使用症例

使用症例

心を読む

2021.11.13

神戸某所にマジックを売りにしたバーがある。酒を注文すると、マスターが目の前で技を披露してくれるんだけど、それがすごすぎた。スプーン曲げといっても、単にスプーンが”お辞儀”をするように一方向に曲がるだけではない。アメのようにくねくねと、もう、自由自在に曲がる曲がる

しかしこれは序の口で、この程度で驚いていては身が持たない。
マスターがスプーンの柄の部分を持ち、僕に言う。「このスプーンの面を押してください。私の額、ここの部分に集中しながら、そっとスプーンを押してください」
そうすると、さっきまでつながっていたスプーンが切れた。テーブルの上に落ちた頭と尻尾、二つに分かれたスプーンを見て、僕は言葉が出なかった。
さらに、切れたスプーンの“溶接”さえできる。二つに分かれたスプーンを指で重ね合わせ、そこにグッと念を込めると、再びスプーンがくっついた。

さらに読心術さえできるという。「何か心に思い浮かべてください。当てて見せます」という。いや、何か心に思い浮かべろと言われても困る。何かお題はないですか?
「たとえば、スマホの暗証番号なんかどうですか?」
オッケー、それでいこう。当てれるものなら当ててみろ。そういう気持ちで、4桁の数字を心に思い浮かべた。
しばらく瞑目したマスター、やがて「分かりました」というから、スマホを渡した。どうぞ、開けれるものならご自由に。ただし何回も間違えないでくださいよ。データが消えちゃいますんで(笑)
半信半疑だったが、あっさりアンロックされたスマホを返されて、僕は驚くよりも怖くなってしまった。こういうことができる人間がいるのか。人間にこんなことができていいのだろうか、と思った。
イーロンマスクが自分のスマホに企業秘密をしまっていたが、スマホの暗証番号を忘れてしまった。10回入力を間違えるとすべてのデータが消えてしまう。下手すれば数億円の損失が出てしまう。そこでアップル社に何とかしてくれと嘆願しにいったが、「パスワードの解析は不可能」と突っぱねられたという。あのイーロンマスクでさえ、スマホの番号を忘れたらお手上げなんだ。

僕の顔には、恐怖に近い表情が浮かんでいたんだと思う。マスターがとりなすように、「心理学ですよ。人間が選びやすい組み合わせ、数字のパターンってあるものなんです。たとえば、このトランプの中からカードを1枚引いてもらい、それを当てる。ほら、実際1枚引いてみてください。やり方はいろいろありますが、たとえば誘導です。相手は自由に選んだと思っていますが、そのカードは私が選ばせたんです。ハートの3。そうでしょう?驚くことはありません。偶然ではなく、必然です。手品というか心理学ですね」
なるほど、と思ったが、いや、そうじゃない。さっきの暗証番号を当てるのは、そういうレベルの話じゃないと思った。
普通のマジシャンは、単なる手品を魔法のように思わせようとする。しかしこのマスターは逆で、本当に魔法を使っている。しかしそれが露呈してはまずいから、手品だ、エンターテイメントだと言いくるめようとしている。そういう印象さえ持った。それぐらい、僕は驚いてしまった。

ある日、手品に詳しい患者が受診したとき、この時の話を伝えた。スプーンを曲げたり、切断したり、溶接したり。さらに心を読まれたり。「あれは手品の域を超えている。そういうことって手品で可能ですか?」
患者は笑って「先生、騙されちゃダメですよ。私らマジシャンはね、超能力と思えることはどんなことでも再現可能ですよ。そこのマスターが本物の魔法使いなのかどうか、それは分かりません。ただ、ひとつ言えるのは、そのマスターがやったのと同じことを、マジシャンは再現できます。今、手持ちの道具がないのでできませんが、たとえば、紙にスマホの暗証番号を書いてもらって、それを封筒に入れる。その封筒を私に渡してください。中身を出さずに、その番号を当てることができますよ。タネは言えませんが」
ふーむ、なるほど、、と話を合わせたけど、僕としては釈然としない。患者のいうマジックは、恐らく紙かペンか封筒に細工があるのだろう。違う。そういうのじゃないんだ。スプーンをくねくね曲げるのも心を読むのも、そういうレベルじゃないんだよなぁ。

