないが、フルボ酸の潜在能力には目を見張るものがある。少なくとも鉄欠乏性貧血の治療において、こんなに理想的な治療法は他にないのではないか。鉄剤の副作用(フェントン反応による活性酸素の発生など)がなく、鉄以外のミネラルも同時に補給できる優れモノで、もはや鉄剤を使う理由がなくなってしまう。
僕もまだ手探りで全体像を把握しているわけではないが、その有効性が広く知られれば、少なくとも鉄欠乏性貧血の治療において、鉄サプリをすっかり駆逐してしまう可能性があると思う。

 

重金属のデトックス法

2021.2.23

オリゴスキャンという検査機器がある。手のひらに機器を当てるだけで、体内の必須ミネラル20元素と有害重金属14元素がどの程度蓄積しているかが分かる。たったの3分で。すぐに結果が分かり、かつ採血みたいに注射針を刺さなくてもいい。
画期的だと思った。迅速性と非侵襲性を兼ね備えたこういう検査は、他にあまり知らない。
ただし限界もある。分かるのは、組織中にどのくらいのミネラルが蓄積しているか、という情報だけである。血中を循環するミネラル濃度を知るにはやはり採血が必要だし、有害金属の排泄量を見るには毛髪検査がいい。
検査にはそれぞれ得意不得意があるものだ。血液検査が見るのは、”通行量”である。つまり、物質が吸収されたり排出される過程や、過剰で漂っている状態の把握に適している。毛髪検査は、過剰なもの、不要で排出されたもの、吸収されなかったもの、を見ている。
だから、それぞれの分析結果が必ずしも相関するわけではない。たとえば、自閉症児の毛髪中の水銀濃度は、定型発達児に比べて7倍低い。

「水銀濃度が低くてよかったね」ではない。体外に排泄できてない、ということだ。行き場のない水銀が体内(脳や脂肪組織など)に蓄積している。発達障害児をオリゴスキャンで分析すれば、恐らく水銀やアルミが高値になるだろう。
要は、目的に合わせて方法を選択することである。複数の方法を併用することで、より正確に体内の状況を把握こともできるだろう。

オリゴスキャン、大いに興味がある。導入を検討したい。販売担当者氏にアポを取り、当院に説明に来て頂いた。
担当者氏、僕の手のひら(4か所)に機器をかざした。「吸光光度法により組織中の元素がすぐに分析されます。そのデータがインターネット経由でルクセンブルクに送られ、そこにあるビッグデータと照合され、測定値が提示されます」
待つこと3分、PCの画面上に測定結果レポートが現れた。
この日、たまたま僕の父が受診に来ていた。「よかったらお父さんもどうですか」と担当者氏が言われたため、ご厚意に甘えることにした。以下が父の測定結果である。

必須ミネラル(および参考ミネラル)のうち、亜鉛、銅、フッ素が高値。マグネシウム、ケイ素、セレンなどが低値となった。
有害重金属では、銀、水銀、アルミ、カドミウム、鉛などが高値である。

フッ素高値は、歯磨き粉、歯科治療時のフッ素洗口、テフロン加工のフライパンなどが原因として考えられる。アメリカでは水道水にフッ素添加されている州もある。日本の水道会社がグローバル企業に買収されたら、フッ素でも何でも入れ放題になるだろう。
銀は一番疑わしいのは歯科金属だろうか。
水銀は、まずワクチン。他には魚介類、ブドウ糖果糖液糖などの食事経由。
アルミは、やはりワクチン。次にはアルミの調理器具。特にアルミ鍋のように加熱されるアルミ製品から溶け出る量は無視できない。アルミ缶飲料に含まれるアルミの量を1とすると、アルミ鍋で加熱した液体に含まれる量は1000を超えるとも言われる。他には胃酸抑制薬などの薬。
カドミウムは米、特に玄米。鉛は職業曝露が多い。
水俣病の原因として、水銀が有名である。工場から垂れ流される廃液に含まれていた水銀が、食物連鎖を経て生物の体内に濃縮され、そういう魚を食べた人に水銀中毒の症状が現れた。このような生物濃縮によって人間に害を与えるのは、何も水銀に限らない。カドミウムも鉛もそうである。

