使用症例

使用症例

頭鳴り、有機ゲルマニウム、ケイ素

2021.2.16

耳鳴り、という言葉は皆さん聞いたことがあるだろうし、実際経験したこともあるだろう。しかし、頭鳴り(ずなり;正式な医学用語ではなく耳鼻科医の間で習慣的にこう呼ばれている)、はなじみがないと思う。
頭鳴りに悩む患者は、たとえばこんなふうに言う。「耳鳴りとは違います。音の感じも聞こえる場所も全然違います。頭の上のほう、頭頂部で、荒らしが吹いているようにゴーと聞こえます。耳鳴りのキーンとは明らかに別物です」
僕は耳鼻科医ではないが、これまでに2人頭鳴りを訴える患者を診たことがある。そのうちの一人の治療経過を以下に供覧します。

【症例】60代女性
2020年10月、当院初診。
「1月頃から頭の後ろのほうでセミが鳴いてるような音がします。ジーっという音です。脳神経外科でCTとか聴力検査とかいろいろ受けましたが、何も問題ないと言われました。薬が出ましたが、まったく効かないので飲むのをやめました。
いえ、耳鳴りではありません。明らかに頭の中で鳴っています。耳と耳の間、頭の後ろのほうです。夜寝るときなんかは周囲が静かなので、頭鳴りが気になって眠れません」
この患者は実に、”病院好き”で、他院からコレステロール降下薬や骨粗鬆症治療薬などを処方されている。毎年のインフルエンザワクチン接種も欠かさない。

さて、どのように対処すればいいか?
まず、頭鳴りは聴神経の症状である。神経症状の背後には、腸の不調が隠れているものだから、とりあえず食事の改善は絶対の必要条件。
さらに、不要な薬もやめたい。特にコレステロール降下薬は万病のもと。問答無用でやめさせたいが、主治医もいることだし、あまり出しゃばった真似はできない。「統計的にはコレステロールの高い人ほど、寿命が長く、癌にかかりにくいんですよ。あまり無理して下げることないですよ」とだけ言っておく。

さらに、やはり、ワクチンである。
ワクチンは腸内細菌叢を乱す原因として無視できない。腸内細菌の乱れは、神経症状を引き起こす。実際、こんな論文がある。
『ワクチン接種後に急性耳鳴と永続的聴神経障害を発症した症例』
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14974438/
『ワクチン接種の2日後に両側性難聴を発症した症例』
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30118641/

ワクチンの後遺症であったとしたら、どのようにすればいいか?
ワクチンには様々な有害物質が含まれているが、インフルエンザワクチンの場合、特に重金属に気をつけたい。

『重金属のデトックスを高める方法~レビュー』
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3654245/
このレビューの中で、重金属の排出を促進する様々な方法が検証されている。有効性が確認されているものを列挙すると、食物繊維(ぬか、果物など)、藻類のアルギン酸、クロレラ、ペクチン、含硫ペプチド(ニンニク、ブロッコリなど)、パクチー(コリアンダー)、タウリン、メチオニン、アルファリポ酸、ビタミンC、E、グルタチオン、NAC、セレンといった成分である。

「ニンニク、玉ねぎなどのネギ科植物やブロッコリ、パクチーなんかを積極的に食べるといいですよ」と一応勧めたが、普段の食生活でそんなに多用される食材でもないから、この方面からの効果はあまり望めないだろう。
そこで、サプリの出番だが、あまり多種類大量のサプリを勧めても、やはり、当惑してしまうだろう。シンプルに何か一つだけ勧めるとすると、有機ゲルマニウムを勧めたい。
有機ゲルマニウムは肝臓と腎臓でメタロチオネインの発現を誘導し、カドミウムや水銀の排出を促進することが示されている。
http://www.yakhak.org/journal/view.html?uid=939&page=&pn=mostread&sort=publish_Date%20DESC&spage=&vmd=Full
https://www.researchgate.net/publication/20113433_Therapeutic_effects_of_organic_Germanium