2021年6月19日受診
5歳男児。母親が語る。
「自閉症で中度知的障害と診断されています。まったくしゃべりません。かんしゃくがすごく激しくて困っています。ちょっとしたことで泣きわめきます。
こちらの言っていることは理解しているようです。ただ、理解していても、自分の意に染まないことは絶対しない。たとえば、こっちにおいで、と言ったとき、来るときは来ますが、嫌なときは無視します。
自閉症だけど、目はきっちり合います。基本的に甘えん坊で、笑うときは笑います。それも激しく笑います。でも泣くときもすごく激しい。好きと嫌いが、とてもはっきりしています。
夫に言わせると『そういうところ、お前にそっくりだぞ』って(笑)症状というか性格もあるのでしょうか」

自閉症や知的障害には、まず有機ゲルマニウムを使う。さらにCBDオイルで感情の起伏をならしてあげたい。その他、ミネラル供給を意図してフルボ酸、抗酸化のためにチャーガなどを勧めた。

2021年11月6日再診
「先月から筆談ができるようになりました。こうやって私の膝に座らせて、それで私の手のひらに、指でいろいろ書くんです。それで、私の想像以上に、この子が物事をよく理解していることが分かりました。これまで言葉としてアウトプットできなかっただけなんだな、と。
医者から自閉症とか知的障害だと診断されていたから、認知機能の障害だと思っていたけど、どうもそうではない印象です。それよりも言葉を話せないとか、体をうまくコントロールできないとか、そのあたりに障害の本態があるように思います。
筆談ができるようになって、この子の考えていることが分かることがうれしくて、ずっとこうやってコミュニケーションしていました。あるとき、この子に不思議な力があることに気が付きました。どうも、私の考えていることが分かるみたいなんですね。
今、私が何を考えているか分かる?って聞いてみる。で、私が頭の中に、今日の夕飯のために卵を買ってくることを考えていると、ちゃんと、私の手に『たまご』って書く。驚きました。おもしろいので、いろいろ実験してみました。私が昔好きだった男の名前を思い浮かべたら、やっぱり、ちゃんと書くんですね。その人の名前を。それで私も認めざるを得ませんでした。心を読むという現象は、本当にあるんだなって。
筆談をするようになってから、精神状態が安定してきました。上機嫌に歌を歌ったりします。
あと、筆談ができるのは私とだけで、夫とはできません」

言葉を話すのは人間だけで、それ以外の動物は別の方法でコミュニケーションをとっている。
言葉というのは、多分、表現方法としては相当不便だと思う。というのも、まず、自分に言いたいこと(思念)があって、それを適切な言葉に変換しないといけない。その言葉を、のどを使って音声に変え、音声が空気中を伝わって、相手の耳に届き、それが相手の脳で処理されて、僕の思念として伝わる。猛烈にまどろっこしい、非効率きわまるやり方に違いない
思念と思念が通じ合えば、どれほどスピーディーに分かり合えることだろう
この5歳の男児には、それができるのだと思う。人の心に直接アクセスして、思考に触れることができる。
多分、それほど特殊な能力ではなくて、他の動物はこれを当たり前にやっているし、ロン(うちの犬)もやっている。僕の思考は全部こいつに筒抜けだけど、こいつは僕より人間(?)ができているから、いちいちとがめずにスルーしてくれているのだと思う。

 

ゲルマニウムと知的障害

2021.4.13

最近また、有機ゲルマニウムが著効した症例を経験したので、ここに供覧する(改めて断るまでもなく、症例はプライバシー保護のために本質を損なわない範囲で詳細を変えてある)。

【症例】12歳男児
【主訴】知的障害、てんかん、視神経萎縮
【内服】デパケンシロップ5% 6 ml分3、ランドセン細粒0.1% 0.3 mg分2
【現病歴】4か月健診で定頸の遅れを指摘されたことをきっかけに、通院が始まった。その後、精神運動発達遅滞が明らかとなった。独歩5歳2か月、6歳時には有意語なし。
生後6か月時に焦点性てんかんを発症。カルバマゼピンによる内服治療を開始。一時的に発作は消失したが、その後再び発作があり、生後8か月時にバルプロ酸に変更、2歳8か月時にクロバザム追加。2歳9か月以降、てんかんは見られていない。
2020年11月、当院初診。母に連れられてバギーに乗って来室。
母「不安感が強く、学校でも椅子に座っていられず、授業に取り組めません。食事は介助が必要で、おまけに超偏食です。水分摂取は牛乳しか飲みません。睡眠は寝つきが悪いし眠りも浅いです。おむつも手放せません。来年は中学に進学するので、少しでも症状がよくなればと思います」