水銀とカドミウムの高値に対して、亜鉛が高いことが保護的に作用している可能性がある。亜鉛、カドミウム、水銀はいずれも12族元素である。「同族元素は似たような働きをする」ものだから、カドミウムや水銀の毒性を、亜鉛がある程度キャンセルしてくれる。
ケイ素やマグネシウムが低いことは好ましくない。特にケイ素の摂取によって、尿中アルミ排泄量が増えることが分かっている。認知症対策としても、ケイ素は積極的にとりたい。

そう、重金属中毒に対するデトックス治療をするとなれば、他の必須ミネラルを補ってやるのがひとつの方法である。僕の場合は、有機ゲルマニウムを勧めることも多い。しかし、ケイ素も有機ゲルマニウムもやや高額である。
実は重金属中毒に対しては、保険診療の範囲内でもけっこうできることがある。

たとえば、チオラ。慢性肝疾患や白内障の治療薬だが、重金属の排泄促進作用がある。

タチオンもいい。つわりも含めた吐き気や嘔吐症に効く。「タチオン」と聞いてピンと来ない人も、「グルタチオン」と聞けば「ああ、あれね」と分かるだろう。グルタチオンが重金属の排泄を促進することは有名だ。

重金属のデトックス法として、一番まとまってる論文はこれだと思う。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3654245/
以前にも引用したことがあるけど、繰り返しあげたい。
「酸化すると2価以上の電荷になる金属は、イオンの状態で骨格筋にあるか、配位結合してアルブミンや酵素、アミノ酸(たとえばシステイン、メチオニン、セレノメチオニンなど)とくっ付いて組織に存在する」
「微量元素は、どれもそれなりの生物的役割があるものだが、カドミウム、鉛、水銀に関しては、1ミリたりとも存在意義がない。つまり、体に存在しても一切メリットがなく、デメリットしかない。具体的には、酸化ストレスを発生したり、内分泌機能を乱したり、アクアポリンを塞いだり、必須陽イオン(亜鉛やマグネシウム)の働きを阻害したりする」
すごくおもしろい内容なので、頭から全文翻訳してお見せしたいくらいだけど、みなさんに最も興味があるのは、「具体的にどうやってデトックスすればいいのか」というところだと思う。
【食材として摂りたいもの】
食物繊維(ぬか、果物)は、腸肝循環を断ち、腸内細菌叢を改善する。脳、血中の水銀濃度低下が示されている。
藻類、クロレラで鉛、水銀濃度が低下。
硫黄を含む食品は有害金属との結合親和性が高い。ネギ科植物(ニンニクなど)、アブラナ科植物(ブロッコリーなど)はグルタチオン産生を高め、重金属を排出する。ニンニクはカドミウムによる腎毒性、鉛による酸化ストレスを軽減する。
パクチー(種はコリアンダー)は、機序不明ながら、水銀の排出を促進する。かつ、鉛の骨への取り込みを抑制する。
【サプリを使うなら】
タウリンメチオニンは硫黄を含むアミノ酸で、重金属による酸化ストレスを軽減する。タウリンを6週間飲み続けると毛髪中の有害金属が増加した(体内から出て行ったってことだよ)。
アルファリポ酸は、かつて野村監督が「野村再生工場」の異名をとったように(戦力外でクビになった他球団の選手が野村監督のもとでは生まれ変わっていい仕事をする)、使い物にならなくなった古いビタミンを再生する作用がある。具体的には、酸化したビタミンE、C、グルタチオンをもう一度抗酸化物質としてよみがえらせる。さらに重金属のキレート作用もある。腸から吸収され、しかもBBBを通過する(脳に届くってことだよ)。
NAC(Nアセチルシステイン)はシステインの前駆体。システインはビタミンCとEの存在下でグルタチオン産生を刺激し、重金属を排泄の一助となる。
グルタチオン。これは理想的には静脈注射で投与するのがいい。というのは、経口だと消化の影響を受けるので。グルタチオンは重金属により発生する活性酸素の消去に著効する。
セレンは、水銀と結合して水銀中毒の症状を緩和する。逆に、水銀中毒患者ではセレン濃度が欠乏している。なるほど確かに、父の測定結果も水銀高値、セレン低値を示していた。

食品添加物、農薬など、僕らの身の回りにはヤバい毒物が様々にある。特にワクチン接種など、体によかれと思って受ける医療行為が超絶ヤバかったりするので気を付けよう。
でも、そういうことを知らずワクチンをたくさん打ってしまったからといって、絶望することはない。科学の進歩によって様々な毒物が生まれたのは確かだけど、上記論文のように、そういう毒物からの身の守り方を教えてくれるのも、また科学である。こういう知見を上手に生かしましょう。