そこで、こちらからは有機ゲルマニウムだけをお出しし、経過を観察することにした。
11月再診時。「まだ鳴ってるけど、多少マシにはなった」
効果があってよかった。しかし本人はもっとよくなりたいと思っているし、僕としてもきっちり治してあげたい。飲みにくいだろう、と思って遠慮していた、液体のマグネシウムを勧めた。
12月再診時。「まだ症状はある。波があって、日によってあまり聞こえない日もあれば、逆にひどいときもある」
ここで、ケイ素を勧めることにした。何かとワクチンの好きな人だから、水銀ばかりではなく、アルミの蓄積量も多いのではないかと踏んだ。
ケイ素の摂取によって、アルミの排出が促進されることにはエビデンスがある。
『ケイ素水によるアルツハイマー型認知症の”アルミ原因仮説”の検証』
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22976072/

「好きな芸能人は?」と聞くのと同じ感じで「好きな論文は?」と聞かれても、一般の人は「そんなもん知らんがな」の一言だろうけど(笑)、僕にはいくつか好きな論文があって、この論文はそのうちのひとつ。
アルミが認知症の原因ではないか、ということは昔から言われていた。でも人間相手にアルミを投与して認知症になるかどうかを検証することは、当然倫理的に許されない。そこで著者らは、帰無仮説(「アルミ負荷を軽減してもアルツハイマー病の発症、重症度、進行に何ら影響を与えない」)を立てて、その否定によって、アルツハイマー病のアルミ原因説を見事に立証した。僕はこの手法の鮮やかさに感動した。推理小説を読むみたいに、おもしろいと思った。
そう、こういうわけで、この人にケイ素を使ってみようと思ったわけ。

2月15日受診時。
「以前よりもだいぶいいです。頭の中のセミの声は、以前を10とすると、今は0か1です。今も聞こえるといえば聞こえるけど、ほぼ気になりません。音が小さくなって生活が楽になりました。一年鳴り続けていて全然治らなかったのに、本当に改善してよかった」

よかった。
この症例は『ゲルマニウムとケイ素の併用が頭鳴りに著効した一例』みたいなタイトルで、論文投稿してもいいような話かもしれない。というのは、一般に頭鳴りの治療法は存在しない、つまり、「頭鳴りは治療不能の疾患」とされているので。頭鳴りに悩む患者や治療に難渋する耳鼻科医にとって、有益な情報になるかもしれない。
考えてみれば、ゲルマニウムとケイ素はどちらも14族元素である。炭素同様、結合する手が4本ある元素がどちらもデトックスに働く、というのは偶然なのか何なのか、おもしろいと思う。一緒に飲むことで何らかの相乗作用があるのかもしれない。

 

不登校とゲルマニウム

2021.2.14

【症例】9歳男児
【主訴】チック、不登校、皮膚掻痒感
【現病歴】
2020年3月、コロナ自粛が始まった頃あたりに「ざわざわした気持ちになる」といって学校に行けなくなった。学校だけでなく、外に出ること自体が難しくなった。
同じ頃から全身にチックと皮膚のかゆみが出始めた。皮膚科に行って薬(飲み薬、塗り薬)を使うも改善しない。同年9月、当院初診。
お母さん「2018年にこの子の父、私の夫が亡くなったんですね。それ以後、おかしくなったと思います。そこにコロナ自粛の影響が加わって、ますます悪化したようです。本人も『パパに会えなくて寂しくてこんなふうになったと思う』と言っています。カウンセリングのような治療を受けた方がいいでしょうか?
3歳の頃から入退院を繰り返して、もともと病弱な子ではありました。でも活発で、外で体を動かすのが好きですし、本が好きで図鑑を一日中読んでいてもあきないようなところもあります。
それが、最近は明らかに元気がなくなって、何もせずに横になっていることが多いです。食事量も減っています。睡眠についても、今まで9時には寝れていたのが、最近は気持ちの不安定からなかなか寝れないことも多いです。
学校に行きたい思いはあります。ただ、急に人混みが苦手になりました。学校もそうですし、電車とかレストランとかに入るのも抵抗があります。
皮膚は以前はすべすべしてきれいでしたが、最近は全体的にガサガサしています。軟膏を塗っても効きません。皮膚のせいなのか、お風呂も嫌がります。皮膚の感覚異常でしょうか。
チックも夫が亡くなった頃に始まりました。音声チックと運動チック、両方あります。音声チックは、同じ言葉を2,3回繰り返したり。運動チックは、ジャンプしたり、ぎゅっと目をつむったり。最近チックがあまりにもひどいので病院に行ったら、ADHDに効く薬を処方されました。ネットで調べると、ほぼ覚醒剤に近い薬だと。怖いのでまだ飲ませていません。お守り代わりに持っていますけど」