お母さんも多くを求めているわけではない。介助負担が大きいこともあって、少しでも症状がよくなれば、との希望である。
知的障害に対しては、ぜひともゲルマニウムを使いたい。しっかり効かせるためには、20~30㎎/kg(横浜市立大学 梅沢実教授の研究による)ぐらいは使いたいところだが、お値段との兼ね合いもあるだろうから、とりあえず1日300㎎使うことを勧めた。
また、てんかんに対しては、何といってもCBDオイルである。どの一般処方薬を使っても効かず、外科手術するしかないと言われていた難治性てんかんの幼児が、CBDオイルをわずか数的服用するだけで劇的に改善した、といった話をしばしば耳にする。現在抗てんかん薬を服用中とのことだが、CBDオイルで代替できればそれに越したことはない。まずは薬と併用でもいいから、CBDオイルを少量から始めるといい。
実は、てんかんはオーソモレキュラー療法の得意分野である。ビタミンB6、ビタミンE、マグネシウムなどの栄養素にてんかんを抑える作用があることにはエビデンスがある。さらに、ケトン・ダイエットもてんかんに著効する。あまり厳しい糖質制限をすることもないが、せめて、精製した白砂糖や小麦は避けたい。
飲ませてあげたいサプリを挙げればきりがないが、あまり種類が増えてもあれなので、ゲルマニウムとCBDオイル(10%)の服用を指示し、経過を見ることにした。

12月再診
「寝つきがよくなって、途中覚醒もなくなりました。あと、毎年この時期は必ず風邪をひくのですが、ひいていません。いや、正確には一度ひいたのですが、すぐに治りました。あと、傷とかケガの治りが早いです。最近抜歯したんですが、回復力、傷の治りが明らかに違います。その日のうちに出血が止まっていましたから。
精神面については、安定してきました。気持ちの切り替えが上手になった感じです。これまでは自分のやりたいことを止められると大声出して怒っていましたが、そういうのがなくなりました。「まぁいいや」って思えるようになったようです。偏食がちょっとマシになっています。牛乳ではなく、お茶で満足できるようになりました。
この前先生がマグネシウムがいいって言ってたので、マグネシウムを自分の判断で追加しました。それでますますよくなりました。笑顔が増えて、とても幸せに過ごせています。
この1か月、この子の変化を、奇跡を見るような思いで見ていました。ゲルマニウム、本当にすごいなと思って、私も飲み始めたんですね。仕事で文書の作成なんかをしているとだんだん疲れて頭がぼんやりしてくるところ、ゲルマニウムを飲むと、はっきり、頭がクリアになるのを感じました。酸素が行き届いてる、って感じです。あと、終わったかと思っていた生理が再開しました。2か月前に閉経したと思っていたんですが。
CBDオイルも試してみたんですね。日中に2滴飲んでも何も感じなくて、夜に4滴飲むとすぐに寝ました。でも浅い眠りで、1時間後には起きてしまいました。何だかそわそわするような感じになって、手足が冷たく、頻脈になりました。子供にはすごくよく効いていますが、交感神経優位の私には合わないのかもしれません」

終わったと思っていた生理の再開、という話もよく聞く。これは卵巣や子宮への血流量(酸素供給量)が増えることによる。ゲルマニウムを飲めば、単純に、若返ります
CBDオイルは、確かに、合う合わない、がある。本来自律神経のバランサーとして機能するはずだけど、人によっては作用が好ましくない方向に出てしまう。3%とか、まずは薄い濃度からでもいいと思うよ。

2021年4月5日再診
バギーではなく、徒歩にて来室
「落ち着いています。いつもなら私の膝の上に抱っこしていないといけないところ、最近は椅子にじっと座っていられるようになりました。偏食がずいぶん改善して、食べられるメニューが増えました。食事が全介助だったのが、少しずつ自分で食べれています。おむつをトイレに捨てに行くのも手伝ってくれたり。介助の受け入れがよくなってきました。
ただ、自我が強く出てきたせいか、思い通りにいかないと怒って噛みついたり、というところもでてきました。成長に伴うものだけど、このあたりが今の課題です。
2週間前ににがりを切らしました。マグネシウムのカプセルは摂取しているから問題ないと思っていましたが、次第にそわそわし始めて、あれれと思いました。にがりを再開すると、すぐに落ち着きました。改めて「にがりすごい」って思いました」