 

有機ゲルマニウムの治験2

2021.2.22

治験、と呼べるほどたいそうなものではない。ただ、ゲルマニウムの何たるかをまったく知らない2人の男児(7歳児がADHD、5歳児が自閉症)に、有機ゲルマニウムを飲ませてみたのである。
2人は兄弟で「放課後等デイサービス」の利用者である。両親が逮捕されて刑務所に服役中のため、彼らは母方の祖父母宅で暮らしている。言うことを聞かない子供らを祖母が怒鳴り散らし、近所から虐待を疑われて児童相談所に通報されたことも一再ならずある。
関係者全員が困っていた。学校の担任も「放課後等デイサービス」の管理者も子供らの対応に手を焼いていたし、祖父母も困っていた。そして何より、一番困っていたのは、この子供たち自身だろう。感情が爆発して、自分で自分をどうしたらいいのか分からない。
とにかく状況は最悪で、これ以上悪化のしようもないほどだった。
この子供たちにゲルマニウムを無料で提供し摂取させた。そして、その変化を観察する。これが今回の「治験」の目的である。

2020年8月1日祖父母、男児2人来院。
祖母が語る。「もう、私、参っています。子供たちもムチャクチャですが、それを見て自分を抑えられなくて。つい2日前にもひと暴れして、近所の人に「虐待してるんじゃないか」って思われて、警察に通報されました。警察が来てその相手して、それでもう神経が参ってしまいました。
子供らは、上の子がADHDと反応性愛着障害、下の子が自閉症と診断されています。
上の子が、我が強くなってきてやたらと反抗的で、それで怒ることも増えてきて。つい大きな声が出て、それが外に聞こえてしまう。
食事は基本、作るようにしてるけど、私も疲れてて、スーパーでできあいのものを買ってきて食べることも多い。朝はパン。お菓子もよく食べます。というか、お菓子が主食と言ってもいいくらい。特に上の子は偏食がひどくて。
何か嫌なことがあると、すぐにキレます。今日も、神戸に行くということで「アンパンマンミュージアムに連れていけ」と暴れました。内容は可愛いかもしれないけど、デタラメな要求をしてくるあたりがもうヤクザみたいで。
授業にすべて参加することはできません。1人の先生が8人を見るという特別な対応で見てもらっていますが、それでも聞かないので、1対1で見てもらおうかと思っています。
下の子は繊細ですが、思い通りにいかないと1時間でも2時間でも泣き続けたりします。でも最近では上の子の影響か、キレることを覚え始めて、つい先日も幼稚園で他の子にかみつきました」

この診察のときにも、子供らはじっと座っていることができない。お兄ちゃんはすぐに診察室を出て行ってしまい、それを祖父が追いかけ、弟もその追いかけっこに加わる、といった具合で、普通の診察の体をなさない。
本来治験であれば、ゲルマニウムの有効性を知りたいわけだから、食事などの生活習慣は何も変えず、ただ「ゲルマニウムを服用する」というその一点のみを違えて、症状の変化を見るものである。しかしこの家族は悠長にそんなことをしている場合ではない。心身ともにストレスの極みにあるおばあちゃんが崩れれば、家族崩壊は必至である。即刻、僕の持てるすべてのものを突っ込む必要があった。

甘いもの、小麦、乳製品をやめるように指示した。こう言われても、恐らく子供たちはお菓子をやめないだろう。しかし、それでもいい。基本的には、食べちゃダメなんだという認識を持ってもらい、それによって少しでも摂取量が減れば”よし”とする。いきなり百点は求めない。

サプリとしては、ゲルマニウム以外に勧めるものとして、まず、CBDオイル。家族崩壊の危機が差し迫っているのだから、CBDオイルの即効性に期待したい。これは子供たちだけではなくおばあちゃんも服用するといい。気分の苛立ちを速やかに静めてくれるだろう。CBDオイルの風味は独特である。子供たちは偏食だというから「味が無理」と言って飲まない可能性が想定される。「そういう場合は、子供らが寝てるときに、こっそり足の裏とかおでことかにCBDオイルを数滴たらして塗ってあげてください。経皮的にちゃんと吸収されますからね」