さて、どうしたものか?
本人は、父に会えない寂しさのせいで様々な不調が生じたと考えている。人間は、肉体という物質的な存在であるばかりではなく、心という精神的な存在でもあるから、こういう本人の解釈モデルは大事である。だから、カウンセリング的なアプローチも、一度は試してみてもいいかもしれない。
ただ、一般論として、普通の人間は寂しいからといってチックを発症しない。他に原因があるに決まっている。そこで、探りを入れてみる。「ワクチンをよく打っていた、ということはありませんか?」
「夫は白血病でした。感染症にかかってはいけないと思い、ワクチンは欠かさず打つようにしていました。インフルエンザはもちろん、麻疹、風疹の追加接種なども積極的に受けました」
ああ、なるほど。
さらに、採血データを見ると、
中性脂肪 49 mg/dl ヘモグロビン 12.9 g/dl コルチゾール 4.4 μg/dl
中性脂肪が低い。なぜか?
まず、血中の脂質成分(コレステロールなども含めて)は、食事に由来するのはごく一部であり、多くは腸内細菌叢により生成される。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6947520/
また、以前にも触れたことがあるが、ワクチンは腸内細菌叢に壊滅的な打撃を与える。「ワクチンによって自閉症になる」などというと、ワクチンがまるで脳神経系に直接的に影響しているようだが、機序的には、ワクチンが、まず腸にダメージを与え、次いで神経系の症状が出る(腸脳相関)と考えた方が実相に近い。
実際、ワクチン(具体的にはアジュバントとして含まれるアルミニウム)を投与すると、中性脂肪(長鎖不飽和脂肪酸、短鎖脂肪酸とも)が減少することが示されている。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31625748/
また、ヘモグロビンも低い。これは、ワクチンによって腸がダメージを受けたことと関係している。「造血は腸で行われる」という腸造血説は千島喜久雄博士によって提唱されたが、長らく学界から異端視されていた。しかし、近年の腸内細菌叢の研究が、ついにこの説の正当性を認めた。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4144825/
さらに、コルチゾール低値も、ワクチン接種の影響として説明できる。機序としては、ワクチンに含まれる毒性物質が副腎の内出血を引き起こす。具体的には、副腎の外側にある球状層(一定量の脂質を含む)に壊死が起こり、さらに内側の索状層でも脂質が急激に減少する。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18486508/
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsb1944/37/4/37_4_761/_article/-char/ja/
もっと直接的に、ズバリ、ワクチンに含まれる水銀(チメロサール)の曝露とチック症の発症率に関する研究がある。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4961900/

要するに、僕としては、この子の不調はすべてワクチンの副作用で説明がつくと思っている。
そこで、どうすべきか。
まず、食事の改善である。次に、腸内細菌叢の改善や重金属の排出を意識したサプリ(具体的には有機ゲルマニウム、マグネシウム、メチルガードあたり)を勧めた。

以下、その後の経過である。
10月受診時。
「チックが少し治まっています。かゆみに関しても、かさかさがマシになっている印象です。不安感も軽減しています。以前の不安を10とすると、今は3ぐらいでしょうか。
学校に行くのはまだ難しいですが、週に1回、保健室登校ならできるようになりました」

12月受診時。
「チックはほとんど出ません。出るとしても1日に1回くらいです。感情と連動していて、興奮すると出ます。日常的に出るということがなくなってきました。
学校には少し行けるようになりました。11月は週に2,3回とか。行っても1時間くらいです。それ以上は、気持ちがしんどくて耐えられず、帰ってきます。それでも、少しずつでも学校に行けるようになったことは、すばらしい進歩だと思っています」