いや、僕もそう思う。マグネシウムにはいろいろなタイプの塩(えん)がある。クエン酸マグネシウム、グリシン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、とかいろいろあるけど、結局一番吸収がいいのは、海水の成分でもある塩化マグネシウムで、要するに、にがりなのよ。液体だと味がまずいのが難点だけど、ある程度しっかり飲むといい。下痢しない程度にね。
あと、特に脳に効かせたいのなら、トレオン酸マグネシウムがいい。この前ベンゾの離脱で苦しむ人に勧めたら、すごく効いたって感激してた。この人、にがりは何ら効いてる実感がないって言ってたから、マグネシウムは本当、塩(えん)によって作用が全然違うよね。

バギーの少年が、わずか数ヶ月後には徒歩で来室した。これは、現代医学の目から見れば、奇跡ということになるだろう。ハイジが「クララが立った!」と快哉を叫んだように、お母さんも、息子の改善ぶりを涙流して喜んだ。
こんな具合に、ゲルマニウムは奇跡を演出します

 

変な味

2021.3.8

【症例】40代女性
【主訴】口の中が変な味がする、悪心、息苦しさ
2021年2月16日受診
「2年ほど前からの症状です。口の中で「変な味」がします。酸味のような、金属のような味。食事をしているときは大丈夫です。でも何も食べてないときに、変な味を感じます。不愉快なので、誰もいないときにはいつも舌を出しています。そうすると少しマシな感じがするので。
2年ほど前の同じ頃から、胃腸の気持ち悪さと息苦しさも始まりました。
食欲はあります。でも胸がムッとして受け付けないって感じです。だから、食べれないことがすごくストレスです。
息苦しさは、酸素がうまく吸えてない感じです。深呼吸してさえ、ちゃんと呼吸できてないようなもどかしさがあります。特に過呼吸というわけではありません。
すでに栄養療法を実践していて、食事には気を遣っていますし、MSSのサプリを処方してもらっています」

味覚異常に対して、どうアプローチすべきか?一体原因は何だろう?
たとえば、チェルノブイリ原発事故の救出活動中、多くの作業員が「金属の味を感じた」と報告している。

頭頚部の癌に放射線治療をすると高い確率でdysgeusia (味覚異常)を生じることは、放射線科医にとって常識だろう。つまり、放射線被爆によるmetallic taste。これがひとつの可能性。
「頭部CTをしょっちゅう撮ったりしたことは?」と一応聞いてみる。「子供のときに病気がちでよく入院していました。レントゲンを撮ったことは普通の人より多いかもしれませんが、CTを撮ったことはありません」

「味覚異常」と聞いて、医学部の学生が最初に思い出すべき鑑別疾患は亜鉛欠乏である。しかしこの点については、患者のほうから先回りして「亜鉛のサプリはしっかり摂っています。1日30㎎。むしろ摂りすぎということはないですか?」

薬剤性に味覚異常を起こすことがある。たとえば抗生剤(テトラサイクリン)、アロプリノール(痛風治療薬)、リチウム(躁症状に)などである。これらの薬を飲むと、成分が胃腸で吸収され、体内を巡り巡って、一部が唾液腺に到達する。それで「口の中に妙な味がする」となる。あるいは、抗うつ薬によって口腔内が乾燥(ドライマウス)し、そのせいで味覚がおかしくなることもある。
「薬は何も飲んでいません。飲んでいるのは、サプリだけです」

重金属曝露によって味覚障害を生じ得る。たとえば、水銀や鉛を扱うような職場で、これらの重金属を大量吸引するケース。
「コンサル業をしています。仕事で重金属に接する機会はまずないです」

うーむ、分からない。
こういう場合は、よかれと思ってやっている治療が、逆に症状を増悪させる可能性を疑ってみる。たとえば亜鉛サプリを飲んで「味がおかしくなった」という患者(30代女性)を経験したことがある。亜鉛、銅、クロム、鉄、カルシウムあたりは、過剰摂取によって味覚変化を起こし得る。「ミネラルサプリはどういうのをお飲みで?」
「鉄を1日36㎎。あと、セレン200μgも飲んでいます」
うーん、一応容疑者だけど、保留かな。