近年ADHD、自閉症などの発達障害が急増している。「ワクチンの接種本数に応じて増加しているのではないか」という指摘がある。ワクチンに含有される毒性物質には様々あるが、ひとつには重金属(水銀、アルミ)がある。重金属のデトックスには、メチレーション回路を回してやるといい。そのためには、ビタミンB6、B12、葉酸、B2、ベタインあたりの栄養素を補うといいが、子供たちは恐らく普通のサプリは飲まない。甘く風味付けしたチュアブルタイプなら喜んで食べるだろう。基本、糖分の摂取は減らしたいところだが、ビタミンの補充が何より優先される状況であるから、このタイプのサプリをひとつお勧めした。

さりとて、一応「治験」である。ボランティアではない。おばあちゃんには、子供らの評価者としての仕事をお願いし、事前に作成していたチェックシートを手渡した。食事量、間食の量、便通、睡眠時間、寝起き、集中力、意思疎通、表情などを5段階で評価してもらうものだ。これで子供らの経時的な変化を追いかけることにした。

まず、飲み始めてすぐの変化を知りたかったので、1週間後に再診とし、その後は1か月おきに診察しフォローした。
長い経過を端折って、直近(2021年2月20日)の受診時の様子をお伝えしよう。
診察室の待合で、お兄ちゃんは祖父の肩叩きをし、「あー、気持ちええわー」という祖父の横で、弟は鬼滅の刃のフィギュアで遊んでいる。
僕がお兄ちゃんに「最近調子はどう?」と声をかけると、自分の口元を示してイーンして「きのうここの歯が抜けてん!大人の歯が生えてきた」という。どこにでもいる可愛い子供で、僕は覚えず声出して笑った。
祖母の話。「お兄ちゃんは授業に普通に参加しています。椅子にじっと座って。以前は問題行動を起こして、職員室の常連でした。この前校長先生とたまたまお会いしたのですが、こう言われました。「最近職員室に全然来てくれませんね。すっかりいい子になってしまって何だか寂しいです」と(笑)。友達ができてみんなと遊ぶようにもなりました。
以前は学校に一人で行くことができず、主人が付き添いで行ってたんですが、今は一人で行くようになりました。
私が何か指示すると、ひとまず聞いてくれて、何かしようとするようにはなりました。前は指示するとその時点で反抗していましたが、今はだいぶ落ち着きました。
下の子も穏やかです。幼稚園で誰かを叩いたとか、そういう話を聞かなくなりました。
食欲は二人とも増えましたが、特にお兄ちゃんがすごいです。甘いものは大好きで、正直今でもかなり食べています」

症状の改善ぶりは誰の目にも明らかだった。これで、ひとつの家族が救われた、と考え、この「治験」は終了とした。浅井ゲルマニウム研究所のご厚意で有機ゲルマニウムを無償で提供していたが、それも終了となる。「ご希望であれば自費で購入を」と伝えたところ、おばあちゃん、「ゲルマニウムはもういい」という。「やっぱり高いしねぇ」
できれば続けて欲しいと思ったが、家庭の経済事情もあるのだから、やむを得ない。かつて「お菓子が主食」だったところ、普通の食事をきっちりとれるようになったのだから、ゲルマニウムをやめたとしても以前のように大崩れすることはないだろうとは思う。しかし、大丈夫かな。
ともかく、待合室で見た家族の風景(お兄ちゃんが祖父の肩を叩きその横で弟が遊んでいる)は、栄養状態の改善がもたらしたひとつの「完成図」である。こんな風景は、去年の8月時点では、誰も想像できなかった。
有機ゲルマニウムは、まるで何事でもないように、さらりとこういう奇跡を演出する。

 

有機ゲルマニウム研究会入会について

本会の趣意に賛同いただいた、医師・歯科医師・獣医師のみご登録いただけます。
ご登録いただいた方々には以下をご提供致します。

  • ①有機ゲルマニウムの最新研究情報・臨床研究をご提供
     ※HPやメールマガジンにてお知らせ致します。
  • ②「有機ゲルマニウム臨床勉強会」やセミナーなどへのご案内
  • ③「有機ゲルマニウム研究会」認定の有機ゲルマニウム(浅井ゲルマニウム研究所 製造)のゲルマニウムサプリメントを会員特別価格にて提供