おとつい(2月12日)受診時。
「学校に週3,4回は行けるようになりました。週4回だと翌週にしんどさが持ちこしてしまうようで、週3くらいがちょうどいいようです。授業への集中力も高まってきました。
先生、いろいろサプリを出して頂いていますが、はっきり確信したことがあります。この子に一番効いているのは、間違いなく有機ゲルマニウムです。
というのは、ゲルマニウムが切れたことがあったんですね。でも、「最近順調だし、まぁいいや」って飲まずにいたんです。そうすると、2,3日してまたチックが激しくなって。ひきつけみたいなひどいチックは久しぶりでした。学校に行くのもおっくうになって、集中力も下がりました。
この経験から、やっぱり絶対ゲルマニウムだなって、私も本人も分かりました。
体調が改善するにつれ、お父さんのことを思ってふさぎ込むこともなくなってきました。少し前に三回忌がありました。いつも命日が近付くとナーバスになるのですが、今年はずいぶん穏やかに乗り切れました」

「白血病で免疫力が弱る旦那さんへの配慮として積極的にワクチンを打ち、結果、そのワクチン接種が遠因となって、心身の不調を生じた」というのが僕の想定する作業仮説である。ただ、この仮説は「お父さんが亡くなったせいで学校に行けなくなった」という患者の解釈を否定するものではない。このあたりは、ひとまず「そうやなぁ。お父さん亡くなって寂しいなぁ」と共感的に聞いておくだけでいい。
腸内細菌叢が改善し症状が改善してゆくにつれ、心の傷も次第に消えてゆく。
そう、心の傷の背景に、体の傷が隠れていることの、何と多いこと。

 

怖い話

2021.2.3

【症例】30代女性
「夜中にトイレに起きます。それは昔からなんですが、2週間前から、トイレに行った後、寝れなくなってしまって。
子供が夜9時に寝るので、私も一緒に寝ます。トイレに行くのは夜の2時とか3時とか。以前はトイレに行った後も、普通に再入眠できていたんですね。でも、それができなくなって。
これにははっきり、きっかけがあります。
私、寝る前にYouTubeを見ます。2週間前、ある怪談の動画を見たんでが、それが、もう、めちゃくちゃ怖くて。半端じゃない怖さだったんです。
怖すぎて、それ以来、体調がおかしくなりました。まず、寝付きが悪くなりました。ようやく寝ても、やはり深夜に中途覚醒があります。今までなら何も考えずにトイレに行って布団にまた戻って寝れていたのが、怖くてトイレに一人で行けないんです。子供みたいな話で恥ずかしいんですが。
それで最初は、主人を起こしてトイレについてきてもらっていました。でも起こすのも申し訳ないので、今は怖いのをこらえて、一人でトイレに行きます。恐怖と緊張ですっかり目がさえて、布団に戻っても、もう寝るような状態じゃありません。
いろんな怪談の動画を見てきましたから、なんというか、怪談を見る目は肥えているほうだと思います(笑)いつもなら「ああ、怖かった。ああ、おもしろかった」だけで終わるところ、その動画だけは、妙に信憑性があるっていうのかな、恐怖の”ツボ”みたいなのをズボっと突かれた感じです。こんなの見るんじゃなかったって、後悔しています。
霊感はまったくありません。ただ、一度だけ不思議な現象を経験したことがあって、”そういう世界”があるんだろうなとは思います。
この動画を見て以来、怪談の動画を見るのはやめました。ああいうのは軽い気持ちで見ちゃダメだなと思って。今はお笑い系の動画しか見ません(笑)」

話を聞きながら俄然興味がわいたのは、「一体どんな動画なんだ」ということである。
怪談慣れしている女性である。その彼女が恐怖のあまりトラウマになり「もう怪談を見るのをやめる」と決意させてしまうほどの動画とは、一体どれほど怖いのか。

「ある女性に霊が憑りついて、霊能力者がその霊をお祓いするんですが、結局除霊しきれず、その女性が死んでしまう、というのがおおよそのあらすじです。話す人がうまくて、きれいにイメージが浮かんで、そのせいで妙に怖くなって。
主人にも一度その動画を見てもらったんですね。でも主人は、「ふーん」みたいな感じでした。「まぁ怖いといえば怖いけど、いうほどかぁー?」って。
その動画のコメント欄見ても、私ほど怖がってる人はいないみたいでした」