要するに、味覚異常の線からは、捜査が行き詰ってしまった。しかし「打つ手なし」かというと、全然そんなことない。他の症状(悪心と息苦しさ)への栄養的アプローチが、同時に味覚の異常をも改善した、となってくれるとありがたい。
悪心は、まず間違いなく、腸のdysbiosisが背景にある。何らかの原因で腸内細菌叢が乱れているに違いない。そこで僕が推したいのは、麹である。味噌汁はもちろん、肉や魚は塩麴で味付けするように努め、麹水を毎日積極的に摂取するよう勧める。必要に応じて、茶麹のサプリも使うといい。
フルボ酸の液体サプリもいい。腸の炎症を鎮める作用もあるが、それより何より、この患者の場合、ミネラル補給の意味合いが大きい。いったん鉄や亜鉛をやめて、フルボ酸に切り替えてみる、というのもありかもしれない。
息苦しさに対しては、何といっても、有機ゲルマニウムである。赤血球の代謝亢進とともに、酸素の発生作用によって、すみやかに息苦しさを軽減してくれるだろう。

3月8日再診。
「悪心は8割方なくなりました。食事が食べられるようになりました。息苦しさも8割なくなりました。息をしても酸素が吸えてないような、あの妙な感覚はなくなりました。
舌の変な味については、あまり変化ありません。せいぜい、多少効いたかな、程度です。

効果を一番実感したのはフルボ酸です。私、鉄については、これまでずいぶん悩ましい思いをしてきました。
若い頃からずっと貧血持ちで、冷え性、立ちくらみ、生理痛やPMSなど、いろいろな症状に苦しんでいました。栄養療法のことを知って、最初に試したのがヘム鉄です。おかげで冷え性が楽になりました。でも、いま一歩でした。そこで次に、キレート鉄の存在を知って、試してみたんですね。すると、立ちくらみが見事に治まりました。でも、その代わり、気分が悪くなって、便の性状もひどくなりました。
体に合ってないのかな、と思ってキレート鉄をやめると、今度は生理痛がひどくなる。今まで経験したことのないくらいひどい生理痛です。普通に一日を過ごすこともできません。それでキレート鉄を再開すると、生理痛が楽になる。でもやっぱり気分が悪くなって、便も真っ黒で。やめると、また生理痛がひどい。
進むも地獄、戻るも地獄といった有り様で、本当に困っていました。そこで、先生が勧めてくれたフルボ酸です。今、鉄剤は何も飲んでないです。でもまったく貧血っぽい症状がありません。いつもPMSの頭痛がひどいんですが、この前来た生理では全然頭痛がありませんでした。こんなことは私の人生の中で初めてです
貧血もなく、便の状態も最高で、生理痛もない。本当に助かりました。

ゲルマニウムの効果にも驚きました。飲んでから、息苦しさが激減しました。ちゃんと酸素が吸えることのありがたさを、しみじみ感じます。
ただ、ゲルマニウムは多すぎると、ちょっとしんどくなるようです。1瓶を1週間で飲む程度が私には合っているようです。一気に多めに飲むと、少し苦しい感じがします。

先生、前回の診察のあとで思い出したんですが、考えてみれば、私、変な味は2年前どころか、20年以上前、独身時代からときどき感じていました。さびたスプーンをなめたような味です。実際にさびたスプーンをなめたことはありませんが(笑)」

結局、この患者の「変な味」については、うまく治すことができず、現在も経過フォロー中である。しかし、悪心と息苦しさに関しては、処方がばっちりはまったようだ。
すでに有機ゲルマニウムについてはそれなりの症例数を重ねているから驚きはないが、フルボ酸の潜在能力には目を見張るものがある。少なくとも鉄欠乏性貧血の治療において、こんなに理想的な治療法は他にないのではないか。鉄剤の副作用(フェントン反応による活性酸素の発生など)がなく、鉄以外のミネラルも同時に補給できる優れモノで、もはや鉄剤を使う理由がなくなってしまう。
僕もまだ手探りで全体像を把握しているわけではないが、その有効性が広く知られれば、少なくとも鉄欠乏性貧血の治療において、鉄サプリをすっかり駆逐してしまう可能性があると思う。

 

有機ゲルマニウムの治験2

2021.2.22

治験、と呼べるほどたいそうなものではない。ただ、ゲルマニウムの何たるかをまったく知らない2人の男児(7歳児がADHD、5歳児が自閉症)に、有機ゲルマニウムを飲ませてみたのである。
2人は兄弟で「放課後等デイサービス」の利用者である。両親が逮捕されて刑務所に服役中のため、彼らは母方の祖父母宅で暮らしている。言うことを聞かない子供らを祖母が怒鳴り散らし、近所から虐待を疑われて児童相談所に通報されたことも一再ならずある。
関係者全員が困っていた。学校の担任も「放課後等デイサービス」の管理者も子供らの対応に手を焼いていたし、祖父母も困っていた。そして何より、一番困っていたのは、この子供たち自身だろう。感情が爆発して、自分で自分をどうしたらいいのか分からない。
とにかく状況は最悪で、これ以上悪化のしようもないほどだった。
この子供たちにゲルマニウムを無料で提供し摂取させた。そして、その変化を観察する。これが今回の「治験」の目的である。