「ぜひその動画を見てみたい。何ていうユーチューバーの投稿ですか?」
診察後、その動画を見てみた。その感想は後ほど。

僕がまずやるべきは、この女性の治療である。ある種のPTSD(心的外傷後ストレス障害)と言っていいだろうが、こういう「心の傷」に対して栄養的にアプローチするなら、まずはナイアシンを勧めたい。拙訳『オーソモレキュラー医学入門』のなかに、日本軍の戦争捕虜になったトラウマのせいでまともに日常生活を送れなかった男性がナイアシンを飲むことでトラウマから解放された話が出てくる。
あるいは、ゲルマニウムが心の傷を癒すこともある。

【症例】20代男性
「ゲルマニウムを飲み始めてから、不思議なことがありました。昔の記憶が鮮明によみがえるんです。たとえば朝、目が覚めたときに、テレビの映像を見るように、昔の映像がよみがえります。いい思い出も悪い思い出も全部です。フラッシュバック、って言うのかな。いえ、そんなにつらい感じはありません。ただ、「ああ、こういうことがあったな」って感じです。確かに自分のことなんですが、映画を見るように、淡々とした気持ちで映像を見ています。このフラッシュバックの経験をしたことで、「自分のうつ症状はトラウマ的な要素がからんでいるのかな」と思いました。
私、中学、高校と陸上をやっていたんですね。短距離走で、毎日ハードな練習をしていました。自分で言うのもなんですが、全国大会で上位入賞したこともあります。でもオーバーワークから故障してしまい、選手生命が断たれてしまいました。そのせいで大学の推薦もとれませんでした。
でも、今でも陸上が好きなんです。テレビなんかで陸上の番組をやっていると、つい見てしまいます。そして、必ず落ち込みます。
なぜ落ち込むのか、自分でも分からなかったんですね。でもゲルマニウムを飲んで、過去の記憶を思い出すようになってから、なぜ自分が落ち込むのか、ようやく分かりました。「自分は深く傷ついていたのだな」と。自分で自分のことって分からないものですね。僕は何となく、「大学の推薦がとれなかったせいでへこんでた」のかなと思っていました。違います。「誰よりも速く走りたい」。その一心で練習に打ち込んできたのに、その夢がついえた。僕はそのことに強いショックを受けていたんだ、ということが、初めて理解できました。

他にもあります。勉強していると、妙に気持ちが下がってくるんですね。「おかしいな」って思ってたんです。たとえば数学の問題を解いてハイになってきて、むしろ楽しく感じるはずのときに、急にうつっぽくなって。自分でもその理由が分かりませんでした。
でもゲルマニウムによるフラッシュバックを経て、気付きました。私は中高一貫の進学校に通っていて、勉強面でもトラウマがあったんですね。劣等感と優越感のうずまく教室の記憶がよみがえって、「ああ、自分はああいう空気がたまらなく苦痛だったんだな」と分かりました。

最近、うつ症状がなくなってきました。有機ゲルマニウムが過去のトラウマを、浄化というか成仏というか、きれいに消し去ってくれたおかげだろうなと自分では感じています。いえ、忘れたわけではありません。記憶はもちろん残っています。でも、かつて感じていた生々しい痛みがすっかり消えた、という感じです。

あと、陸上の記憶を思い出してから、不思議な偶然が連続して起こりました。私にとっては、ユングのシンクロニシティのような劇的な偶然です。
プロ野球選手の○○選手、彼は昔陸上をやっていました。私、全国大会で彼と同じブロックになり、競い合ったことがあります。私の負けでした。つらい記憶です。朝、その記憶を思い出したその日に、○○選手がプロ入りするというニュースを見ました。信じられませんでした。こんな偶然があるのか、と思いました。
他にも、昔陸上の全国大会で知り合って連絡先を交換したけど、携帯の故障のせいで連絡取れなくなった人から、ラインで急に連絡が入ったり。そういう偶然もありました」