2020年8月1日祖父母、男児2人来院。
祖母が語る。「もう、私、参っています。子供たちもムチャクチャですが、それを見て自分を抑えられなくて。つい2日前にもひと暴れして、近所の人に「虐待してるんじゃないか」って思われて、警察に通報されました。警察が来てその相手して、それでもう神経が参ってしまいました。
子供らは、上の子がADHDと反応性愛着障害、下の子が自閉症と診断されています。
上の子が、我が強くなってきてやたらと反抗的で、それで怒ることも増えてきて。つい大きな声が出て、それが外に聞こえてしまう。
食事は基本、作るようにしてるけど、私も疲れてて、スーパーでできあいのものを買ってきて食べることも多い。朝はパン。お菓子もよく食べます。というか、お菓子が主食と言ってもいいくらい。特に上の子は偏食がひどくて。
何か嫌なことがあると、すぐにキレます。今日も、神戸に行くということで「アンパンマンミュージアムに連れていけ」と暴れました。内容は可愛いかもしれないけど、デタラメな要求をしてくるあたりがもうヤクザみたいで。
授業にすべて参加することはできません。1人の先生が8人を見るという特別な対応で見てもらっていますが、それでも聞かないので、1対1で見てもらおうかと思っています。
下の子は繊細ですが、思い通りにいかないと1時間でも2時間でも泣き続けたりします。でも最近では上の子の影響か、キレることを覚え始めて、つい先日も幼稚園で他の子にかみつきました」

この診察のときにも、子供らはじっと座っていることができない。お兄ちゃんはすぐに診察室を出て行ってしまい、それを祖父が追いかけ、弟もその追いかけっこに加わる、といった具合で、普通の診察の体をなさない。
本来治験であれば、ゲルマニウムの有効性を知りたいわけだから、食事などの生活習慣は何も変えず、ただ「ゲルマニウムを服用する」というその一点のみを違えて、症状の変化を見るものである。しかしこの家族は悠長にそんなことをしている場合ではない。心身ともにストレスの極みにあるおばあちゃんが崩れれば、家族崩壊は必至である。即刻、僕の持てるすべてのものを突っ込む必要があった。

甘いもの、小麦、乳製品をやめるように指示した。こう言われても、恐らく子供たちはお菓子をやめないだろう。しかし、それでもいい。基本的には、食べちゃダメなんだという認識を持ってもらい、それによって少しでも摂取量が減れば”よし”とする。いきなり百点は求めない。

サプリとしては、ゲルマニウム以外に勧めるものとして、まず、CBDオイル。家族崩壊の危機が差し迫っているのだから、CBDオイルの即効性に期待したい。これは子供たちだけではなくおばあちゃんも服用するといい。気分の苛立ちを速やかに静めてくれるだろう。CBDオイルの風味は独特である。子供たちは偏食だというから「味が無理」と言って飲まない可能性が想定される。「そういう場合は、子供らが寝てるときに、こっそり足の裏とかおでことかにCBDオイルを数滴たらして塗ってあげてください。経皮的にちゃんと吸収されますからね」

近年ADHD、自閉症などの発達障害が急増している。「ワクチンの接種本数に応じて増加しているのではないか」という指摘がある。ワクチンに含有される毒性物質には様々あるが、ひとつには重金属(水銀、アルミ)がある。重金属のデトックスには、メチレーション回路を回してやるといい。そのためには、ビタミンB6、B12、葉酸、B2、ベタインあたりの栄養素を補うといいが、子供たちは恐らく普通のサプリは飲まない。甘く風味付けしたチュアブルタイプなら喜んで食べるだろう。基本、糖分の摂取は減らしたいところだが、ビタミンの補充が何より優先される状況であるから、このタイプのサプリをひとつお勧めした。

さりとて、一応「治験」である。ボランティアではない。おばあちゃんには、子供らの評価者としての仕事をお願いし、事前に作成していたチェックシートを手渡した。食事量、間食の量、便通、睡眠時間、寝起き、集中力、意思疎通、表情などを5段階で評価してもらうものだ。これで子供らの経時的な変化を追いかけることにした。