有機ゲルマニウムによってうつ病が治った旨の報告はすでに多くあるから、別段特にどうということはない。
ただ、上記患者のような治り方、ゲルマニウムが服用者の心的外傷を癒し、結果、うつ病が治った(少なくとも本人の解釈モデルはそうである)、という話は、僕も初めて聞いた。
浅井ゲルマニウム研究所の中村さんにこの話をしたところ、中村さんいわく、
「過去に同様の話を聞いたことがあります。ただ、かなり珍しいと思います。
うつ病に効く機序としては、カテコールアミンとの相互作用で精神的緊張を緩和する可能性がありますし、ドーパミンとの作用性による脳神経系への影響もあろうかと思います」

以前のブログで、レシチンで過去のトラウマが消失した、という話を書いたけど、この人もゲルマニウムを飲んでいた。
実はレシチンの作用ではなくて、ゲルマニウムの効果だったのかもしれない。

 

有機ゲルマニウムとリウマチ

2021.1.7

以下に二つの症例を供覧するが、いずれもリウマチを主訴とする50代女性で「ゲルマニウムを飲みましたけど、全然効いてる感じがしません」という共通点がある。
【症例】50代女性A
【現病歴】5年前からのリウマチ。最初メトトレキセートとエンブレムで治療開始したが1年後に肺炎を発症し、入院したことをきっかけに同薬剤を中止。その後はステロイドとケアラムの併用を開始。症状は一進一退。手首の腫れ、腕の痛みがあり、症状は日によってばらつきがある。
9月頃より栄養療法を知り、プロテインを飲み始めたところ手首の腫れが悪化。好転症状かと思って、むしろプロテインを増量したが、10月頃より腕や首に激痛が走るようになり、11月にはプロテインを中断した。サプリはNOW社のB50は吐き気がして飲めなかった。
【施療および経過】
有機ゲルマニウム(1日300㎎)服用を指示。
1か月後の再診時「特にひどくもなっていませんが、よくなった感じはしないです」

【症例】50代女性B
【現病歴】2年前にリウマチの診断で投薬治療開始。現在メトトレキセートとステロイドを服用中。足首、手首、指に腫れがある。
その数年前よりレイノー現象(冷えなどで手が蒼白になる)があり、同時に間質性肺炎の診断もされた。以後、インフルエンザ予防のため毎年予防接種を受けていた。
10月頃よりプロテインやサプリを飲み始めた。「たくさん飲むのが大変です。でもリウマチの人のブログとか見てると、みんなたくさん飲んでるし。今のところ効果は全然感じません」
【施療および経過】
有機ゲルマニウム(1日300㎎)服用を指示。
一か月後の再診時。「ゲルマニウム、1本飲みました。でも効果を感じないので、もうその後は飲んでいません」

症状の改善がない、というのは、治療者としてはつらいところである。まずは、多少なりとも改善を感じさせたい。ちょっとでも「あ、いい感じだな」と思えば、患者の治療意欲も上がるものである。「よし、この方向でもう少し頑張ってみよう」と。
しかし効果がまったく感じられないとなっては、不信感が募り始める。「この医者について行って大丈夫か?」と。

上記の症例報告は、無論、簡潔化して書いてある。実際には他に細かいアドバイスやら何やら各論めいた話は当然ある。しかし、今回僕がフォーカスしたいのは、ゲルマニウムである。

ゲルマニウムを1日300㎎服用するように、という指示は、実は非常に控えめである。本音としては、もっとたくさん(たとえば1日1500㎎とか)飲むように言いたい。でも、値段がやや高額であることもあって、僕としてはどうしても遠慮が働いてしまう。悩ましいところだ。
結果を出さないといけない。しかし、あまり出費がかさんでは治療自体の継続が困難、ということにもなりかねない。

たとえば、患者に金銭的な負担が一切なかったとしよう。そうすれば僕は、断言できる。「1日1500㎎、3回に分けてきっちり飲んでくださいね。そうすれば、早いと1,2か月で、遅くても半年以内には改善してきますからね」と。
なぜ断言できるのか?データの裏付けがあるからです。

慢性関節リウマチ患者17人を対象とした以下のような研究がある。
有機ゲルマニウム1500㎎(1日3回分服)で6か月間連日投与した。なお、17人中15人は投薬治療(ステロイド)を受けており、投与期間中も投薬を継続した。
結果、血液所見では、インターフェロンの上昇(15/17)、赤沈の改善(4/17)、RA因子の減少(6/17)が見られた。CRPが陽性から陰性化(もしくは陽性の程度が減弱化)した症例は52.9%だった。
その他、一般症状(疼痛関節の数、朝のこわばり、生活活動度)の改善が80%の症例に見られた。
なお、早い症例では1,2か月、遅い症例でも4~6か月で治療効果が見られた。なお、副作用は認められなかった。(東海大学第四内科 有森茂らの研究による)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsci1978/13/1/13_1_80/_article

80%の症例で改善が見られた。これ、すごい成績だと思いませんか?
研究が改善の可能性を保証してくれてるわけだ。もし患者の金銭面の負担に対して遠慮することなくガンガン勧めることができたとしたら、僕は80%の自信を持って「きっと改善すると思いますよ」と言える。
でも、実際には遠慮してしまうので、1日300㎎程度を勧めるにとどまっている。同時に食事改善や他の栄養素の摂取を併せて行えば、300㎎でも効果が出る可能性があると思ってるんだけど、すでに薬を飲んでるような人では、やはり、なかなか効果が出にくいようだ。

・患者の懐事情なんて忖度せず、パターナリズムを全面に押し出して「こうやれば必ず効く!」を提示するのが医者としてあるべき姿でしょ。
・いや、懐を痛めるのは患者なのだから、金銭面の配慮も当然必要でしょ。
治療の本質とあまり関係ないところかもしれないけど、案外こういうところで悩んでいます(笑)

 

有機ゲルマニウムの治験1

2020.12.29

「放課後等デイサービス」ってご存知ですか?デイサービスといえば高齢者が利用する介護サービスをイメージするだろうけど、「放課後等デイサービス」は、ざっくりいうと、その子供版。障害のある就学児向けの学童保育のようなサービスだ。
僕の知り合いにこの「放課後等デイサービス」の施設を経営している人(T氏)がいる。T氏と雑談しているとき「発達障害には有機ゲルマニウムがいい」という意味のことを言うと、T氏、にわかに興味を示し「そんなにいいものなら、うちの利用者にも効くか?」「効くと思います」「処遇困難というか、手を焼いてる子が何人かいる。そういう子にも効くか?」「少なくとも、症状軽減のお助けにはなろうかと思います」そういうやりとりがあった。

「効くと思います」というのは僕としてはずいぶん控えめな表現である。「絶対効きます」と断言してもいいのだけど、あえて控えめに言うことにしている。僕の臨床経験的には、発達障害に対する有機ゲルマニウムの有効率は100%である。効かなかったためしがない。ただ、患者(およびその家族)が求める基準は人それぞれだから、患者満足度100%とはいかない。「少しでもいいから症状を回復させてくれ」という患者にとっては充分満足のいく結果だったとしても、「普通児と変わらないレベルまで回復させてくれ」と求める水準の高い患者にとっては不満、ということはあるだろう。それゆえ、僕はあえて控えめに言う。もちろんゲルマニウムによって”よい方向に変化する”ことは間違いなく、この意味でゲルマニウムの有効率は100%である。

放課後等デイサービスを利用する児童には、知的障害や自閉症、ADHDなどの発達障害を持つ子供が多い。僕は想像するのだけど、こういう施設を利用するすべての児童が有機ゲルマニウムを服用するようになればどうなるか?施設の負担は半減し、親にとっては子育ての負担が半減するだろう。児童にとっては、生きることの苦しさが半減し、文字通り、人生が変わるだろう。子供は、国の未来である。障害の負担を取り除かれた人々が本来のパフォーマンスを発揮できるようになれば、日本の未来はますます明るいものになるだろう。

ただ、ネックは金銭面である。有機ゲルマニウムはやや高額である。障害を持つ親にとってみれば「有機ゲルマニウム?聞いたこともないな。しかも高い。そんな得体の知れない高額商品に金は出せない」となるだろう。
T氏はゲルマニウムに興味を持ったが、自腹で購入して施設利用者に提供する、とまではさすがにできかねた。