まず、飲み始めてすぐの変化を知りたかったので、1週間後に再診とし、その後は1か月おきに診察しフォローした。
長い経過を端折って、直近(2021年2月20日)の受診時の様子をお伝えしよう。
診察室の待合で、お兄ちゃんは祖父の肩叩きをし、「あー、気持ちええわー」という祖父の横で、弟は鬼滅の刃のフィギュアで遊んでいる。
僕がお兄ちゃんに「最近調子はどう?」と声をかけると、自分の口元を示してイーンして「きのうここの歯が抜けてん!大人の歯が生えてきた」という。どこにでもいる可愛い子供で、僕は覚えず声出して笑った。
祖母の話。「お兄ちゃんは授業に普通に参加しています。椅子にじっと座って。以前は問題行動を起こして、職員室の常連でした。この前校長先生とたまたまお会いしたのですが、こう言われました。「最近職員室に全然来てくれませんね。すっかりいい子になってしまって何だか寂しいです」と(笑)。友達ができてみんなと遊ぶようにもなりました。
以前は学校に一人で行くことができず、主人が付き添いで行ってたんですが、今は一人で行くようになりました。
私が何か指示すると、ひとまず聞いてくれて、何かしようとするようにはなりました。前は指示するとその時点で反抗していましたが、今はだいぶ落ち着きました。
下の子も穏やかです。幼稚園で誰かを叩いたとか、そういう話を聞かなくなりました。
食欲は二人とも増えましたが、特にお兄ちゃんがすごいです。甘いものは大好きで、正直今でもかなり食べています」

症状の改善ぶりは誰の目にも明らかだった。これで、ひとつの家族が救われた、と考え、この「治験」は終了とした。浅井ゲルマニウム研究所のご厚意で有機ゲルマニウムを無償で提供していたが、それも終了となる。「ご希望であれば自費で購入を」と伝えたところ、おばあちゃん、「ゲルマニウムはもういい」という。「やっぱり高いしねぇ」
できれば続けて欲しいと思ったが、家庭の経済事情もあるのだから、やむを得ない。かつて「お菓子が主食」だったところ、普通の食事をきっちりとれるようになったのだから、ゲルマニウムをやめたとしても以前のように大崩れすることはないだろうとは思う。しかし、大丈夫かな。
ともかく、待合室で見た家族の風景(お兄ちゃんが祖父の肩を叩きその横で弟が遊んでいる)は、栄養状態の改善がもたらしたひとつの「完成図」である。こんな風景は、去年の8月時点では、誰も想像できなかった。
有機ゲルマニウムは、まるで何事でもないように、さらりとこういう奇跡を演出する。

 

末期癌とゲルマニウム

2021.2.20

【症例】77歳男性
【主訴】前立腺癌末期(stage D)
2021年1月末受診。患者本人は来院できず、代わりに娘さんが来て話をされた。
「3年前に前立腺癌と診断されました。手術、放射線、抗癌剤などできることはすべてやりましたが、治療の甲斐なく現在終末期です。骨転移があり全身の痛みもひどいです。
3年前に手術しましたが、膀胱のほうにある腫瘍をとりきれなかったとのことで放射線治療を受けました。さらに抗癌剤も2年間続けましたが、最終的に体力が持たず、去年の夏には抗癌剤をやめました。すると前立腺癌のマーカーのPSA値が急激に上がって医者からは「年内もたない」と言われていました。
入院して抗癌剤治療を受けていたのですが、今は在宅療養です。医者の予想に反し年内は比較的元気に過ごせていたのですが、年が明けてここ1か月で急激に弱ってきて。
採血では、ひどい貧血があって内臓関係のマーカーも悪化しています。ここ2、3週間は自宅のベッドで横になっています。貧血のせいで、立ち上がると息が上がって、トイレにいったん座るとまた立ち上がるのもきつい有り様です。
往診の医者からは「輸血が必要」と言われています。「来週には返事して」と。
私としては迷っています。輸血となれば訪問診療では無理で、また入院になります。それとも、輸血を受けずに家でこのまま様子を見るか。
貧血さえ改善すれば輸血の必要もなくなり家で過ごせます。この貧血を何とかする方法はないでしょうか?」