浅井ゲルマニウム研究所の研究部門取締役の中村宜司さんはときどき出張で関西に来られる。そのたびに僕と食事をし、近況について互いに話をする。今年6月、中村さんが神戸に来られた際、僕は中村さんとT氏を引き合わせた。その際、中村さんに「障害を持つ施設利用者数名に有機ゲルマニウムを投与して、その効果を見たいと思っています。有機ゲルマニウムを無償で提供いただくことは可能でしょうか」と頼んでみた。
T氏は、僕の話を一応聞いたとはいえ、まだ有機ゲルマニウムの効果について半信半疑である。ただ、処遇困難の利用者が少しでもよくなれば、と思っている。
僕としては、RCT(無作為化比較試験)ができればおもしろいなと思っていた。有機ゲルマニウムのRCTは恐らく行われたことがないはずで、有機ゲルマニウム投与群とプラセボ投与群に分けてその変化を評価すれば、有機ゲルマニウムで著明な改善が見られるに決まっている。決まっているが、その改善がRCTで確認されることの意味は極めて大きい。医者の臨床報告や改善を実感した「患者の声」がいくら集まっても、それは主観の域を出ない。しかしRCTで確認された有効性は、客観的な科学である。エビデンスレベルが一段違う。ゲルマニウムの有効性が客観性をもって示されることは、中村さんにとっても悪い話ではないと思った。
しかし、それでも、中村さんにとってみれば「タダでゲルマニウムちょうだい」と言われているわけで、ずいぶん虫のいい要求だなとも思う。断られても仕方ないと思っていた。
ところが中村さん、「困っているお子さんを助けることができるなら」と、この話を受けてくれた。これは中村さんが純粋に、T氏の理念に共感したからである。決して僕の考え(「ゲルマニウムの有効性がRCTで裏付けられたら、宣伝する一助になるだろう」)に乗っかったのではない(笑)

これで有機ゲルマニウムを調達する金銭面の負担が免除された格好である。さて、あとは被験者をつのるだけ、ということになったが、残念ながら、集まった被験者は2人だけだった。「ただでゲルマニウムを飲ませてくれる」という、ゲルマニウムの何たるかを知っている人からすればこれほど”おいしい”話はないはずだが、施設利用者はゲルマニウムのことを誰も知らない。安全性は十分に確立していると説明しても「そんなわけのわからないもの、飲みたくない」という人が予想以上に多かった。また、治験に参加するとなれば僕のクリニックに定期的に通うようにして欲しい、と条件を出したことで参加を思いとどまった人もいる。「わざわざ神戸まで通わないといけないの?定期的に病院受診するなんて、何だかうちの子が病気みたいじゃないの」とにかくイヤ、ということに決めれば、イヤである理由はいくらでも作り出せるものである。こうして最終的に集まった被験者は、わずか2人ということになった。しかもこの2人は兄弟(7歳男児と5歳男児)っていう^^;

同じ家に住む兄弟2人となれば、RCTもへったくれもない。ただ単純にゲルマニウムを投与し、その改善ぶりを評価する、というスタイルにならざるを得ないが、それでもいいと思った。
僕はこれまで多くの人にゲルマニウムを使ってきたが、その相手は、僕のクリニックに来た患者ばかりである。患者のなかには「ゲルマニウムを使ってみたい」と希望して来られる人も少なくない。つまり、待ち受ける僕のところへ来た人だけが、僕の治療対象だった。
しかし今回は流れが違う。いわば、僕のほうから動いて、”患者を探しに行った”のである。そうして見つけた2人である。ゲルマニウムの何たるかについての予断は一切ない。
しかもこの2人の症状(7歳児がADHD、5歳児が自閉症)は極めてひどく、おまけに家庭環境も悪かった。両親が逮捕されて刑務所にいるため子供らは母方の祖父母宅で暮らしているのだが、荒れる子供らを祖母が怒鳴り散らし、近所から虐待を疑われて児童相談所に通報されたことも一再ならずある。T氏が対応に苦慮するのももっともだった。このままではこの子供らの将来は明るくないだろう。明らかに、何らかの変化が必要だった。
チャレンジングな症例ほど、結果を出すのがゲルマニウムである。どうしようもないと思われる状況だが、ここでもやはり、ゲルマニウムがきっちり”奇跡”を起こしてくれた。
長くなるので詳細はまたの機会にしよう。

 

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