確かに、末期である。ご家族としても多くは求めていない。ただ、最後の日々を家で穏やかに過ごして欲しい、という思いである。
しかしお薬手帳を見て、何とも悲しい気持ちになった。降圧薬、抗糖尿病薬、ステロイド、スタチン、鎮痛薬。末期でもこんなにたくさんの薬を飲まないといけないものか。
「糖尿病は抗癌剤の副作用で発症しました。そこにステロイドを使ったことで血糖値がさらに悪化して、それで糖尿病の薬を使うことになって。これでも薬はずいぶん減らしてもらったほうです」
こういうのは、医療の形をとった殺人だと思っている。医者の言うがまま医療のなすがままに流されると、こうなっていく。
そう、僕の仕事は、医療がもたらしたダメージを極力緩和することである。
貧血の解消にはゲルマニウムを勧めたい。息切れは酸素不足が原因だが、ゲルマニウムは服用後すぐに組織中で酸素を発生させる(『本多藤嶋効果』)。さらに中長期的には、赤血球の代謝を促進することで末梢の酸欠を解消する。癌性疼痛を抑える助けにもなるだろう。
その他、抗癌作用のあるサプリを数種類勧めた。

2021年2月19日再診。やはり、娘さんのみ来院。
「先日亡くなりました。誤嚥性肺炎です。
その日、朝は普通でした。昼頃咳き込んでる様子を見て、危ないと思って在宅医療の先生を呼びました。そしたら先生が来られるまでに、自分で咳して嘔吐して、それで普通に戻ったんですね。それから先生が来ました。
簡易の血液検査をしたり聴診器で呼吸音を確認して「特に問題ない」と。それで先生が帰りました。でもその後に水を飲んで、それでまた咳き込んで。先生をもう一回呼んだけど、今度は2時間半くらい来なくて、その間に亡くなりました」
僕は黙って娘さんの話を聞いていた。こういう話は初めてである。患者の代理で来た家族が「その当の患者が亡くなった」と言いに来ている。ただ、話の口ぶりから、「父を救ってくれなかったな!」と僕に対して怒っているわけではないことは分かる。ただ娘さんは、起こったことを淡々と説明している。
「そう、亡くなったことは残念でしたが、最後にやった簡易採血の結果を見て、私、驚きました。ヘモグロビンが8.3に上がっていたんです。以前は6くらいしかなかったのが、8になってて。そのことを在宅の先生に指摘すると、「こんなことはあり得ない」って言ってました。「何かのミスだろう」って。私は絶対ゲルマニウムの効果だと思うんです。
ゲルマニウムを飲んだのは、たった数日のことです。でもその数日で、父の症状が全体的に落ち着きました。「何か息苦しさがだいぶ楽になってきた」って父もはっきり言っていました。トイレに行くぐらいは当たり前にできるようになったし、しゃべっていて息切れするなんてことがなくなりました。弟や家族ともラインをするぐらい元気になりました。光を見た思いでした。「このまま元気になっていくかもしれない」と思いました。
ヘモグロビンが8に上がっていることを父に伝えました。「これだと輸血しなくても済みそうだよ」って。そう、亡くなる直前まで、父と普通に会話できてたんです。
癌で死んだ、って感じじゃないんです。安らかに亡くなりました。
私、今日は先生にお礼を言いにここに来たんです。ゲルマニウムのおかげで、父との最期の時間を穏やかに過ごすことができました」

そうですか。それはよかった。いや、よかった、と言っていいのかな。しかし最期をその人らしく過ごす助けになれたとすれば、よかった。

ちょうどこの日、浅井ゲルマニウム研究所の中村宜司さんが当院に来られた(関西に出張で来られたときは僕のところに立ち寄られ晩御飯などをご一緒する)。それで上記の患者のことを伝えた。中村さんいわく、
「ヘモグロビンが数日の短期間で6から8に増えた。それが一般的な経過であるかどうかは分かりません。ただ、酸欠による呼吸困難感を解消する作用は確かにあります。
それと、癌などでターミナルの人がゲルマニウムを服用し、その目覚ましい効果を目の当たりにすることで、患者のご家族がゲルマニウムのファンになることはよくあります。患者がどれほどつらいか、家族は間近にそれを見ているものだし、ゲルマニウムの劇的な力も、同時に見ているものだからです。
この患者さんも、もっと早く先生のところに行っておられたら、違う結果になっていたかもしれません。
ただ、人間は”いかに生きるか”だけではありません。人生の終わりをどう迎えるか、というのも大切です。亡くなる本人にとってもですが、それ以上に、最期を看取る家族にとって」

 

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